第十三話 それでも私は君を受け入れるよ
団長、ラニウリさん、ルスベリー先輩、ドークスさん、そしてグラハム。おそらくここで現状最も戦力として数えて言い人間が集まった。団長室は狭い程度で収まっており、これから話すことがうまくいくかうつむいてしまう。
だが、ここで皆を説得してそして、ヴェルツバイを止めなければどうにもならない。彼がすべて仕組んだことを私が崩して、もとに戻してあげなければならない。もう、失いたくないからさ。たとえ、前世で罪を犯していたとしても私は彼を受け入れるつもりだ。
「皆さん、集まってくれてありがとうございます。今から古代文明移動都市停止作戦について話させてもらいます。」
「まず、あの移動都市を止めるには動力源を止めるしか方法はありません。そして、それをするには障害が二つほどあります。」
一つ、中に入るときに邪魔になるであろう防衛兵器。二つ、中にいるであろう最強の造物ヴェルツバイ。三つ、皇帝の存在。
「この三つをどうにかして止めなければあの移動都市がすべてを飲み込んでしまうでしょう。」
「はいはーい、どうやって中に入るんでしょうか。空でも飛びますか?」
大きく手を挙げてルスベリー先輩が問いかけてくる。まあもちろんその疑問は妥当であろう。だが、わたしの手元には設計図がある。これと参照しながらある地点を爆破すれば中に入ることは容易だろう。
「それは後でお話しします。まずは、どうやって防衛兵器を掻い潜るかについて」
「防衛兵器についてなのですが、あれは高威力で殲滅するために作られているのですが装甲まで作れていません。なので団長の高火力を遠距離から叩きこむ必要があります。」
こうして作戦を練っていくうちにだんだんとみんなが議論に参加してくれて、どんどん作戦が深まっていく、彼らのおかげで私はすぐにでも作戦に移れるほどには効果的な作戦になったと思う。だから、待っていて。
どこまでも広がる荒れ果てた土地に地平線から鋼鉄の塊が見えてくる。世界に存在してはいけない。いや、存在していたがもう亡者に等しい都市はこの世界に順応させなければならない。そうでないとあれに世界が崩壊させられるかもしれない。
「シアハさん。緊張していますか。」
「ルスベリー先輩...いえ、大丈夫です。ただ、彼と戦うときは少しだけ話をしたいそう思っただけです。」
「うーん、私はその人と会ったことはないですがシアハさんがそれほど気に掛けるということは悪い人ではないのでしょう。」
彼女からのすさまじい信頼が恐ろしいと思ってしまう。ヴェルツバイについて何も知っていないのに。ただ、ちょっとしたことを話しているとすさまじい轟音とともに車の真横に着弾する。もう、移動都市の射程内に入ったのだろう。
「よーし、皆さん捕まっていてくださいね。ぶっ飛ばしますよー。」
ルスベリー先輩はそう言ってアクセル全開で移動都市に向かって回避行動をとりながら突撃していく。その間、車の中は遠心力と慣性で阿鼻叫喚になりそうだった。
「団長、準備出来ましたか。」
「当然、今すぐにでもあれを崩壊させてやろう。」
「ちょっと団長!」
なんと後部座席の扉を開けて剣を向けて照準を定める。あまりにも大胆で、後ろをふと見るとドークスさんとラニウリさんが思わずくっついて団長から離れて飛び落ちないように踏ん張っている。
「Lævateinn、その身をもって、死をもたらさん。」
閃光を突き放しながら、一撃で主砲を破壊する。あの主砲さえ破壊すればある程度の部隊が中に近づくことができるだろう。何よりも私が死んだ後か、生きているころの帝国であれば今混合部隊でも十分に制圧できるだろう。
「ルスベリー先輩、あの主砲の下までつっ来てください。」
「わかりました、行きますよ。」
「それでは諸君また会おう。」
ルスベリー先輩がかっ飛ばすと同時に団長は空を飛び、副砲に向けて射撃を始めている。この調子ならすぐに防衛機能は停止して、すぐさま中に入れるだろう。主砲の下あたりに着いた時にはすでに作戦は開始されており、あとはこの城壁をぶっ飛ばすだけだった。
けれどもこれはある物体でできているからそんなに気にすることでもない。私は城壁に近づいて、それを切った。豆腐でも切るかのようにすぱすぱと切れる。だってこれはノームオイルをもとに作られているから特攻兵器の私の剣なら一撃だよね。
「それじゃあ、みんな中に入るよ。」
そう私が行った時には、すでに遅かった。
「やはり、来ると思いましたよマスター。」
ヴェルツバイが私の近くに来た時にはすでに、あの極寒の雪原に飛ばされていた。




