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ぶつぶつ言ってる。
「換算……現在レートで、“1pt”2000エンだったから……」そこから言葉が続かない。代わりに泡をふいている。
いや、だが、それほどの数字――!
瞳孔が開いてる――とは言い過ぎではあるが、まさにそれほどまでの、衝撃を受けた彼女であった。
「――なんで、なんでこれほどの得点が付いたの? 旅ゲーって、なんなんよ!?!」
パニック寸前である。
「ボクら、ベテランですから。だいたいこーなると、予想してました」
とドール。
ワープはワープで、真面目に答える。
「それはリューシィ、実は、貴女のおかげなんです……。(“人をひっぱるほど”ドラゴンに気に入られた、)貴女という期待の新規プレイヤーを一人、旅ゲーに勧誘できた。それも、海から海への一本物で。これが、“システム”が今回、もっとも評価したポイントだったのでしょう……」
「たった、そんなことで……?」
「価値観は人それぞれ、というコトだな!」
ドールが受けて、そして――
そしてこのとき、またしてもワープ、ドールのパムホが鳴ったのだった。
ピロピロリ~~ン……。
二人してそれぞれ画面を覗き込み、そして顔を上げ、満足げにお互いに言葉を交わし合った。
「ドラゴンカード、ゲットおめでとう……」
「おめでとう……!」
リューシィにも見せた後、ワープが読み上げた。
「ぼくのは、青と白の2色竜。レアカードだ。
効果は……。
幅を、30分間だけ2倍にできる。または、10分間だけ3倍にできる。制限時間を人数で割ることにより、権利を複数プレイヤーで共用も可。なお、権利は発動を宣言してから有効となる。アウトしてからでは発動できない……」
続けてドールが読み上げる。
「ボクのは緑と黄色の2色竜。
効果は……。
ゲームを3アウト制とする。つまり、2アウトまで許される。ただし、1アウトは10分間以内という時間制限がある。連続アウト可能。1アウト救済権利を他プレイヤーに譲渡も可。なお、権利は発行を宣言してから有効……」
二人して顔を見合わせ、苦笑したのだった。
「今日、このカードがあれば、楽勝だったのに……」
「ねーー! アハハ!」
かろうじて、リューシィが口を挟んだ。
「“2色竜”がレアカードなら、その上もあるってわけね……」
「そうです。1色竜というのがあって、これこそ“超レアカード”というものなんです……」
「納得するのはまだ早い! さらに“至高のレアカード”というものがあってさ、それがゴールドドラゴン、と呼ばれるものなんだ!」
「……」もう声がないリューシィだ。
説明するワープ。
「ドールが言ってくれたゴールドドラゴンですが、そのカードにできないことはない、と評価されてます。さすがに、ぼくもまだ見たことありません。ですから、真偽のほどは知りません……が、所持者がこんなことにカードを切った、という伝説はいくつか知ってます……。
(1)富士山頂上に、個人の住宅を建てる。
(2)アニメオタクの夢、空から降ってきた美少女を嫁にする。
(3)世界一厳しいと言われる日本国の国籍・戸籍を取得する。
そして、どれも実現が適った、と言い伝えられています……」
「わたしも、ニュースで、聞いたことがある憶えが……」とリューシィ。
そりゃそうだろう。
そう一人思うドール。
なんたって、ケース(3)が、記憶をなくしたボクのことなのだから……。
「あはは!」
笑顔で隠し――それは今はまだ。
一人。
彼の胸の中に秘められていること――




