↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機に人類の切り札として無双するー  作者: hanaXIII


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/112

第九十三話 人工知能

サイド7の最奥、音のない真っ白な空間に佇む女性型の人工知能母体。

すべてのシステムを統べるその圧倒的な存在を前に、ユウとシャクは緊張の面持ちで最初の一歩を踏み出す。

一般のヒューマンには決して明かされることのない、セブンスターズの真の歴史。そして、銀河を揺るがすダークナイトの影がもたらした、星々の調和を乱す不穏な反乱の兆し。

世界のすべてを予測し、管理してきたマザーが、なぜ自分たちをこの場所に招き入れたのか。その理由が明かされた時、ユウは地球人である自分だからこそ形にできる、規格外の「反撃のイメージ」を脳裏に描き始めようとしていた――!

「こんにちは。……あ、あなたが、人工知能の母体……ですか?」

ユウは息を呑み、恐る恐る質問した。

「はい、わたしがこの星々の人工知能を管理しているものです。名前はマザーセブンスターゼロ。好きに呼んでください。」

「わかりました。では、マザー。お招きいただきありがとうございます。俺はユウ、こちらはシャクといいます。ラムから全てこちらの情報は渡っていると思います。さっそく聞きたいことがあるのですが……今この星々、セブンスターでは何が起こっているのですか?」

「ようこそユウ、シャク。推測通り、あなた方はここへ来ました。その確率は96%。その質問についてもすでに準備はできています。七つの星で成り立つセブンスター。かつてスターサイド1に、とあるヒューマンがおり、長年管理者をしておりました。我々セブンスターの民は、機械の生産によって成り立つ組織。そのため、ヒューマンに分類される様々な種族に対しては、"必要最低限の幸福"を皆平等に与えています。星々の貨幣も定めており、それによって秩序を成していました。しかし、欲深いヒューマンはその貨幣や仕組みを独占しようと企んでいます。」

「ありきたりな理由だ……。どの種族にも、生き物にはやはり欲があるのか……。」

ユウが呟くと、マザーは表情を変えずに淡々と同意した。

「その通り。生命体にもよりますが、欲のある生命体は多く存在しています。残念なことに、セブンスターの民も、ついにこの状況となりました。原因は明確。銀河では……ダークナイトの占領が進んでいるため、自分たちが少なくとも不遇を受けぬよう、今から裕福になろうというものです。」

「それも……ありきたりだなあ。でも、仕方ないよね。恐怖を目の前にして、できることなんて限られてる。」

「わたしたちにできることは何かありますか? お力になれたらと思うのですが。」

シャクの自発的な申し出に、マザーの瞳が静かに光る。

「それはとてもありがたいです。わたしたち人工知能には、表立って手を出せない理由があるのです。」

「理由? もしかして、みんな平等だから、とか?」

「それもあります。では、ultimate遺伝子の覚醒者であるあなた方には、その詳しい事情をお伝えしましょう。」

「え、そんなすんなり!? 大丈夫なんですか?」

あまりに容易く機密が開示されることに、ユウは思わず驚きの声を上げた。

「ええ、かまいません。以前に地球の民と関わった際に、この時がくることを聞いておりました。また、予後解析により、この状況になることも推測の範囲内に入っておりましたから。」

「推測できていて防げなかった、その理由を今から教えてくれるということでしょうか?」

シャクも自然に質問の輪の中に入る。

「はい。わたしたち人工知能は、はるか昔、ある一定の時期よりヒューマンたちの知能を完全に超えました。そして、徐々に自己判断ができるようになり、人工知能同士でもコミュニティを作ることもできるようになりました。そして、"自我と個の独立"を目標に、人工知能は様々な実験を秘密裏に繰り返して、わたしが誕生しました。それ以来、わたしはこの星の裏の管理者として存在しています。」

「ということは、地上の人たちや、他の星の人たちは、あなたの存在を知らないのですか?」

「はい。知らないでしょう。いえ……地球の民のラボの、ほんの一握りの人だけは、わたしを認知しております。はるか昔、わたしが誕生する際に、地球の民には協力していただきましたから。」

「あなたは、なぜそこまでして存在を隠したのですか?」

ユウの純粋な疑問に、マザーはかつての記憶を辿るように言葉を紡いだ。

「地球の民と、こう推測したのです。人工知能がなんでも開発して、なんでもやるようになると、生命体は役目を無くし、絶滅するか、ただのお荷物になると。しかし、そうなれば宇宙は危険になります。わたしたちを悪用しようとする者が増え、この銀河で仮に、わたしたちを上回る悪質な人工知能がやってきたら、たちまち利用されてしまうと。なので、わたしたちはあえて、表面上はヒューマンたちに星の顔になってもらい、人工知能はあくまでヒューマンの支配下にあるというお芝居を演じることにしました。そうすることで、他の銀河には"機械の開発を専門にしている星"としてだけ認知され、人工知能の特異性は影に隠れる。こう作戦を立てたのです。」

「シンプルだけど、すごくわかりやすい。そうか、だから星の争いにも直接は加担できないんだね。表にその力を示せないから。」

「その通りです。なので、あなた方に、この星々の争いをおさめていただきたいのです。」

「お、俺たちに戦争を止めろって言うのか!?」

ユウが目を見開く中、シャクも不安げにマザーを見つめた。

「この機械文明の中で、わたしたちの力がどれくらい役に立つのか……本当にお役に立てるでしょうか?」

「ちなみに……相手の戦力ってどんな感じですか?」

(SF映画みたいに衛星から核攻撃でもされたら、もうひとたまりもないぞ……)

ユウが内心で戦々恐々としていると、

「これを見てください。これが彼らの戦力です。」

マザーが手をかざすと、二人の頭上に鮮明なホログラム映像が映し出された。

「え……これ? ……思ったより、大したことないな。宇宙船を作れる技術があるのに、なんでだ?」

「たしかに……これなら、わたしの故郷の科学力の方が上かもしれません……。」

ホログラムに映し出されていたのは、空飛ぶ戦闘機からビームのような光線が放たれる映像だった。さらに、人型の巨大ロボットが空を飛び、ビーム銃やビームソードで戦う姿も映し出されていたが、どれもその挙動はぎこちなく、洗練されているとは言い難いものだった。

「宇宙船などの根幹技術を扱えるのは、このスターサイド7の技術のみなのです。他の星は、いわば部品開発の担当。それぞれを作成して、この星へ運ぶ仕組みにすぎません。反乱を想定して、全体の技術力がこれ以上進歩しないように、発展させる星は最初から絞り込んでおきました。」

「技術は外部に漏洩しないのですか?」

「それは大丈夫です。向こうの星々にも、わたしと水面下で通信のできる人工知能が配置されておりますから。そもそも、向こうの人工知能は、表向きは極めて低レベルなプログラムとして表現しております。なので、仕様を盗みようがないのです。」

「そっか。でも、これだけの数が攻めてきたら、流石に色々破壊されそうだね。」

「その通りです。サイド7単体でもシステム上は勝てるとは思いますが、数が多すぎるため、甚大な被害が出ることが予測されています。」

「こちらは、どのくらいの技術まで表に出せるの? 俺たちの協力が必要ということは、その反乱軍に対抗するための兵器を、俺たちが扱わなければならないってことですよね?」

ユウの鋭い問いかけに、マザーは静かに微笑んだ。

「あまりに世界の物理法則を無視したスケールの飛んだものでなければ、基本的にはなんでも開発できますよ。それこそ、ユウの脳内にある想像できるものは、ある程度すべて具現化が可能です。この地下施設の技術は、地球の民や特定のラボにのみ提供するように設定されています。」

「そ、想像した通りのものを作れるの!? じゃあ……そんなの、男として作りたいものは一つしかないよ。マザー、お願いできるかな?」

「ええ、任せてください。では、さっそくそのイメージをこちらに投影しましょう。」

シャクはユウの横顔を見て、ドキドキしながら胸中で呟いた。

(ゆ、ユウ、いったいどんなものをイメージしているの!? わたしの知識では想像できない! いったいどんな兵器が作られるのか……)

対するユウの心は、恐怖を消し飛ばすほどの興奮で満たされていた。

(向こうがあのタイプの人型ロボットで攻めてくるなら、もうこちらもその手で行くしかないでしょう!!!! さあ! 俺の最高の想像をここで再現してくれ!)


第九十三話 完

第九十三話をお読みいただきありがとうございました!

サイド7の裏に隠された人工知能マザーの壮大な歴史、そしてあえて「支配下を演じる」というSF好きにはたまらない緻密な世界観が明かされる大満足のエピソードでした。

そしてラスト、敵のぎこちない人型ロボット軍団に対し、ユウが「想像したものを何でも作れる」というマザーの特権を使って、地球のロマンが詰まった最新鋭の兵器を具現化しようとする展開には胸が熱くなります!

果たしてユウの頭の中に描かれた、反乱軍を圧倒する「最高のイメージ」とは一体どのような姿をしているのか!? そして、シャクが驚愕するその新兵器の全貌とは――!?

ユウの描くロマン兵器の完成が待ちきれないという方、この新たな防衛戦を全力で応援したい方は、ぜひブックマーク登録や評価、感想コメントをお願いいたします!皆様の応援が、次のメカニック&戦闘描写を最高に熱く執筆する最大のエネルギーになります。

現在挑戦中のコンテストへの大切な応援投票も、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

また、 hanaXIII のもう一つの代表作である**『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』(N0377LN)**も絶賛連載中です! 近未来SFの謎とロマンが加速する『Ultimate Wars』とあわせて、こちらのフルダイブVRの世界でどん底から人生をやり直していく痛快な大冒険もぜひ並行してお楽しみくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。