表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/65

61

 ぶつぶつ言ってる。

「換算……現在レートで、“1pt”2000エンだったから……」そこから言葉が続かない。代わりに泡をふいている。

 いや、だが、それほどの数字――!

 瞳孔が開いてる――とは言い過ぎではあるが、まさにそれほどまでの、衝撃を受けた彼女であった。

「――なんで、なんでこれほどの得点が付いたの? 旅ゲーって、なんなんよ!?!」

 パニック寸前である。


「ボクら、ベテランですから。だいたいこーなると、予想してました」

 とドール。

 ワープはワープで、真面目に答える。

「それはリューシィ、実は、貴女のおかげなんです……。(“人をひっぱるほど”ドラゴンに気に入られた、)貴女という期待の新規プレイヤーを一人、旅ゲーに勧誘できた。それも、海から海への一本物で。これが、“システム”が今回、もっとも評価したポイントだったのでしょう……」

「たった、そんなことで……?」

「価値観は人それぞれ、というコトだな!」

 ドールが受けて、そして――

 そしてこのとき、またしてもワープ、ドールのパムホが鳴ったのだった。


 ピロピロリ~~ン……。


 二人してそれぞれ画面を覗き込み、そして顔を上げ、満足げにお互いに言葉を交わし合った。

「ドラゴンカード、ゲットおめでとう……」

「おめでとう……!」


 リューシィにも見せた後、ワープが読み上げた。

「ぼくのは、青と白の2色竜。レアカードだ。

 効果は……。

 (マージン)を、30分間だけ2倍にできる。または、10分間だけ3倍にできる。制限時間を人数で割ることにより、権利を複数プレイヤーで共用も可。なお、権利は発動を宣言してから有効となる。アウトしてからでは発動できない……」


 続けてドールが読み上げる。

「ボクのは緑と黄色の2色竜。

 効果は……。

 ゲームを3アウト制とする。つまり、2アウトまで許される。ただし、1アウトは10分間以内という時間制限がある。連続アウト可能。1アウト救済権利を他プレイヤーに譲渡も可。なお、権利は発行を宣言してから有効……」


 二人して顔を見合わせ、苦笑したのだった。

「今日、このカードがあれば、楽勝だったのに……」

「ねーー! アハハ!」


 かろうじて、リューシィが口を挟んだ。

「“2色竜”がレアカードなら、その上もあるってわけね……」

「そうです。1色竜というのがあって、これこそ“超レアカード”というものなんです……」

「納得するのはまだ早い! さらに“至高のレアカード”というものがあってさ、それがゴールドドラゴン、と呼ばれるものなんだ!」

「……」もう声がないリューシィだ。

 説明するワープ。

「ドールが言ってくれたゴールドドラゴンですが、そのカードにできないことはない、と評価されてます。さすがに、ぼくもまだ見たことありません。ですから、真偽のほどは知りません……が、所持者がこんなことにカードを切った、という伝説はいくつか知ってます……。


(1)富士山頂上に、個人の住宅を建てる。

(2)アニメオタクの夢、空から降ってきた美少女を嫁にする。

(3)世界一厳しいと言われる日本国の国籍・戸籍を取得する。


 そして、どれも実現が適った、と言い伝えられています……」


「わたしも、ニュースで、聞いたことがある憶えが……」とリューシィ。


 そりゃそうだろう。

 そう一人思うドール。

 なんたって、ケース(3)が、記憶をなくしたボクのことなのだから……。


「あはは!」


 笑顔で隠し――それは今はまだ。

 一人。

 彼の胸の中に秘められていること――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ