特殊4話 執念 side グラジース
「団長!報告です。城壁の偵察隊から全身が角ばったなぞの生物が来ていると。」
「ほんとうか!」
「ええ!見間違いはないと。私は命令に従います。大変申し訳ないですが、健闘を祈ります。」
「ああ、必ず生きて帰ってくる」
偵察隊の隊員は悔しそうな顔で私に敬礼をして去っていった。偵察隊、突撃部隊、支援部隊。すべての部隊に造物の発見した場合、私以外すべての救国騎士団員を撤退させるという命令を事前にしていた。城門に数多の救国騎士団員が帰ってくるよううすが私の目に映る。
奴、造物は、その見た目にたがわないすさまじい挙動で我々を追い詰めさんとする。手足をかさかさと動かすその様子はかなりの恐怖映像であった。これをシアハに見せなくてよかったと思うほどに。
「団長!」
「わかっている。今すぐ行こうか」
「私は、逃げませんよ団長が、死ぬまで。」
私の命令に反発しようとしているのが、美麗な銃剣士ルスベリーだった。彼女は私に、あの怪物との戦いをしてほしくないのだろう。キメラでさえあり得ないほどの強さをしているにもかかわらず、奴はさらに強いと説明しているはずなのだが、それでも私にも逃げてほしいと言っているのか。
「ルスベリー。これは命令だ。逃げろ」
ただ、一言いっただけ。だが、殺意を込めて言うことで私がいかに本気でここから離れないかを意思表示している。ルスベリーは私の殺意に気落とされて絶望したような顔になってしまう。言い過ぎたかと逡巡するが、彼女は笑顔で、しゃべり始めた。
「わかりましたよ。団長、私は逃げますが、生きて帰ってきてくださいね。」
「言うまでもないさ」
「そういうところですよーって。」
彼女はすでに、ありえないほど距離を話して、大声で捨て台詞をはいて消えていった。これで、大体の救国騎士団は逃げたはず。
そんなことを考えていたら、すでに奴は目のまえまでに迫り、ついには結界を破壊した。予想はしていた。この結界は救国時代のものだから、前回も同じ負け方をしている。前回はこいつが中に入ってしまって建物がほとんど死んでしまった。ゆえにここで止める。私が!
「Lævateinn、我が威を示せ」
燃え盛る炎を自身とその周りにまとい、有象無象を近づけないような状態になる。この強化状態なら空もある程度飛べるようになるし、奴が挙動的に空中戦主体だとしても私は追い付いて見せる。結界を割ってニコニコの造物に近づく。奴はこれから人をどれほど殺せるのかと化け物の思考をしているだろう。
「おい、貴様!貴様の相手はこの救国騎士団団長グラージスが相手だ。」
私の言葉に反応しているのかどうか、わからないが奴は間違いなくこちらを向いた。その、人工的な角ばった体に丸い関節、顔に変な意思が分かるような謎の刻印、そして、人を模した謎の生物。こいつを殴っても生物かどうか怪しいほどに固く、だが血は出るから倒せることは間違いないだろう。
「おらあ!」
城壁から飛び降りながらの縦切り、本来なら大体の敵を一撃で葬れるほどの火力を保持しているのだが。奴は微笑むように腕ではじこうとする。その憎たらしい顔を一撃で潰してやろうと思ったのだが。
「*はじかれる金属音*」
「くそ!」
当然のように一撃で倒せないかつ、Lævateinnの炎をまとっているにもかかわらず、貫通することなく平然としている。灼熱の一撃が止められてしまっては泥仕合になること間違いない。
奴はにやつくような顔に代わって、飛び上がる。救都に飛ばれたと思ったのだが、狙いは間違いなく私だった。だが、これは好都合である。こいつをここで止めて、過去にあった造物すべてを虚無に伏してやるのだ。あの時の恨みはすべての造物に目の前にいる奴にも。
「死ねええ!!!!」
奴の押しつぶしを軽々避けて、再度一撃を与えようとする。避けたすきを狙うことはできずに、一撃は防がれてしまう。やはり腕から、足からもいでいかないとこいつを殺すことは無理かと考えてしまう。
「貴様が長期戦をお望みならいいだろう。このグラージス逃げることはないからな!」
奴はあきれたような顔に変わり、大ジャンプを決めて私を無視して救都に入ろうとする。だが、これも想定内、なぜLævateinnを起動したのか、空を飛び、奴を地に叩き落とすためだ。
「貴様は地面がお似合いだ!」
そう言って、もう一度縦切りをお見舞いしてやる。造物は当然のように防御を行うがここは空中、守ったら地に落ちるぞ。
奴も分かっているのだが、防ぐ手段がこれしかないため地に落とされる。地面に爆速で叩きつけられてもまったく意に介さないほどに固い。
一撃で倒せればいいのだが、切り札を切るわけにもいかない。それをして倒せなかったときに私は確実に死ぬだろう。
いいだろう。泥沼の劇的に、長時間の戦いを、私は再びLævateinnを握って、奴に立ちはだかる。必ずも、奴を殺すために。絶対に救国都市陥落事件と同じことにならないように。
すでに、周りは溶け始めており奴の猛攻によって周囲は廃墟と化していた。守るべきものはすでにいなくすべてを賭してでもあの怪物を殺さなくてはと盲目に突っ込んでしまっていた。
送れて吸いませんでした。寝る前にスマホ開いたら投稿してないことに気付きましてほんとすいませんでした。




