第七十五話 思わぬ告白
ネビル軍との対峙の中、ついに明かされる衝撃の事実。
自分たちが信じていた「敵」の真の目的と、彼らが守り抜いてきたものとは一体何か。
予言の人物として、そして銀河の希望として。
ユウが歩むべき道が、ついに定まります。
(ちょっと待ってアリス!この状況はまずいよ!ど、どうするんだ?!す、すぐに動ける準備だけしなきゃ、何が起こるかわからない!)
ユウに緊張が走る。
「ん?どうした、アリスよ。
ああ、よい。当ててやろう。」
「え?当ててみる、と申しますと?」
「フハハハ。アリス、そしてユウよ。
そなたらは、よその星の民であろう?」
!!
「図星だな。そして、捕虜を解放したのも、お前たちだろう?」
!!
「これも図星。フハハハ!
いやすまない、実はな。
捕虜が、意味深なことを言っておったから、間違いないと思ったのだ。
『近々、お前たちの手に負えないものがこの地にやってくる。そして、妾を解放するであろう』とな。」
アリスは肩透かしをくらった。
ため息をつき、呆れた顔で答えた。
「そこまでわかっておきながら、なぜ、わたしたちを出世させたの?」
「確信はなかった。本当に優秀なスタッフが来てくれたと、心から喜んでいた。それは幹部も同じだった。
我々は、捕虜……いや、トウ姫の宣言から、ある仮説を立てていた。
一つは、ユウとアリス、お前たちがその予言の人物。
もう一つは、ダークナイトらが攻めてくること。
後者の場合、もう絶望的な状況になってしまう。
だが、フェアリーリングから数日で帰還し、その報告を受けて確信した。
我々はほっとした。
お前たちのような、心の良き者が来てくれたことを。」
「と、トウ姫様が、そんな予言を。
でも、本当にすみませんでした。騙すようなことしてしまって!」
ユウは起立して頭を下げた。
「よい、何か事情があったのだろう?」
アリスは、旅の経緯を簡単に説明した。
ネビルの総司令官や幹部は、意味深に頷き、真剣な表情になる。
「なるほど。ユウよ、我々の先祖とユウの先祖には、深い繋がりがある。
巡り巡って、ここで出会うとは、これも運命。
我々先祖の当時の目的はどうあれ、結果、地球の民がultimate遺伝子を作り出し、そして、この宇宙の希望を生む結果へ繋がって、本当に良かったと思っている。
ことのついでに、一つ。
先ほど相談したいことと言ったのは、まさにそのことだ。
今、銀河ではダークナイトが本格的に侵略を進めている。
我々は、長らく家来も同然だった。
しかし、彼らのフォースの脅威は凄まじく、機械とフォースを駆使されると、我々では太刀打ちできず、半ば諦めていた。
そんな時、トウ姫様が運良く近くに現れたのだ。
そして、まだ善の心を持つダークナイトの一人に捕獲され、なんと、我々に託してくれたのだ。
その時耳打ちされたことはこうだ。
『この人は姫様だ。彼女の故郷に連れて帰り、お前たちも身を隠せ。外からログを追えないようにして、絶対に守り抜け』
と。
そして、そのダークナイトの元故郷でもあるといい、詳細なログも託してくれた。
なぜ、我々に託したのかは分かりません。
ですが、テラフォーミングの技術に関しては自信があった。
今思えば、それも見越して託してくれたのだと思う。」
「元故郷……ダークナイト……もしかすると、そのダークナイトは、ここにいた時から、すでに星の環境を知っていたのかもしれませんね。」
「我々も同意見だ。彼らにはフォースがある。
ダークナイトになるほどの強いフォースの素質があれば、なんとなく感じ取れていたのかもしれん。」
「いずれにせよ。これで話はまとまったわ。
いえ、まとまりすぎたくらいよ。
では、これからは、わたしはエージェントとして動くわ。
会談はわたしたちでセッティングする。
場所は……この都市でも構わないかしら?」
「ふふふ。本性が出た途端に、すごい雰囲気だな。さすがは、ラボのエージェント。
ラボは宇宙中に存在し、我々も間接的に何度か一緒に仕事をした。
一度エージェントにも直接会ってみたいと思ったが、まさか、スタッフに紛れておったとはな、あっぱれだ。
そうなれば、もう部下ではない。
承知した。
では、場所はこちらで責任を持って手配致しますと、お伝えください。」
「ユウ、これからもネビルの民をよろしくお願いします。」
「や、辞めてください総司令官!
俺は、あなたを上司だと思っています!
自分が偉いなんて思ってません!
無理を言って申し訳ないのですが、俺のことは、今まで通り、フェビルと堂々の部下と思って接してください!」
「なんと謙虚な……気に入った。この宇宙を背負うにふさわしい。
ユウよ。旅立ちの時まで、この星を頼んだぞ!」
「はい!」
フェビルはポカンとしていた。
概要は少しだけしかアリスから聞いていなかったため、ultimateのことなどは初耳だった。
◆
「お、おい、ユウ。お前、とんでもねえヤツだったんだな。」
「あら?旅の目的は伝えたはずよ?」
「い、いや!『銀河を救うため旅に出た』って、自分的に旅に出たのかと思ったら、そんな遺伝子背負ってたなんて、目玉が飛び出るかと思ったぜ!
んでよう……あと少しで、また違う星に行っちまうんだろ?」
フェビルは寂しそうだった。とても分かりやすい。
(フェビル……俺も、お前ともっとワイワイしたい。お前といると、タイガといた時を思い出して、すごく楽しいんだ。……本当は仲間に誘いたい……でも……)
「ごめんなフェビル、なんか騙すみたいになっちまったなぁ。
今から旅立つまでは、俺もフェビルも、都市での任務は無い。この会談を取り決めて、進めることが任務中だから、その間、のびのび自由にやろうぜ!」
フェビルは顔をあげて笑った!
「そうだな!しけた面してたら始まらねえ!
せっかくフリー業務になったんだ!
お前には、聞きたいことが山のようにあるから、覚悟しとけよー!」
二人は肩を組んで笑い合う。その横で、アリスは優しく微笑むのだった。
第七十五話 完
第七十五話をお読みいただきありがとうございました!
ついに正体を知られながらも、より深い信頼関係を築くことができたユウたち。総司令官とのやり取りや、フェビルとの友情など、心温まるシーンが満載の回でした。旅立ちまでの限られた時間をどう過ごすのか、次回の展開もぜひお楽しみに!
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