第十三章:ゼロ地点
「俺はずっと疑問に思っていた……人間性というものは本当に存在するのか? それとも、それは人によって異なる、変化し続ける概念にすぎないのか?」
俺は窓の外を見つめ、冷たい朝霧が街の上をゆっくりと流れていくのを眺めていた。
「本来、すべての人間は権利を持って生まれるはずだ。だが、俺が見てきたものや、これまで経験してきたことから考えると、その権利は不公平に分配されている。一方では、人生のすべてを完全に奪われる人間がいる。その一方で、別の人間には幸福が銀の皿に乗せられ、贅沢な生活が与えられている。社会には、数え切れないほど多くの階層が存在する……だが、俺が最も理解できないのは、権利がほとんど存在しない人々について、社会が決して考えようとしないことだ。人々は本当に気にしていない。ただ悲劇的なニュースを広めるだけで、実際の解決策を提示する代わりに、社会の空気を毒で汚している。」
俺は長く重いため息をついた。吐息が窓ガラスを白く曇らせる。
「なぜ……なぜ、こんなことになっているんだ?」
時計が午前六時を告げ、俺のルーティンを始める時間になった。
凍えるような朝の寒さが、俺を物思いから引き戻した。
俺は小さく呟いた。
「彼と会う時間までに、少なくとも今日の仕事の半分は終わらせないとな」
そして、無理やり身体を動かした。
午前十一時。
俺とユウト・ナガミは、夏の暑さの中へと出ていた。
最初に向かったのは、街の外れにある古びた、荒れ果てたサッカー場だった。
ユウトは錆びた金網の前で立ち止まり、懐かしさに満ちた表情を浮かべた。
ユウトはグラウンドにある土の跡を指差した。
「なあ、カネキ。あの頃を覚えてるか? 俺たちがお前を無理やりサッカーに誘って、やっと一緒にやるようになった頃のこと」
俺は空っぽのグラウンドを見つめながら、静かに答えた。
「ああ、覚えている」
その後、俺たちは近くのカフェへ向かった。
屋外の席を見つけ、昼食が運ばれてくるのを待ちながら座った。
ユウトは少し前かがみになり、どこか奇妙で、少し驚いたような目で俺の顔を見つめた。
ユウトは眉を上げながら言った。
「なあ、カネキ……今日は驚くほどリラックスしてるように見えるぞ」
「俺がそんなふうに見えるか?」
俺は声の調子を変えずに尋ねた。
「間違いない」
ユウトはしっかりとうなずいた。
彼が話している間、俺の意識は内側へと沈み、その声を抑えた。
「昨夜、最初の量の鎮静剤を飲んだからだ」
俺は自分自身に認めた。
すぐに、相反する考えが一気に頭の中へ押し寄せ、自分の選択を嘲笑った。
俺はただ現実に屈して、薬を飲んだだけだ。
だが、それを敗北だとは考えていない。
仕事をし、毎日の仕事をこなすためには、十分なエネルギーが必要だった。
そして、薬を飲むことを拒み続けていたせいで、十分な活力を持って生きることができなかった。
「カネキ! おい、カネキ!」
ユウトの鋭い声が、俺を現実へと引き戻した。
「ああ。悪い、少しぼーっとしていた」
俺は小さく呟いた。
食事を終えると、ユウトは昨夜話していた場所へ俺を案内した。
俺たちは、密集した草に覆われた人里離れた森林の奥深くへと進んでいった。
やがて、非常に錆びついた金属製のフェンスへとたどり着いた。
「見ろ!!」
ユウトは誇らしげに叫び、この大きく、予想外に秘密めいた場所にある隙間を指差した。
その前には、赤い文字で立入禁止と書かれた最後の看板が立っていた。
俺たちはすでに五つの警告標識を通り過ぎていた。
「完全に秘密の場所を見つけたんだ。しかも一番奇妙なのは、あそこに『立入禁止』って書かれた看板があることだ」
「まあ、面白いものを見つけたとは思う。でも、引き返そう」
俺は本能が警告を発しているのを感じ、すぐに言った。
「おい、馬鹿げた看板をそんなに怖がってるのか? ただ子供たちが勝手に設置したものかもしれないだろ?」
ユウトは笑いながら、軽く手を振った。
俺は確信していた。
こんな場所がただの遊びや、軽く考えていいもののはずがない。
しかし、友人の強い insistence によって、俺は彼についていくことになった。
俺たちは境界線を越え、立入禁止区域へと入った。
身体中の神経が、俺に向かって叫んでいた。
空気が異常なほど重く、危険に満ちているように感じられた。
「ナガミ、これはおかしい。戻ろう」
「もう少しだけだ。ほら!」
ユウトはそう言いながら、密集した木々をかき分けて進んでいった。
そして突然、最後の木を通り過ぎた先に、俺の街で見るとは到底思っていなかったものが現れた。
そこには、地下深くに埋められた、非常に高度で超近代的な建造物が存在していた。
世界から完全に隠された、地下の秘密研究所だった。
その施設は非常に重要で、無菌的で、そして極めて秘密めいて見えた。
「うわぁ! ほら! この場所はすごいだろ?!」
ユウトは笑顔を浮かべながら、入口へ近づいていった。
「こんなもののどこがすごいんだ。こんな研究所なら、厳重に警備されているはずだ」
俺はユウトの肩を掴みながら、小声で言った。
「ここは極秘施設だ。秘密なんだ。俺たちはこんな場所に近づくべきじゃない。今すぐ立ち去ろう!」
俺が彼を引き戻そうと背を向けた、その瞬間。
轟音が静寂を切り裂いた。
銃声が木々の間に響き渡った。
大口径の銃弾が、ユウトの脚の肉と骨を貫いた。
ユウトはその場に倒れ込み、血の流れる脚を掴みながら、激痛に絶叫した。
「お前は運がいい」
研究所の入口の影から、冷たく威厳のある声が響いた。
戦術装備に身を包み、煙の立ち込める拳銃を手にした男が前へ出てきた。
「初めて侵入した者に対しては、脚より上を狙ってはならないというのが我々の厳格なプロトコルだ。お前は友人の忠告を聞かなかったのか? 彼は明らかに近づくなと言っていただろう」
激しい怒りと恐怖の波が、俺の血管を駆け巡った。
身体が、混じり気のない純粋な怒りで震えていた。
だが同時に、なぜか彼にはそれだけのことをされる理由があるようにも感じられ、それが俺を少しだけ冷静にしていた。
「なぜ……なぜ撃った?!」
俺は慎重に問いただし、続けた。
「話をすることだってできただろ! 俺たちに出ていけと言えば、それでよかったはずだ!」
「我々が設置した警告標識では、彼には十分ではなかったのか?」
男は冷たく答えた。
その顔には、一切の後悔がなかった。
そして続けた。
「この施設の秘密性が、すべてを物語っている」
「後悔するぞ。信じろ……このクズ野郎」
俺は歯を強く食いしばりながら唸った。
あまりに強く噛み締めたため、歯が砕けてしまいそうなほどだった。
男は暗く、嘲るような笑い声を漏らした。
「ハハハ! そうか、少年。俺がお前を撃たなかったことに、本当に感謝するべきだな」
「一つだけ説明しておこう。もし、この場所について一言でも誰かに話せば、お前たちは二人とも死ぬ。我々は、誰かに我々の実験を危険にさらすことを許すつもりはない」
その脅しを無視し、俺はユウトのもとへ駆け寄り、膝をついた。
「ナガミ! しっかりしろ! 救急車を呼ぶ!」
俺は叫びながら服を脱ぎ、それを使って傷口を縛り、出血を止めようとした。
「触るな」
警備員は鋭く命じ、再び武器を構えた。
「何だと?!」
俺は彼を睨みつけながら叫んだ。
「友人に触るなって言うのか、このクソ野郎!」
「病院の手配はこちらでする」
男は冷静に言いながら、肩に装着された無線機で話した。
「そして、銃撃による負傷について、偽の話を用意してやる」
「俺はお前のクソみたいな助けなんて頼んでない!」
男は目を細めた。
「俺は親切心からお前を助けているわけではない。銃弾による傷を隠すためだ」
そして続けた。
「結局のところ……我々はFCIだ。国家には、我々に危害を加えるチャンスなど一切ない。我々は法の上にいる」
FCIという名前が、死の鐘のように俺の頭の中に響いた。
俺はその意味も、そこで何をしているのかも知らない。
それでも、それは完全に俺の手の届かないほどの力だった。
俺は両手を強く握りしめた。
指の関節が白くなり、爪が手のひらに食い込んだ。
だが、これほどのことが起き、怒りを感じているにもかかわらず、その奥には奇妙な静けさがあった。
まるで何かが俺にこう言っているようだった。
「お前は本当は何も気にしていない。ただ、自分の感情を演じようとしているだけだ」
俺は、苦い現実と向き合わなければならなかった。
そして、二年ぶりに初めて、俺は自分のプライドを飲み込まなければならなかった。
俺は、この状況に屈した。




