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SURVIVE GAME   作者: DA10X
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第十章:偽りの前進 (にせもののぜんしん)

四月のある雨の午後。

終業のチャイムがA組の教室に鳴り響き、生徒たちは急いで荷物をまとめ、それぞれ家へ帰っていった。

俺はわざとゆっくりと動き、ノートを一冊ずつ鞄へしまっていた。

鞄を閉じた頃には、教室には担任教師だけが残り、自分の机で書類を整理していた。

教室を出ようとしたその時、担任が教室の入口で俺の前に立った。

「カネキ。」

鋭い眼差しが眼鏡の奥から俺を見つめる。

「最近、成績を見直していたんだ。」

「君は最近かなり高い点数を取っている。このまま努力すれば、クラス一位も夢じゃない。」

少し間を置き、先生は続けた。

「でも、一つ気になることがある。」

「君は授業中、ほとんど発言しない。ただ静かに座っているだけだ。」

「授業で発言するのが苦手なのか?それとも、何か理由があるのか?」

俺の心臓は一度も乱れなかった。

表情も変えず、静かな声で答えた。

「静かに授業へ集中する方が好きなんです。」

先生はしばらく俺の表情を観察していた。

やがて小さく息を吐いた。

「そうか。」

「分かった。今日はもう帰っていい。」

「来週から次の試験が始まることを忘れないようにな。」

「はい、先生。」

軽く頭を下げ、雨の中へ出て行った。

その夜。

理由の分からない苛立ちが胸を満たしていた。

薄暗い部屋で一人、カレンダーを見つめながら机を強く拳で叩く。

「……くそ。」

静かな部屋で低く呟いた。

「明日が、本当に嫌いだ。」

翌朝。

俺は冷たく無機質な病院の廊下に立っていた。

この場所は大嫌いだった。

だが、ここへ来ることは避けられない義務だった。

精神科医の診察室へ入ると、強い消毒液の匂いが鼻を刺した。

「おかえり、カネキ君。」

医師はパソコンから目を上げ、どこか見下すような笑みを浮かべた。

「調子はどうだい?」

「問題ありません。」

俺は椅子へ腰掛ける。

「それは良かった。」

医師はカルテをめくりながら言う。

「前回処方した鎮静剤は全部飲み終えたかな?」

俺は落ち着いた声で答えた。

「全部飲みました。」

「次の処方をお願いします。」

――冗談じゃない。

昨夜の出来事を思い出す。

浴室の洗面台の前に立ち、蛍光灯に照らされる薬瓶を一本ずつ手に取った。

そして何の迷いもなく、すべて床へ叩きつけて割った。

琥珀色の薬液は排水口へ流れていった。

人工的な薬で思考力や集中力を鈍らせるつもりなど、最初からなかった。

医師はそんな事実を知る由もなく話し続ける。

「素晴らしい。」

「薬をきちんと飲むことはとても大切だ。」

「重い思考や精神的な負担を和らげるためにも必要だからね。」

俺は素直そうに頷いた。

「その通りです、先生。」

「では、現在の精神状態を確認しよう。」

医師はいつものように、気分や睡眠、ストレスについて質問を続けた。

俺は一切迷わず答える。

すべて「順調に回復している患者」を演じるための答えだった。

ほとんどすべてが嘘だった。

診察が終わると、医師は満足そうにカルテを閉じた。

「素晴らしい。」

「君は確実に回復へ向かっている。」

「ありがとうございます、先生。」

数分後。

俺は病院を後にし、人通りの多い街へ出た。

手には、新しく処方された大量の薬が入ったビニール袋。

だが俺の頭は相変わらず鋭く、混沌としていて、薬などに支配されることは決してなかった。

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