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第六話 いざ遠征へ

 「整列、各員準備を。」


 次の日になってすでに皆準備を終えて、遠征に行くところになっている。私も、すでに準備を終えている。前回は使うことがなかったクロスボウ、正直に言ってこれはお守りに過ぎない。ほとんど、前衛の人が片付けてくれるから。あまり気にすることではない。


 前回同様に、車で移動することになっており、随時出発している。すでに、先行部隊が前回のベースキャンプに到達しているはずで、私たちはそれを追いかけるだけとなっている。だから道の安全は保障されているはずだし、何より団長がついているのでよっぽどの奇襲でない限り大丈夫だろう。


 今回の遠征がどうなるかはわからない。けれど、よくするために最善を尽くさねばならない。考え事をしながら、ガベーラントがくれた懐中時計を見る。もちろん、アネモネがくれたイヤリングも付けている。


 「シアハさん?どうしたんですかぼーっとして、」


 「へぁ!」


 後ろからつつかれて、なんだか情けない声が出てしまう。ルスベリー先輩が後ろから話しかけると同時につついてきたのだ。びっくりして懐中時計を落とすところだったよ。私は懐中時計をしまって、振り向く。


 「どうですか、ちょっと気分が変わったらいいなと思ったんですが。」


 「あはは...ちょうどいいくらいに憂鬱さが消えましたよ。」


 ルスベリー先輩のほうを見ると、正装で待っていた。救国騎士団であることの証明である制服のようなものに、大きな暗い緑色のローブをまとい、軽装な鎧もまとう。さらには、腰には剣を携えて、背中にはノームオイル式の銃を背負っている。いわゆる臨戦装備、めったに見ることがないから新鮮だった。


 対して、私も制服を着ているのだが、まあ鎧を着ると逃げれないし、ローブが必要なほど単独で動かない。完全に後方支援に徹する装備だった。まあ、戦場がメインではないし。


 「どうかしましたか、シアハさん」


 「あ、何でもないです。ただ、めったに見ない装備だなと思っただけです。」


 「そう言えばそうですね。私がこれを着ているのを見るのはめったにないと思いますよ。あと、もう時間です。早くしないと団長が怒っちゃいますよ。」


 「え」


 有無も言わさない強引さで私の手を引っ張る。連れていかれるように導かれて、車に乗せられる。これが私とルスベリー先輩でなければ誘拐現場に見えるほどにね。団長の怒りはそれほどに怖いのかな。



 あのあと、何事もなくベースキャンプにたどり着いて、一度、古代都市に出向くことにした。もし、キメラが跳梁跋扈していたら、さすがに人員を送り込むのは難しい。それに、一体一体丁寧に倒さないと団長も無敵ではない。確実なのは一体ずつ倒すことだ。ついでに、前回資料が発掘されたところに残しがないかを確認しに行くから私もついていかなければならない。


 「行こうか。私が前を切り開く、ついてこい。」


 団長を先頭に、私や後方支援組の非戦闘員を囲むように戦闘員を配置して、いざ古代都市に向かう。前回も通ったが、ただの洞窟のようなところから一気に明るくなるから不自然極まりない。それを可能にしているのがあの天井にある何かで動いている光源だろう。


 「前回も来たが不思議な場所だな。」


 「ええ、古代文明が異常であること、よくわかりますよ」


 「そうだな。キメラもここで生まれたのだろうか。」


 「それは...」


 それは誰にも分らないだろう。あれを制御できる方法があったら一大事になる。なんだって、戦争への転用がひどいことになるだろう。大怪獣が跋扈する人では戦えない状態になってしまい。それが暴走したら終わりも終わり。そんなことにはならないと思うけどね。


 「あそこか、」


 団長が指差す場所は崩壊した建物ところだった。かなり損傷がひどくて、あそこを探索するのとやる気が失われるようだった。だが、探すしかないから時間はかかれどある程度やったらそこになにがあったかがわかるだろう。推測して、結界装置についてわかりそうなことがあるなら続行みたいな感じかな。


 団長の隣にいるドークスさんが何やら機械を弄っているように見える。ただ、私の専門外かな、戦闘系の機械はあまり詳しくない。


 「どうだ、キメラはいそうか?」


 「反応はありません。念のため、前回の採取ポイントでもう一度発動しましょうか」


 「そうしよう。では、安全が一時的に保障された。早めに行こうか」


 私たちは安全を確認した後に前回探索隊が文書を見つけた場所に行くことになる。キメラによる襲撃に警戒しながら部隊のみんなは進んでいく。もし、遭遇した場合は全力で逃げることになっている。足手まといになってしまうからね。


 崩壊した建物を見ながら、ポイントにつく。だけど、がれきだらけで探索するのは骨が折れそうだった。一日程度で済むことはないだろう。


 「これはひっどいですね。何者かに暴れられたような気がします。」


 「キメラ...ではないと思うが、それに匹敵する生物が暴れたのだろうな。」


 崩壊具合はひどく、人間にはできないことが確定している。重機を使うようなことがあればもっときれいになっているはずだし。意図的に破壊されたというより、無作為に破壊されたと思ったほうがいいだろう。


 「時間がかかりそうだな。一度、周囲を見回って敵がいないかを確認しよう」


 「そうだな。戦闘員を残して、偵察部隊は周辺警戒を。」


 「ハーイ。」


 ドークスさんはまた、近くにキメラがいないかを、ルスベリー先輩は抜けがあった時や、すでに近づいてきた敵を探すために散開した。私は、近くのがれきをどかそうと岩を持とうとするが、あんまりにも重くて、取れなかった。時間がかかるのは明確で、これからの作業が大変になるのは明白であった。

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