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第五話 遠征、再び

 「よし、これで終わりっと。」


 私はルスベリー先輩に手伝ってもらった後に、他の物をすべて買ってきて、置いといてと言われた場所に来た。


 まあまあの量があり、ちょっとした達成感があってうれしい。


 ご飯を食べた後に、所長のところに行くことにした。そのため、一度食堂まで行かないといけない。


 ちょっと不便なのが、研究棟から食堂まで距離があるのが不便かな。といっても五分程度なんだけど毎日行くことになるからちょっとした不便が積み重なるとストレスになりかねない。


 サクッと、ご飯を食べて、研究棟に向かっているところ。おそらく、今日話すのは遠征の時にどうするかについてだと思う。所長とだけ話すことになるかというと多分違うかも。


 そんなことを考えながら所長のところに着く。前よりも、書類の山は減っており、本当に話ができるほどに仕事を終わらせているのはすごいなとは思った。


 「失礼します。シアハです」


 「お、ようやく来たね。」


 コーヒーを片手に持ちながら、書類とにらめっこしているところだった。私が来たからなのかコーヒーを置いて、こちらにやってきた。


 「着いて、早速だが、団長室まで行こうか。話はそれからだ」


 そう言って、外に行く準備をし始める。話はやはり、遠征のことだろうか。


 「話って、遠征のことですか。」


 「もちろん、苦しいかもしれないが、行かなければならない。」


 私を気遣ってのことかもしれない。だけど、もう前に進むと決めているから。


 「大丈夫です。進むって決めたんですよ。もう」


 「そうか、」

 

 こっちを見ずに一言つぶやく。どう感じているのかは私にはわからない。だけど、悲しそうにしていると思った。何より顔を見せたくないのかもしれない。


 「行こうか」


 「はい、」


 ちょっと気まずい空気になりながらも、話しつつ団長室まで行った。ちょっと曇りの天気でこれからのことが不安になりそうだった。


 団長室にたどり着き、扉を開ける。中に入ると、団長とルスベリー先輩、ラニウリさんにドークスさんまで、見知った顔であるが相当この遠征が重要度が上がってきたと考えられる。


 「失礼します。」


 所長と声を合わせて、挨拶をしつつ扉を閉める。そうすると、団長が立ち上がり、私たちにある資料を見せようとしてきた。


 「おはよう二人とも、さっそくだが、この資料を読んでくれないか」


 渡された資料を読む。見出しには


 ”今遠征と古代遺物について”


 中読むと、古代遺物を掘り当てるか、今回問題となった結界装置の修繕を可能にする知識、またはそれに該当するものを探せとのことだった。

 さらに詳しく読んでいくと、前回の遠征の成果なのか中の地図のようなものが出来上がっており、すでに探索済みのところは行かなくてもよいとのことだった。

 見落としがあるとしても、それほど重要なものではないと判断したか、そんな余裕がないかの二択だろう。


 「一度、座りませんか?立ってると疲れちゃいますよ。」


 ルスベリー先輩にそう言われるまで、私と所長は立ったままじっくりと資料を読んでいた。座って読んだほうが疲れないのはそうだろう。だから、私はルスベリー先輩の隣に座ろうとする。ルスベリー先輩もこっちにおいでみたいに誘ってくれたから足を運びやすかった。


 「隣失礼しますね」


 そう言って、私はルスベリー先輩の隣に座る。もう一度、資料を読みなおそうとする。今回、集めたいのは古代遺物についてだからノームオイル探知装置の導入が決定づけられていて、それと、あれ、誰が来るかについては書かれていない。あくまで、古代遺物についての資料じゃん。


 そう思い、資料から目を話した時にはすでに、話が始まっていた。ちょっと夢中になっただけでそんなに聞こえないものなんかな。


 「シアハ?聞いていたか」


 「すいません。聞いていませんでした。……全部...」


 やっぱりかとあきれるような感じを出されてしまったが実際に聞いていなかったのは私だから何とも言い返す言葉はない。


 「初めから、もう一度説明しよう。」


 「まず、今回の遠征は総力を尽くす。当然、私も出よう。」


 「救国騎士団として出せる人員ほとんどを連れて行くつもりだ。なんせ、今回の遠征失敗は致命傷に代わりかねない。ゆえに最低限度の人員をここに残し、我々で必ずや古代遺物を見つけなければならない。」


 「ここまではいいか」


 そういって、団長は私を見る。当然、今回はちゃんと聞いていたから大丈夫だ。


 「はい、大丈夫です」


 「なら次だ、編成についてだが、私が全体の指揮を執る。その下に、偵察にルスベリー、後方に、医療部ラニウリ、解析にアルヴェインを。ドークスには実行部隊の現場指揮を執ってもらう。」


 「私は何かできることはないですか」


 これでは何もできない凡愚と同じになってしまうと焦りが出る。古代文明関係ならかなり役に立てると思うのだが。


 「大丈夫だ。ちゃんと考えてある。シアハにはルスベリーとともに未探索の場所にある碑石や案内文などの古代文字で書かれたものの解析をお願いしたい。ここで得られた情報をもとに人海戦術で探索するのが基本になる。」


 「なら、私も役に立てそうです。」


 こちらを見てにっこりと笑った後にすぐに話始める。


 一時の安堵とともに、古代文明についてなぜ知識があるかについての疑問が自分から湧き出る。これに関しては、記憶はないが知識がある状態の今にかかわっているのだろう。きっと、昔のわたしが古代文明について詳しい人だったのかもしれない。そう納得するしかない。


 「前回、キメラによって部隊が壊滅したのは知っている。よって、今回キメラが確認されたら全部隊に撤退命令が下され、私がすべてを破壊しよう。そうでないと周りに被害を出してしまうからな。」


 「今回の方針は、まず、偵察部隊による事前チェック、次に、混合部隊による総ざらい、最後に、後方にいる研究員たちに解析を頼む。これをしばらく繰り返すことになるだろう。」


 「何か意見はあるか。」


 団長が周囲を見渡すが、誰も反対する人はいない。と、いうよりも前から聞いている人が多いから確認を込めたものだろう。まあ、私は初めて聞くのだがそれは仕方ないだろう。ここ数日はあまり活動的ではなかったから。


 「それでは、また明日会おう。各員解散。」


 団長の掛け声ですぐさま立ったのはルスベリー先輩だった。早くここから帰りたいと思わせるような速度だった。すでに、団長室のドアに手をかけているほどに。


 「それでは、皆さん。お先に失礼しますね」


 そう言って彼女はドアを閉めた。返事をする間もなく消えていった。それにつられて私もたって、ここから出ることにした。あまり長居しても団長に悪いからね。そう思い、早めにドアのところまで行き振り返る。


 「じゃあ、私も、失礼します」


 そう言って、外に出る。団長の声が聞こえた気がするが、今は明日に向けて準備しなければと焦りが残る。足取りは重いけど、これがきっと明日、また明日につながると信じて進むしかなさそう。



 






















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