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SURVIVE GAME   作者: DA10X
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第五章:語られぬ約束

凍てつく路地から事件の痕跡を一つ残らず丁寧に消し去ったあと、俺はヒナタを家まで送り届けた。

冬の夜は静まり返り、聞こえるのは俺たちの足音だけだった。

俺は少し前を歩き、ヒナタは一歩後ろを、まだ衝撃の残る体を震わせながらついてきていた。

「……あの……」

重苦しい沈黙を破るように、ヒナタがためらいがちに口を開いた。

「ありがとう……って言いたい。でも……どうして彼を殺したの? それじゃあなたも殺人者になってしまう。それに……どうしてあんなに楽しそうだったの?」

俺は静かに答えた。

「その前に聞きたい。俺に助けを求めたのは、本当に偶然だったのか? それとも……俺について何か知っているのか?」

視線は前だけを見据えたまま、頭の中ではあらゆる可能性を計算していた。

(この少女は警察へ行くだろうか……。もしそうなら、その結果を受け入れる覚悟はしておかなければならない。そもそも助けるつもりなどなかった。気づけば、あの場所へ足が向いていただけだ。)

やがて俺たちは彼女の家へたどり着いた。

その後、俺は自宅へ戻った。

一方ヒナタは、疲れ切った体で部屋へ入り、一人静かに壁を見つめながら座り込んだ。

震える声で自分に問いかける。

(今日の出来事が、一生消えない心の傷にならなければいいけれど……。本物の人間の首が、目の前で切り落とされるなんて……。まだ信じられない。)

数日が過ぎ、それはやがて数週間になった。

意外なことに、学校生活は何事もなかったかのように続いていた。

ニュースでストーカー失踪事件が報じられることもなく、警察が俺を追うこともなかった。

ヒナタは、何も警察へ話さなかったのだ。

俺は学校の図書館でクラスメイトたちと机を囲み、教科書を広げながら学年中間試験の勉強をしていた。

(本当に……黙っていてくれたのか。)

俺はシャープペンシルを指先で回しながら、心の中で呟いた。

「カネキ!」

クラスメイトが小声で呼び、俺の目の前で指を鳴らした。

「この範囲は試験にすごく重要なんだ。ちゃんと集中しろよ。」

「ああ……悪い。少し考え事をしていた。」

やがて試験期間も終わり、学校は正式に冬休みに入った。

静かな自宅へ戻った俺は、ソファに横になりながら天井を見つめる。

「この休み……何をして過ごそうか。」

翌朝、生活用品を買うため近所のスーパーへ向かった。

商品棚を見て回っていると、偶然ヒナタと出会った。

彼女は俺に気づくと、人混みを抜けて真っ直ぐこちらへ歩いてきた。

「近いうちに時間はある?」

そう尋ねられ、俺は無表情のまま彼女を見つめ返す。

「仮に時間があったとして……何をするつもりだ?」

ヒナタは迷いなく答えた。

「一日中、一緒に過ごしたいの。もちろん全部私が払う。それが、あの日助けてくれたお礼。」

「それで俺に何の得がある?」

いつも通り現実的に聞き返す。

ヒナタは小さく微笑んだ。

「ただ、一緒に一日を楽しむだけ。それだけよ。」

俺は少し黙り込み、一週間の予定を頭の中で確認した。

「……来週の木曜日なら、一日空いている。」

「よかった! じゃあ木曜日に会いましょう。」

ヒナタは嬉しそうに頷くと、そのまま買い物へ戻っていった。

俺は彼女の後ろ姿を見送りながら、目をわずかに細める。

(恋愛感情も、人との深い繋がりも、俺には必要ない。これ以上人生を複雑にされる前に、どこかで終わらせるべきだ。)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


次回もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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