60
そして、16:30。現世・現在――
キュルッ、キュルッ、キュルッ――
帰還していきなり、リューシィのパムホが鳴ったのだった。まじ、“システム”は最後まで意地が悪い!
努めて平静な表情を装いながら画面を確認するリューシィ。瞬間、その表情をほころばせる。一言、「声紋」と呟いた後、彼女はこう発声した。
「『ありがとう』……」
そして、パムホが鳴るのだ。
ピコ~~ン……と。
それを合図に、
「じゃあ、ゴールしますか……」
ワープがノンビリ音頭を取り、三人して、ゴールボタンの“長押し”をする。
ぴこ~~ん……。
ピコ~~ン……。
ピコ~~ン……。
三人ともここに、真っ当にゴールを迎えたのであった。
さぁ――
得点だ!
リューシィが楽しそうに声に出した。
「基本点1pt、スペシャル点9pt、合計10pt……
おめでとう! おめでとう! そしてわたし、おめでとう――!」
涙ぐんでいたのだった。
ドールが“ワープに向かって”声に出す。
「意外に付いたな、おい?!」声が弾んでる。
「ローソクの画像が効いたんだろうねぇ……アハハ」
「海から海へのコース取りもよかった。ウフフ!」
一通り(笑)、ふざけて言い合った末に――
――ワープ!
「では、約束の執行です。リュー!」
ドール!
「どうぞお受け取りを。リュー!」
ピロピロリ~~ン……。
そして――!
画面を見て、ただ一人、マジで地面に尻餅するリューシィなのであった。
ワープが解説する。
「ぼくの得点内容を言います。
基本点1pt、
ボーナス点9pt、
スペシャル点9990pt、
合計10000pt……」
ドールが後を引き取る。
「さらに、ボクらは“MI”ランクですから、特典として全獲得ptが倍になります。
それを全額、規約に則って、ボクら両名から謹んで贈らせてもらいました。
申し添えておきますが、これは歴とした契約です。
当然、リューに、拒否権は――ございませんことですヨ!!!」
してやったり!
さながら悪魔の笑みを、思う存分に顔一杯に、得意げに、幸せ一杯に、二人してここで披露したのだった!




