↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機に人類の切り札として無双するー  作者: hanaXIII


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
91/112

第九十一話 同色

己のプライドを懸け、遮断機能を持つローブを脱ぎ捨てて本気のソードを構えるパール。

対するユウも、トウとの過酷な修行で培ったフォースをあえて全解放し、その身から凄まじい質量のエナジーを溢れ出させる。

初心者とは思えぬユウの底知れぬポテンシャルを前に、ダークナイトの青年アークすらもその目を見開く。

張り詰めた空気の中、ついに激突する二つの光刃。

ジョウ博士が固唾を飲んで見守る中、フィットルームを震撼させる、規格外の模擬戦の火蓋が切って落とされる――!

バチン!! ギギギギ!

バシュン! ブォーン! バシュン!

激しい光刃のぶつかり合いが、フィットルームの空気を甲高く引き裂く。

「ぐっ! なんて重い一撃だい……!」

「うおりゃあーー!!」

バチン!!

ズザーー!!

パールの放った渾身の重撃を受け止め、ユウは力強く押し返した。その圧倒的なフォースの質量に圧され、パールの身体が大きく後退させられる。

その様子を凝視していたアークは、静かに二人の戦いを見極めていた。

(やはりか……。ユウとパールはフォースの性質が少し似ている。ならば、よりフォースの質が良い方が力で競り勝つのは必然。今のパールは、これまでの経験と技術でほんの少し上回っているに過ぎんな。)

「そこまでだ!!」

アークの鋭い声が室内に響き渡る。

「な!? あたしはまだいけるよ!」

「これは殺し合いじゃないんだ。ソードの試運転ならこれくらいで十分だろう。」

アークの冷徹な正論に、パールは悔しそうに歯噛みした。

「く……わかったよ。」

アークはユウへと向き直り、ソードを収めた。

「ありがとう、ユウ。すまなかったな、私たちの身勝手な都合に付き合わせてしまって。……ところで君は、どうしてこの星にいるんだい? ここにいるということは、劇場のスタッフ以外では考えられないのだが。」

(上手く言うんだぞ……!? ユウ!)

背後で見守るジョウ博士は、心臓が飛び出そうなほどの冷や汗が止まらない。

「俺は……自分が何者なのか、よくわかりません。」

(お、おい! 回りくどい言い方はよせ!)

ユウはアークの目をまっすぐに見つめたまま言葉を続けた。

「今の仲間が俺を見つけてくれて、この場所へ連れ出してくれたんです。だから俺は、自分が本当は何者なのか、俺に何ができるのか、それを見つけるために旅をしています。」

(バカものーー! そんな素性の知れない怪しいことを言ったら、余計に目を付けられるだろうが!)

博士の内心の絶叫を他所に、アークはユウの言葉をじっと噛み締めるように聞いていた。

「自分が何者なのか……か。私とユウは、案外似たもの同士なのかもしれないな。……ユウ、一つ頼みたいことがあるんだ。」

「な、何でしょう? 俺にできることであれば……。」

「私と……いや、俺と、友達になってくれないか?」

!?

その場にいた全員が、一斉に目を見開いて驚愕した。

「ちょ、ちょっと! 本気かいアーク!? 友達って……こいつ、ただの一般人だぞ!?」

ギロリ。

アークの冷たい視線がパールを射抜く。

「それがどうした?」

「う! ……いや、なんでもないさ。」

パールの言葉を封じ、アークは再びユウへと穏やかな視線を向けた。

「どうだ、ユウ? やはり、俺たちのようなダークナイトと繋がりを持つのは迷惑かい?」

(こりゃいかん……! どの答えを選んでも不正解になりかねんぞ! ユウ! 慎重に答えろ、でなければ……!)

「喜んで! 俺なんかで、本当に友達になっていいんですか?」

(バカものーー!! それは一番選んじゃいけない選択肢だぞーー!!)

ジョウ博士は頭を抱えそうになった。しかし、アークの表情は目に見えて和らいでいく。

「ユウだからだよ。なら決まりだ! これからは敬語じゃなくてタメ口で構わない。俺の頼みを聞いてくれてありがとう。これから先、何か困ったことや辛いことがあれば、いつでも俺を頼ってくれ。俺の名前はアーク。あらためてよろしくな、ユウ。」

アークは、右手をユウの前に差し出した。

「こちらこそ、よろしくお願いしま……よろしく、アーク!」

ガシッ!

二人の手が力強く握り合わされる。こうして、ユウとダークナイトのアークは友達になった。

「おいパール、お前も挨拶しろ。」

「な、なんであたしが!? あたしはこいつと友達になったわけじゃないからね!?」

「俺の友達に、最低限の挨拶もできないのか?」

アークの無言の圧力に、パールは渋々一歩前に出た。

「ぐ……わかったよ。……よろしく。」

パールが不承不承、ユウと右手を握り合わせた――その瞬間だった。

「うひゃあう!?」

バッ!!

パールは悲鳴のような声を上げ、まるで弾かれたようにすぐさま手を離して背後へのけぞった。

「う、え、あ……!?」

ユウは何が起きたのか分からず、呆然と自分の手を見つめる。

「ぷっ……な? だから言ったろう、やめておけと。これからは俺の言うことを素直に聞いておくんだな。」

「…………はい。」

パールは顔を真っ赤にしながら、完全に気圧されて項垂れた。

「?」

ユウが首を傾げる中、アークは満足そうに微笑んで身を翻す。

「ユウ……またどこかで会おう。フォースの導きが、また俺たちを引き合わせるはずだ。……またその日まで。」

二人はそのまま、フィットルームを後にした。

通路へと去り際、アークはふと立ち止まり、振り返ってユウに告げた。

「そのソードは、ユウにあげるよ。好きに使ってもいいし、好きに改良しても構わない。」

そう言い残すと、二人は自分たちの宇宙船へと乗り込み、星を去っていった。

◆

漆黒の宇宙を往く、ダークナイトの宇宙船内。

「なんなんだい、あいつのフォースは!? 垂れ流しであれだけの質量なんて、酷すぎるじゃないさ!」

パールの愚痴に、アークは低く笑い声を漏らす。

「ククク。実に面白い反応だったな。だからこそ試合を止めたんだ。そのまま続けていたら、お前、あいつのフォースに呑み込まれていたぞ? 俺に感謝するんだな。」

「なっ……!」

「同系統のフォースを持つもの同士の戦いとなれば、純粋なソードの洗練度と、フォースそのものの強さで勝敗が決まる。あいつは身体能力の時点で、すでにただのヒューマンのレベルを遥かに超えていた。だから止めたんだ。悔しかったら、次までに精々鍛錬することだな。」

「ちくしょう、あのど変態野郎……! 次に会ったら絶対に余裕で勝ってやるんだからね!」

憤慨するパールを尻目に、アークは静かに宇宙の闇を見つめ、思考を巡らせていた。

(それにしても、あのベッドで横になっていた者……そしてユウ。二人とも、フォースのポテンシャルが異常に高いとみた。今……この銀河で何が起こり始めている? ダークナイトの動きの裏で、他に何かが覚醒しようとしているのか? ……まあいい。ユウは、どこか俺と境遇が似ている。フォースの性質も、色欲の側面以外は非常に純粋なものだったな。……ふっ、敵であるはずの相手に、思わず仲良くなりたいとさえ思わされてしまった。また、世界のどこかでな……ユウ。)

◆

ユウとジョウ博士は、二人が去ったのを見届けてから、急いでシャクの待つ部屋へと迎えに向かった。

「ごめん、待たせたねシャク! 身体の具合はどう?」

「ええ、もう大丈夫です。十分に休めましたので、もう彼らのフォースにあてられることもありません。……それより、ユウは大丈夫でしたか?」

シャクの心配そうな表情に、ユウは満面の笑みで答える。

「うん! ダークナイトのうちの一人と、友達になったよ!」

「えええええ!? と、友達ですか!?」

シャクが驚愕で声を裏返らせる横で、ジョウ博士は盛大にため息をつきながら、頭を抱えて呟いた。

「ユウ……お前さん、とんでもなく大変なことに関わってしまったぞ……。」


第九十一話 完

第九十一話をお読みいただきありがとうございました!

一触即発の危機から一転、まさかの「ダークナイトと友達になる」という、ユウの規格外の引き寄せの強さが炸裂した素晴らしいエピソードでした!

ジョウ博士の内心の「バカものー!」というツッコミがコミカルでありながら、読者のハラハラ感を代弁してくれていて、シリアスとテンポの良さが絶妙に同居しています。

アークとの握手、そしてパールの「うひゃあう!?」という謎の拒絶反応。アークの言う「色欲の側面以外は純粋」「同系統のフォース」という言葉には、ユウの血筋や能力のルーツに関わる重大なヒントが隠されていそうですね……! アークから譲り受けたライトソードを手に、ユウの旅は一体どこへ向かうのか!?

ユウの今後の成長と、アークとの再会が今から待ちきれないという方は、ぜひブックマーク登録や評価、感想コメントでの応援をよろしくお願いいたします!皆様の一票が執筆の大きな原動力になります。

また、現在挑戦中のコンテストへの応援投票も、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

そして、 hanaXIII のもう一つの代表作である**『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』(N0377LN)**も絶賛連載中です! 宇宙の命運を握る『Ultimate Wars』とはまた一味違う、フルダイブVRの世界でどん底から人生を切り拓いていく痛快な冒険譚となっておりますので、ぜひこちらもあわせてチェックしてみてくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。