関係性
「ねぇレミ、さっきの話ってー」
「あー!!そうだ!レミめっちゃ気になってるんだけどさ!!」
「ええはい!何でしょうか!」
こちらの世界に転移させられる人の共通点にあまりにも意味深なことをさらりと言われたから、それについてもっと詳しく聞こうと恐る恐る口を開いたものの、レミの無駄にデカい声に遮られてしまった。
ー絶対わたしが聞こうとしたの気づいてたよな。
まあ、聞かれたくなかったってことなんだろう。
気になるけど、今聞くべきではない事だと察して諦めた。
「律ちんと咲久ぴょんって、どーゆう関係?」
「ーっえっ……あっ、どっ……!」
いやいやいや、なんだ今のわたしの反応。
普通にすぐ友達って言えばよかったのに、てか実際友達なのに、なんでこんな変な反応……今の絶対誤解された。
ー……いや、友達なのか?
友達同士でキスなんてしない。
でもわたしたちはしてて、でも別に告られても告ってもないし、付き合ってもなくて。
ん……?
「え、なになに?咲久ぴょんそれどういう顔?ここで照れたらほぼ確だったのに、なんか微妙な顔でウケる」
「あー、うん……うーん」
「最初2人付き合ってんのかなーって思ってたわけ、レミは。でも、なんか今日謎に監禁されてるし、咲久のこと連れて行こうとしたら、咲久は、律が困っちゃうー、とか、焦らせちゃうーとかじゃなくて、律に怒られるのが怖くて拒んでる感じだったし」
言われてみれば確かにそうだ。
わたし最低だ。
わたしがいなくなったら律がどれだけ心配してくれるかとか、律に心配かけたくないとかいう思考が全くなかった。
律と再会した時にどう律の怒りをしずめるか、どうしたら怒られないかばっかり考えていた。
律はわたしを優しいっていうけど、本当にわたしは自分勝手な薄情者だ。
「え、なになになんで急に凹んでんの?レミそんなドヨーンってさせるようなこと言った?」
「あ、ううん、大丈夫……こっちの話」
「情緒不安定すぎて大丈夫そ?」
「はは……いつものことだから」
「ふーん、咲久って結構めんどくさいタイプなんだねウケる」
……めっちゃど直球にディスるじゃん。
いや、言い返せないんだけど。
「で、そっちの話で凹んでんなら一旦それは置いといて、こっちの話に戻ってきてよ。どーゆう関係なの」
「……わたしが聞きたいよ……」
わたしがそう言って項垂れたら、レミは「ふーんなるほどね」と呟いて、にやにやと何か良くないことを企んでいるような笑みを浮かべた。
怖い。
この子本当に何考えてんのかわかんなくて怖い。
「まぁいいや、付き合ってないって事はわかったし。てか咲久ぴょん、律ちんが怖いなら、レミが守ってあげるよ。なんか面白そうだし!」
「え?ん……?待って、なんか誤解してると思う!別に律が悪いとかじゃなくてー」
「え、じゃあ咲久ぴょん律ちんが好きなんだ?」
「へ?!違うそんなんじゃ!!……あ」
「ほら〜!!」
咄嗟に大否定してしまった。
いやでも、好きって言っても違うって言っても、どっちにしろ別の誤解を生んでしまう。
わたしが、「なんて言えば……」と唸っていると、気づけば下町を越えて、わたしたちは貴族街の上を飛んでいた。
「もう着くよ〜ん」
「あ、はい……ってうわあぁぁぁ!!」
レミが突然急降下し、わたしはふわりっ、という、あのむずむずする浮遊感に大絶叫する。
立派なお城のような建物の一室に窓から入り見事に着地したレミは、わたしを降ろした。
久々の床の安心感に、力んでいた身体が崩れ落ちる。
「大丈夫?」
「……大丈夫。大丈夫だけど、ちょっと床を感じさせてほしい」
「あはっ!ウケる!!」
「ここは……?」
セミダブルくらいのベッドに、十分な大きさの机と椅子。
全開になっているクローゼットには、レミが今きている服と全く同じ服が何着もかかっている。
ちょっと裕福な家の子供部屋くらいの広さの、綺麗な部屋だった。
ただ、ミニマリストですかレベルで物が少ないので、少し寂しく感じる。
「ここはレミの部屋!てか、5分休憩したら出るよ、咲久ぴょん!」
「ええ?そんなすぐ?!どこに?!」
嫌な予感満載で、全力で眉間に皺をよせてレミにきくと、満面の笑顔をしたレミがニカッと笑って言った。
「決まってるじゃん、タカノンのとこ!」
お読み下さりありがとうございます!!
レミは多分高めのツインテールです。
改めて、ここまでブックマークやいいね、評価やコメントをくださっている方々、本当にありがとうございます!!




