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SURVIVE GAME   作者: DA10X
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6/11

第六章 過去の残響

冬休み初日。

朝六時、俺はすでに近所の公園にいた。

朝の空気は刺すように冷たかったが、腕立て伏せ、腹筋、体幹トレーニングを続ける俺の身体は熱を帯びていた。

額の汗を拭いながら、心の中で呟く。

(今日のトレーニングももうすぐ終わる。あとは長距離ランニングだけだ。)

午前八時には自宅へ戻り、静かに朝食を作った。

食事を終えると、その日の残りの時間は読書と電子関係の仕事に没頭し、本のページと考え事の世界に深く入り込んでいた。

夜になると簡単な夕食を済ませ、そのまま眠りにつく。

そんな日々は、ここ二年間ずっと変わらなかった。

この厳格な生活を、俺はむしろ心地よいと感じていた。

しかし、水曜日の夜――。

カレンダーを見つめながら、小さく呟く。

「見ず知らずの女と出かけるためだけに、二年間続けた生活リズムを崩すことになるとはな……。」

「明日は予定がある。朝のルーティンは早めに終わらせないと。」

翌日の木曜日。

午前十時。

朝の予定をすべて終えた俺は、待ち合わせ場所でヒナタと合流した。

「おはよう、カネキ。」

予想外に明るく柔らかな声で彼女は挨拶した。

(……こういう時、俺は何て返せばいいんだ。)

無表情のまま考えていると、

「行こう!」

そう言って彼女は笑顔で手招きした。

俺たちはしばらく無言で歩き、有名な高級カフェへ到着した。

値段の高そうな料理ばかりが並ぶ店内を見回し、俺は彼女へ視線を向ける。

「本当にいいのか? かなり金がかかるぞ。」

ヒナタは気楽そうに微笑んだ。

「気にしないで。」

席につき、料理が運ばれてくるのを静かに待つ。

沈黙が続く中、ヒナタは少し身を乗り出した。

「一つ聞いてもいい?」

「構わない。」

「中学校はどこだったの?」

俺は落ち着いて答えた。

「確か……札津中学校だったと思う。」

この地域でも有数の進学校。

Aクラスにいる理由を説明するには都合のいい答えだった。

しかし、その瞬間。

ヒナタの表情が変わる。

「……本当に?」

俺は軽く瞬きをした。

彼女は鋭い視線で俺を見つめる。

「私も札津中学校だった。でも、あなたを見た記憶なんて一度もない。」

警鐘が頭の中で鳴った。

(……俺を試しているのか。)

俺は静かに答える。

「ただ気づかなかっただけじゃないか。そういうこともある。」

ヒナタは首を横に振った。

「それはありえない。あの学校は優秀な生徒しか入れなかったし、生徒数も多くなかった。本当にいたなら、絶対に覚えているはず。」

彼女がさらに追及しようとした、その時だった。

ウェイターが料理を運び、テーブルへ美しく盛り付けられた皿を並べる。

重苦しい空気は一瞬で途切れた。

ヒナタは小さく息を吐く。

「……とりあえず、食べようか。」

「ありがとう。」

そう呟き、俺は食器を手に取った。

(助かった……。)

(あら、言い訳一つ思いつかないなんて。今のあなた、本当に馬鹿ね。)

頭の奥から、皮肉な声が響く。

「……黙れ。」

心の中でそう返し、意識を食事へ向けた。

食事を終えたあとも、俺たちは街を歩き続けた。

ヒナタは様々な遊び場へ案内し、一日を楽しませようと懸命だった。

だが、どれだけ彼女が努力しても。

俺の表情に笑顔が浮かぶことは一度もなかった。

夕方。

静かな住宅街を歩いている途中、ヒナタは歩みを緩め、俺を見つめた。

「カネキ……今日は楽しかった?」

少し弱々しい声だった。

「楽しかった。今日はありがとう。」

俺は短く答える。

「じゃあ、どうして笑わなかったの? 楽しそうにも見えなかった。」

「たぶん……表に出さなかっただけだ。」

そう答えると、

「……そっか。」

ヒナタは寂しそうに小さく呟いた。

その時だった。

「――おい!! そこの二人!!」

静かな通りに、怒鳴り声が響き渡る。

路地の影から、八人の男たちが姿を現した。

先頭に立つ男は、ヒナタを見ながら嘲笑する。

「やっと来たな。毎日ここを通るのを待ってたぜ。」

「しかも今日はイケメンの連れ付きか。なら、まずはそいつから始めようか。」

ヒナタは一歩後ずさる。

恐怖が顔いっぱいに広がっていた。

「あなたたち……誰なの?」

男はゆっくり近づきながら言う。

周囲では残る七人が俺たちを取り囲み始めていた。

「ゾランを殺したのはお前たちだろ。」

「奴はお前に執着していた。だからお前が一番怪しい。」

「しかもここは人気のない場所だ。少し遊ぶにはちょうどいい。」

その瞬間。

俺の表情は静かに変わった。

そこに残ったのは、冷たく殺気を帯びた静寂だけ。

俺は低い声で言う。

「遊ぶつもりなら……俺も混ぜてもらっていいか?」

ヒナタは俺の背中で凍りついたように立ち尽くしていた。

胸は激しく鼓動し、目の前には八人もの敵。

(八人……。)

(たとえ彼が殺人者でも……。)

(どれほど強くても……。)

(大人の男八人を相手に勝てるはずがない……。)

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

これから物語はさらに大きく動き始めます。

次の章も、ぜひよろしくお願いいたします。

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