1話 神がいる世界
「この村は我らの神の規則に背いた!」
「規則を守れない者はこの世に必要ない!」
「神のご意向によりこの村はこの世界から消す!」
「神の裁きをうけろ!」
燃え盛る炎がとても熱い、人々の悲鳴や足音が聞こえる、
見慣れた建物や景色が壊れていくのがわかる。
「ハァ、ハァ、ハァ!」
・・・一体なんなんだ、これは!・・・
武装した兵隊のような集団から逃げながら強くそう思った。
・・くそっ!本当になんなんだ!
今朝まではいつも通りの日々だったのに。
僕は何があったのかを思い出す。
今日はいつも通りに起きて,それから、家でご飯を食べて、
そのあと、山に山菜を摘みに出かけて。
夢中になっていたら,もう日が暮れてきたから急いで戻ったら、村がこんなことになってて、、
あーもう! 思い出ても何もわからない!
・・・そうだ、、僕の家族は大丈夫なのか?・・・
出かけてからは,父さんにも母さんにも会ってない。
とても心配だ。
「ウワァッ」
逃げること以外に気が逸れたせいか、盛大にこける。
「いててて」
「おい!見つけたぞ!」「反逆者を逃すな!」
銃や刃物を持った奴等が追いかけてくる。
嫌だ、嫌だ、死にたくない、死にたくない!
必死で逃げていると、急に地面がなくなり、身体が一瞬宙に浮いた気がした。
その時、僕は思い出した。この先は確か崖だ、、
「ウワァァァァァァーーーーーー」
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目が覚めると、見知らぬ1人の男が僕の近くに座っているのに気がついた。
何か手紙のようなものを読んでいる。
「あ!目、覚めたんだ。よかった〜。助けられなかったんじゃないかって心配になったよ。」
その男が僕に気づいてそう言った。
「僕は君のいわゆる恩人ってやつさ。君ね〜この崖から落ちたんだよ、でも生きてる。見た感じだと大きな怪我もない。よかったよかった。ところで君、この近くの村の子だよね。何があったのか覚えてる?」
その言葉で僕は思い出した。
「そ、そうだ!僕の村、よくわからない奴らに襲われて、、僕の家族は、、村のみんなは、、無事なんですか!」
「無事じゃないだろうね。」
その男は静かに答えた。
「え、そ、、そんな、、、、、」
言葉が出ない、いやそんなことよりも
「わからない、、訳がわからない!」
「なんなんだあいつら!なんなんだ!僕の村も!みんなも!家族も!全部、、、」
その男は、僕が黙るのを待った後にこう言った。
「君はこの世界に神と呼ばれる存在があるのを知っているかい?この世界はそんな神がつくった規則を中心に回っている。神の規則破った者は神を崇高する団体【神の雷】によって裁きが下されるのさ。」
確かにそんなこと言っていた。神がどうだの規則がどうだの。でも今はどうだっていい。
「あなたは、、、一体なんなんですか。」
男は顔を上げることができない僕を見てこう言った。
「俺はクリストファー。たった一人の妹を神とかいう野郎に奪われた情けない男だ。」
男の声は静かな怒りを含んでいた。
そしてこう続けた。
「この世界は、クソ野郎に支配されている。今この時だって苦しんでいる奴は大勢いる。俺たちは神のいない世界を、規則のない自由な世界を目指しているんだ。」
「そのために仲間を集めている。」
「お前も一緒に戦ってくれないか。」
男はそう言って手を差し伸べてくる。
・・なんだよそれ、、、
今は何もかもわからない、、、なんで村が襲われたのか、どうしてこんなことが起こったのか、なぜ僕だけは生きている
のか、この男のこともまだよくわかっていない、、、、、、
いや、一つだけわかることがある。
「戦えば,なんでこんなことが起こったのか、わかるんですか?」
「保証はできない。でも,何かしなきゃ始まらない。」
「わかりました。」
僕は男の手を強く握り締める。
「戦う。 戦わせて下さい。」
僕は知らなければならない、村のことを、世界のことを。
ならばついていくしか無い、この男に、そしてもう二度とこんな思いをしないために、、、




