第13話
「正義のつもりかもしれないけど、
人々の命を意味もなく、奪う行為は、
警察が動かなかったとしても、
犯罪。
これが人間世界のルールだ」
私は、静かにゆっくりと主張した。
世界という男は、怯えきっている表情だった。
「あぶきという黒幕がいる中で、堂々としてられるな」
「黒幕?」
黒幕が、黒幕を語る?
これは、おかしい。
本当に黒幕なら、みんなにばれてしまったら、不都合が生じる。
「君は、黒幕なんかじゃない」
「そんなこと言うのか。
世間は、あぶきが黒幕と確定している」
あぶきは、黒幕じゃない。
だけど、証拠がない。
いじめ殺しの黒幕は、別にいる。
私たちの見えない裏で、確実にいじめ殺しを動かしている。
だけど、きっと黒幕の正体は、あぶきも、いじめ殺しでさえも、知らないような誰か。
黒船あぶきが、黒幕というのは、世間を惑わすための行為。
私がその答えにたどり着くことができたのは、ただの推理でしかない。
「確定はしていない。
世間が騒いでるだけだ。
世間は、根拠のない話も、騒ぐ」
「黒幕の前で、そんなこと言うのか」
「なら、戦う?」
あぶきは、自分が黒幕だと断言している。
なら、戦おう。
黒幕なら、能力のことも把握しているはず。
ここまで賢くないと、黒幕なんてできない。
「何の勝負?」
何も、わかっていない様子だった。
黒幕にしては、賢くない。
「そんなこと、言うまでもない」
私は手加減するつもりで、世界に当たらないように、あぶきに雷を浴びせた。
そしたら、あぶきは「うわ」と、世界を離してしまった。
「痛い、痛い、痛い」
あぶきは、地面に転がっていた。
「よくも、あぶき様を!」
怪物が私に襲いかかろうとしたけど、これは人間ではないので、手加減する必要ないと思った。
闇の技で、透明人間となる。
「あれ、どこだ?」
私の姿が見えないということは、ここまで強い怪物ではないみたいだ。
特に昼間なわけだから、かなり弱い怪物ではない限り、姿は見えるはずなんだが。
私は弓を持って、光の矢で攻撃した。
怪物は、一撃で倒れ込んだ。
一撃で、やられるくらい強くなかったということか。
あぶきは、すでに気絶していた。
私は、私で真の黒幕を探した方がよさそうだ。
「世界は、どうするんだ?」
と、リスナーが聞いてきたけど、
「さあ。 どうしたらいいんだろう?」
と、答えるしかなかった。




