第19章:世界を揺るがす衝撃
暗い路地の迷路へとつながる裏出口から抜け出し、私は完全に姿を消したと思っていた。しかし、急な角を曲がった瞬間、影の中から一人の人物が現れた。刑事だった——以前、あの有名なゾランの事件を担当していたまさにその刑事だ。即座に私の本能が跳ね上がった。私は拳銃を抜き、目を細めながら彼の胸元に直接狙いを定めた。
男は銃口を向けられているにもかかわらず、全く動じる様子もなく、無造作に両手を上げて言った。
「フッ… 銃を下ろしなさい、少年。誰にも通報したりはしないよ。私は独立した探偵だ。個人的に興味のある事案しか調査しない。私のコードネームは DA だ。記憶が正しければ、知っているはずだがね」
私は引き金に指をかけたまま、暗闇の中で彼を凝視した。
「本当に私がそれを信じるとでも? もし本当に独立しているのなら、なぜわざわざここにいる? どうしてこの秘密の場所を知っていた? それに、お前の顔には妙に見覚えがある」
検事(DA)は、謎めいた不敵な笑みを浮かべて答えた。
「もちろん見覚えがあるはずさ。あのセガ一味の事件で、君を保護するきっかけを作った刑事は私だからね」
私は激しく緊張したが、状況が緊迫する前に、建物内の奥深くから警察のパニックに陥った叫び声が響き渡った。警察が施設内に完全に突入し、その圧倒的な殺戮の規模に強いショックを受けていたのだ。内部では、新米の警官の一人が血に染まった壁を見つめ、顔を蒼白にして後ずさりしていた。
「ここから出たいです… こんな血生臭い光景、本当に耐えられませんよ。知っているでしょう」
先輩の警官はライフルを点検しながら、厳しく言い返した。
「今は極めて危険な緊急任務の最中だ! 耐える度量がないのなら、今すぐ私の目の前から消えろ!」
先輩警官は背を向け、低く呟いた。
「この被害者たちは普通の市民ではない。重武装したプロたちだ。一体どうやって一人で、これほど計画的に彼らを圧倒できたというんだ…?」
私はこの隙を見逃さず、武器を下ろすと暗闇の中へと駆け出し、脱出に成功した。刑事 DA は静かに現場へと歩みを進めていく。彼のもとへ駆け寄ってきた部下の一人が尋ねた。
「警部! 隣の路地で何か手がかりはありましたか!?」
刑事 DA は巧みに嘘をついた。
「いや、何もなかったよ。ところで、私はそもそもそこへ行ってすらいない。君たちで確認してくるといい」
そして彼の鋭い視線は、入口付近で崩れ落ちている体に固定された。「だが、門に立っていた警備員はまだ死に瀕しながら戦っているようだ。息を引き取る前に直ちに尋問しろ」
彼らは急速に警備員の脇に膝をついた——私がコンクリートの壁に顔面を激しく叩きつけたあの男だ。救急隊が迅速に到着し、彼を担架で運ぶ中、情報収集をしていた警官の一人が尋ねた。
「だ… 誰がこんなことをしたんだ!?」
検事(DA)は警備員の頭を少し持ち上げながら問い詰めた。
「集団では… 集団ではありませんでした…」
瀕死の男は、恐怖で血に染まった唇を震わせ、最後の息を振り絞りながら囁いた。
「たった一人の… ただのガキでした…」
部下は惨劇の部屋を見回しながら呟いた。
「たった一人でこの大惨事を仕組んだなんて言わないでくれよ!?」
1時間もしないうちに、施設は連邦警察、法医学者、そして物理的な証拠を必死に探す犯罪捜査官たちで完全に埋め尽くされ、報道陣がさらに緊張感を煽っていた。
「刑事さん、事故について何か情報はありますか!?」
報道陣の一人がベテラン捜査官に尋ねると、彼は絶望的なトーンで答えた。
「まだ何も分かっていない。予期せぬ事態だ。後で情報は提供するから、今は下がってくれ。非常にピリピリしているんだ」
しかし、残されていた唯一のものは、私が投げ捨てた拳銃だけだった。鑑識チームが広範囲にわたって解析を行ったが、指紋は一切検出されなかった。犯人は殺害用の特殊な手袋を着用していたため、DNA も追跡可能な形跡も残されていなかったのだ。それでも、瀕死の警備員の証言により、捜査官たちは恐ろしい手がかりを掴んでいた。犯人は幼い少年である、と。多くの者にとって、その考えは完全に荒唐無稽だった。
「警部、こんなのは絶対におかしいですよ!」
警察官の一人がレポートを脇に放り投げながら嘲笑した。
「ガキ一人にこれほどの規模の殺戮ができるわけがない! 警備員は頭蓋骨への衝撃で認識が著しく歪んでいた可能性が高いです。犯人は訓練された組織犯罪グループであるはずで、子供一人なわけがありません。それに仮に殺し屋だとしても、どうやって慎重にカメラを解体し、記憶媒体を抜き取り、一切の慈悲もなく行動できるというんですか?」
内部での懐疑論にもかかわらず、ニュースは漏れ出た。数時間のうちにメディアは事故を世界中に徐々に報じ、史上最も謎めいた痕跡のない襲撃事件として描写した。その衝撃波は世界中に広がった。
ヒナタはリビングルームの静寂の中で座り、テレビ画面に点滅するニュース速報を静かに見つめていた。彼女の手は震え、手にしていたティーカップがすべり落ちた。ヒナタはショックと恐怖に震える声で呟いた。
「なんて馬鹿なの… 一体何をしたの、カネキ…?」
惨劇から丸一ヶ月が穏やかに過ぎ去った。私は自分に向けられる疑念を警戒しつつも、普段の日常生活を続けていた。ソファに座ってテレビを見ていた時、突然携帯が鳴った。ヒナタからのメッセージで、明日の日の午後、指定したカフェで密かに会いたいという内容だった。
画面を見つめながら、私は考えた。
(正式に応じるべきか…?)
暗いガラスに自分の姿が映し出された。激しい喧嘩の際に受けたいくつかのアザや殴打の痛みが、まだ少し残っていた。私は簡潔な承諾の返信を打ち込んで送信した。
「君の頼みを受け入れるのは問題ないと思う」
その時、私は外部からのプレッシャーが急速に高まっていることを知る由もなかった。あらゆる細部も見落とさないため、警察本部は秘密裏に公式指令を出していたのだ。全エリアの15歳から18歳までのすべての学生に対して、厳格で精密な監視措置を実施するというものだった。
首輪は締め付けられつつあり、私の穏やかな学校生活は、厳重な警戒に満ちた日々へと変貌を遂げようとしていた。




