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魔王城でスローライフ〜勇者パーティを追放されたので可愛い魔王たちとのんびり暮らします〜  作者: マグローK
第二章 王国崩壊

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第3話 侵入者への対処

「ここに入ったということは、お前、魔王城への避難が目的じゃないな?」


「は? いつの間に!?」


 言葉選びからして、迷い込んだという様子じゃないな。

 見た目は弱そうなゴブリンなのだが、俺のスキルで捉える限り見た目を誤魔化していても関係がない。

 こいつは確実に人間だ。

 おそらく見た目を誤魔化すたぐいのスキルを使っているのだろう。


「い、いや、実はですね? フラフラと歩いていたらここに迷い込んでしまいまして。ヘヘッ」

「そうか」


 自分の置かれている状況を理解しているのかわからないが、ゴブリンはニヤリと笑った。

 俺を嘲笑うように笑った。


「それにしても、ここにあるものはすごいですね。出ていく前に少し一人で見せてもらっても?」

「ふむ」


 こいつ隠す気ないな。

 一人で見せたらそれこそぬすまれるだろう。

 情けをここまで踏みにじるとは……。

 仕方ない。よそ見でもしてやるか。


「なーんてな! バカが! 一人でのこのこと出てきやがって! 一瞬で出てきたから驚いたが、こういうのは多数で当たるのが基本だろ! やっぱり魔王軍ってのは人間と違って頭脳のたかが知れてるな! 一瞬でもスキを作ったお前は間抜けだ。これで、お前の見た目を使い俺はここからとんずらさせてもらうぜぇ!」


 トドメを刺す前にこんなに簡単にやりたいことをペラペラと話してくれるなんて、案外いいやつなのかも知れない。

 でも、なるほどな。

 話してくれたおかげで魂胆がわかった。

 ダガーのようなものを俺に向けてきているが、スキをついてこれで俺を倒すつもりだったのだろう。


「ヘヘッ。このダガーに塗られた毒はなぁ、致死の毒なんだぜぇ? 一度傷口から体内に入ったが最後、どんな巨体でも数分のうちに命を失う。お前がどれだけ人間よりも強力だろうが関係ないのさ!」

「なるほど。それは恐ろしいな。それで、気化した場合の毒性はどれくらいなんだ?」

「は? おい。どうしてピンピンしてやがる。お前、ダガーで刺されたはずだろ? 少なくともダガーのダメージが……。それに、この毒は少量でも命を奪える。人以外にも効くことは試してあるってのに……」

「俺はお前に質問してるんだ。気化した場合の毒性は?」

「空気では霧散して効果が薄れる。ガスとして使うなら実用的じゃない」

「なら俺は倒せない」

「……どうして…………。お前っ! そういや、入り口にいた」

「見てたか」


 なら、実力の程を少しは理解していただろうに、救いようがないな。俺の同情を返してほしい。

 トレーニングをしたくて安全な魔王城までやってきたとかなら快く受け入れてやったというのに。

 恩を仇で返すなんてな。


「まさかここまでとは……。しかし、だからって人間なら毒で死ぬはずじゃないか。お前、人間をやめたのか?」

「やめてない」

「なら、どうして?」

「そりゃ、な? ダガーを見てみろよ」

「は?」


 ペラペラと効能を話した男は、やっと現実を認識したのか、ダガーだったものを見てぽかんと口を開けた。


「…………な…………」


 ようやくダガーが俺に通用しなかったことを理解したらしく、俺とダガーだったものを見比べている。

 俺はあくまでサポーターだ、守りを万全にしないでこんなところに来るわけがないだろう。


「刃がない!? ど、どうして? おか、おかしいだろ! こんな、こんなのって」

「それはお前の戦ってきた強者がその程度だったってだけだろ?」

「ウソ……だろ? 本当に効いてないのかよ……」

「俺もこれが仕事なんでな、手を抜くわけにはいかないんだ。恨むならこんなことした自分を恨むんだな」


 人の命を奪うのは気が引ける。

 しかし、危険分子を置いておくわけにはいかないし、情報を外に漏らすのも愚策。


 となると、勇者たちみたく先代魔王様のおもちゃにするのが一番か。

 俺は考えをまとめると侵入者に向けてを伸ばした。


「ま、待ってくれ!」


 男は叫び、観念したようにダガーだったものを捨て両手を上げた。


「どうして?」

「違う、違うんだ」

「なにが」

「俺は自分の意思でここにきたんじゃない。い、依頼されたんだ」

「ほう?」


 誰かの使い?

 勇者やその父たちはもはや敵ではない。


 なら、誰が?

 思い当たるとすれば、俺や勇者の行方をいいように思わない誰か。確か勇者は国を追放されていたはず……。

 となると、こいつをここでおもちゃにしたところで状況は変わらない。面倒なことになったな。これは仕事追加かな?


「信じてくれ」

「信じよう。お前、バルラミア王国から派遣されてきたな?」

「どうして、それを……?」

「俺もその国とは関係があってな」

「関係が……?」


 不思議そうにしながらも、なにがあったのか聞かないのは賢明な判断だな。


「なあ、あんた本当に生身の人間なのか? どうして魔王軍でこんなことを?」

「そんなこと今のお前には関係ないだろ? 今はお前の依頼の話だ。せっかく信じてやると言ったんだ。ゆっくりと聞かせてもらおう」

「本当か? なら」

「ただし、お前はもうここの住人だ」

「え?」

「尋問は専門じゃないんだがな……?」

「お、おい? なにするつもりだ? なあ、黙ってないでなんとか言えよ!」

新作書きました。


「破滅不可避の悪役獣使いに転生したが肉塊になりたくないので聖獣娘、魔獣娘に媚びを売る〜怪我してるところを手当てして嫌われないようにしていただけなのになぜか逆に聖獣、魔獣の長たちになつかれている件〜」

https://ncode.syosetu.com/n3752ij/


よければよろしくお願いします。

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