特殊1話 正体不明 side ルスベリー
「めんどくさいですねー。」
思わずそう呟いてしまうほどめんどうくさい任務だよ。だって、一週間は帰れないし、本当にあるかどうかわからない正体不明の国家を調べて来いって団長も人使い荒いですね。
私がそんなことを思いながらも目的地まで代わり映えもしない荒野を車で爆走しているところようやく何かが見え始めてきた。それは、なんといえばいいだろうか巨大な鉄の塊だろうか。それとも、空中に浮く何か巨大な船とでもいおうか。現代では到底作りえない何かを目にしてしまった。
「これは!」
直感的にとらえられたと思って、すぐに引き返す。その予感は的中したのかさっきまでいたところには何か強烈な砲撃が飛んできた。さっと写真を撮ってここから逃げなければ。
「あっぶないですね。これは団長の話嘘じゃないかもしれないですね。」
私はそのまま救都まで逃げることにした。振り向いた時にはすでに見えなくなっていて、あれが何を指しているのかなんてわかりはしなかった。
「ずいぶん時間かかりましたね。」
すでに救都が見えるほどに逃げることに成功した。あのでっかい鉄の塊が何をしたいのか、何で作られているのか。いったい誰が作ったのか。気になることはたくさんある。何より、誰が作ったが大事になりそう。だって、今国と言えるほどのでかい組織はあまり存在しない。
救都の門を潜り抜けてすぐに団長に報告しに行こうとする。あの事を言わなければならない。そして、あの手帳に書いてあったことが本当かどうかが怪しくなってきた。今はまだ大丈夫らしいけど、何とかして結界装置の修復はできるようにしないと。
車を置いて、団長室に走り出す。ところどころで人にぶつかりそうになってしまうけれど、気にすることなく走り出す。
重そうな扉を開けて中に入る。団長はいつも通りに書類の山に埋もれていて声しか聞こえない。いつか団長を休ませてあげたいけれど、まだそれをできるほど地盤が安定していないのが難しいところだよ。
「失礼しまーす団長。調査報告しに来ました。」
「待っていたぞ。それで正体不明の組織はなんだ。」
「それが...」
私は写真を見せて、団長に説明を始める。
「このでっかい鉄の塊が私が近づいた時に警告もなく砲撃をしてきました。なので彼らが何者なのかはわかりませんでした。」
「それは、大変だったな。やはり、現代の国家ではなさそうか」
「そうですね。あの手帳に書いてない、何者かであることには違いないと思います。」
「この世のものとは思えないな。」
団長は私が見せた写真をじっと見ている。あの写真には現代の技術では絶対に作ることのできないものが目の前に広がっている。それこそ古代文明が復活したかのようで。
「団長。これって古代文明の何かじゃないですか。それこそ都市レベルの」
「そんなわけないだろうと言いたいところだが、現実的にあり得るだろうな。」
「そうですね、我々が把握しきっていないエネルギーがありますから。」
「ノームオイル、これがもしあの強大な都市を再現しているとしたら、それこそ我々に勝ち目がないと言っても過言でないだろう。」
話の先が見えなくなってきた。あーあ、こんな時に空でも飛んであの中に入れたらなーと思うところがある。砲撃は地面に対して強烈な威力を誇る。だけれど、あの砲撃なら避けることは可能だろう。特に、自由無人に空を飛べたら。
「ひとまず、ありがとルスベリー、しばらく休んでいいぞ。次は遠征の時だ。」
「はーいそれでは私はここまでで。」
やるべきことはやったからすぐに団長室から離れる。彼女の思考を邪魔してはいけないし。
「シアハさん、あなたは本当に何者なんでしょうか。」




