第27章:偽りのプロフィールと世界規模のチェス盤
ヒナタは生徒会での立場を利用し、指定されたファイルを行政上の確認のために一時的に借りる許可を、正式に校長へ求めた。
校長はそれを承諾し、手を振って彼女に立ち去るよう促した。
「分かった。持っていっていい」
その日の夕方、ヒナタは自宅の机に座っていた。デスクライトが、ファイルの上に鋭い光の円を落としている。
彼女は、彼の置かれている状況や過去の片鱗を何か一つでも明らかにできることを期待しながら、激しく鼓動する心臓を抱えてファイルを開いた。
しかし、ページをめくっていくにつれ、彼女の表情は強い期待から完全な困惑へと変わっていった。
白紙の書類を見つめながら、ヒナタは呟いた。
「な……何これ? こんなの、絶対にありえない……」
そのファイルは、ほとんど完全な白紙だった。
基本的な情報――彼の名前と年齢――を除けば、他には何一つ記録されていなかった。
記載された技能も、記録された功績も、過去の懲戒記録も存在しない。
そして何よりも衝撃的だったのは、彼の両親に連絡するための電話番号や住所すらなかったことだ。
まるで、彼の存在そのものが、幽霊の手によって組織的に消し去られたかのようだった。
彼女は小さく呟いた。
「これは……あまりにも奇妙すぎる……」
深い悪寒が、彼女の胃の奥を駆け抜けた。
「まあ、今はこのくらいにしておこう。お腹が空いたし」
一方その頃、主要監視センターでは、FCIの捜査官たちが依然として事件に懸命に取り組んでいた。
彼らは、あの悲惨な事件が発生した瞬間に周辺で撮影されていた、利用可能なすべての監視カメラ映像を慎重に確認し、分類していた。
突然、厳重に施錠された重い扉が開いた。
そして、捜査官D・Aが大股で部屋へ入ってきた。顔には嘲笑的な笑みが浮かんでいる。
「やあ、諸君!」
FCIの最高司令官が振り返ると、その顔はすぐに険しい表情へと変わった。
「おいおい、誰かと思えば! くそったれの野郎が! これはお前の管轄でも任務でもないはずだ! いったい何しに来やがった? こっちは最悪の年を迎えてるんだぞ!」
D・Aは、絶対的な自信を漂わせながらコンピューターに寄りかかり、落ち着いて答えた。
「私は、自分が望むあらゆる行動を実行する権限を持っている。私は巡回捜査官だ。君たちのくだらない問題などよりも、はるかに重大な事件を追っている。それに、私は世界政府の最高機関から直接支援を受けている」
司令官は制御盤を拳で叩きながら、唸るように言った。
「分かった! それで、何が望みだ、この傲慢でうぬぼれた野郎!」
D・Aは、まったく動じることなく肩をすくめた。
「好きなように言えばいい。だが、そろそろ子供じみた癇癪は終わりにしよう。私は君たちのチームに助けを提供しに来たんだ。正直なところ、君たちが苦戦している姿を見て、少しばかり同情しただけだ」
司令官は凍りつき、目を細めた。
「まさか……お前は本当に犯人の正体を知っているのか? あるいは、何か手掛かりでもあるのか?」
司令官は鋭い目つきで彼を睨みつけ、部下たちにすべての扉を閉鎖し、D・Aを包囲するよう命じた。
捜査官は困惑した様子で彼を見つめた。
「どうやら、君は誤解しているようだ」
司令官は脅すように前へ進みながら叫んだ。
「今すぐ教えろ! さもなければ、その代償を払わせるぞ!」
「今この場で、犯人の正体を隠蔽し、その開示を拒否していると州議会に直接報告してやる!」
D・Aは、無菌的な部屋全体に響き渡るほどの、嘲笑に満ちた大きな笑い声を上げた。
「それを本気で私への脅しだと思っているのか、この馬鹿め。たとえ君が地方当局に報告する勇気を持っていたとしても、彼らは私に対して何の措置も取れない。以前にも言ったが、君には私に手出しする能力などまったくない」
「私はアメリカ合衆国政府に直接所属している。それに、イタリアとドイツの両国との地政学的な同盟によって、強固に守られている。だから、私に何か仕掛ける前に、自分のくだらない策略を見直すことだ。頼むからな」
司令官は苛立ちのあまり顎を強く引き締め、額には血管が浮かび上がった。
彼は、その捜査官が法的にも政治的にも守られていることを理解していた。
「くそっ……分かった! 今は簡単な手掛かりだけでいい。それを渡せ! さあ!」
D・Aは突然、鋭く事務的な口調で言った。
「その前に、こちらからも具体的な頼みを一つ聞いてもらいたい」
司令官は怒鳴った。
「お前には何も渡さん! いまだに指名手配中の人物を、我々の管理下へ引き渡すことを拒否しているくせに!」
D・Aは出口へ向かいながら、鼻で笑った。
「ああ、まったく……価値のある手掛かり一つでさえ満足できないのか? 君たちの無能なチームの役に立つかもしれないぞ。今の君たちが持っている完全な無に比べれば、これは大きな前進だと思うがね」
司令官は選択肢が残されていないことに気づき、大量の汗を流しながらためらった。
「分かった! お前の頼みを聞いてやる。いったい何が望みだ?!」
捜査官は振り返り、邪悪な笑みを浮かべた。
「君の秘密の第二拠点の内部に、私だけが使用できる専用の個室を一つ用意し、完全に警備してもらいたい」
彼は少し間を置いてから続けた。
「期間は正確に三か月だ。そのくらいあれば、私の活動には十分だと思う」
司令官は叫んだ。
「何だと?! そんな大規模な作戦上の頼みを、たった一つの手掛かりと本気で比較しているのか?!」
D・Aは扉へ向かって歩きながら言った。
「分かった。条件が気に入らないなら、私は帰る」
司令官は絶望したように両手を上げ、叫んだ。
「いや、いや! 待て! 条件を受け入れる! 承諾する! さあ、手掛かりを教えろ。準備はできている!」
D・Aは入り口で立ち止まり、わずかに頭を振り向かせた。
その笑みは消え去り、代わりに冷たい表情が浮かんでいた。
彼は低い声で言った。
「彼は、正確に十六歳の少年だ。それにもかかわらず、普通の人間とは完全に異なる雰囲気を放っている」
「それは、肉眼では見ることのできない異常な現象だ……原始的な本能によってのみ感じ取ることができる」
司令官は困惑して瞬きをした。
「お前が言っているその雰囲気を、どうやって理解しろというんだ? そんなものは、この世界には存在しないだろう!」
D・Aは深い危険を映した目で、静かに答えた。
「ただの比喩だよ、この馬鹿め」




