第14話
私は、刃物で腰を刺された。
あぶきが力を振り絞って、刺したみたいだった。
私は、その場に倒れ込んだ。
痛いと感じている余裕すら、なかった。
「ははは」
あぶきは、笑っていた。
「やったぞ!
これで、勝敗はあぶきのものだ」
あぶきは、勝ち誇った表情だった。
私の腰から、大量の血が流れ込んでいた。
「闇姫を傷つけるやつは、許さんぞ」
リスナーは、あぶきの持っている包丁を燃やした。
あぶきは、パニック状態になっていた。
包丁から炎が手にうつり、あぶきは右手を火傷した。
「あちっ」
あぶきは包丁を離しても、右手から腕へとどんどん燃えていた。
「誰か~」
あぶきは、必死に叫んだ。
叫んで、どこかへ逃げたみたいだけど、
「きゃー」
「見ろ! 人が燃えているぞ!」
という声が聞こえた。
リスナーは、回復の能力を持つナッツを必死に呼んでいた。
「ナッツ! ナッツ!」
だけど、ナッツは来ないし、召喚されない。
ピーも、ナッツも、来る時と来ない時のムラが激しい。
最悪な場面を、選んでしまったみたいだった。
黒船あぶきは、黒幕ではない。
だけど、あいつはどんな手段に出るのか、予測がつかない。
「闇姫だけじゃ、無理だったのか。
闇姫では、無理だったのか」
リスナーは、泣いていた。
だけど、今の私はリスナーを慰めることも、涙を拭うこともできなかった。
意識は、ここで途絶えた。




