第七十四話 都市への帰還
修行を終え、ネビル都市へと戻ったユウたち。
フェビルの報告も無事に終わり、事態は平和的な解決へと大きく動き出す。
三者による歴史的な対談の準備が進む中、アリスが突然口を開き、ユウを驚愕させる。
緊迫の交渉劇、その裏で何が起きるのか。
「トウ姫様、どうでしょうか?あれ以来、自己分析しながら、検証もしてみました。」
「これは驚いた。今は無の状態を保てておる。どう検証したのか言ってみい。」
「まず、フォース垂れ流しのときは、どこか集中状態でした。しかも、かなり研ぎ澄まされた状態です。一種の興奮状態に近いものです。それを、トウ姫様は仕舞い込むようにアドバイスをくれました。
'仕舞い込む'という部分で苦労しましたが、実はリラックスなど、気持ちを整えることに近いことがわかったんです。すると、自然に外郭を捉えていたものが返ってくる状態になったんです。」
「ユウなりのコントロールの仕方を身に付けたようじゃな。では、逆に集中状態に切り替えることもできるか?」
「はい。ですが、そのもう一歩先……対象をコントロールしたいのですが、まだそこまでは……」
「充分じゃ。ほれ、妾の前で一旦フォースを放って見せよ。」
ピン!
「ん?……お前、他に何か発見があったんじゃないか?」
「いえ、意図的に集中する時はこんな感じです。」
(色欲のフォースが抑えられておる。そうか、無意識から意識することにより、本来の'真面目さや誠実さ'が前面に出たということか。これは思いもよらん結果じゃな。じゃが……色欲の側面をまだ控えておるが、この精度。こいつはもしかすると、'自信'をつけていくごとに強さが増してくるかもしれんのぉ。)
「あ、あの……トウ姫様?」
「ああ、合格じゃ。とりあえずそのコツを掴んだ状態で、一旦都市へ戻るがいい。」
数日後、再びネビル都市へ戻る。
シャクとリスタも一緒に戻ることとなった。
「よし!気合い入れて運転するか!」
ピーン!
「う!」
「うわ??」
シャクとリスタは少し顔が赤い。
「ゆ、ユウ?あの……姉さんとのコントロールは?!」
「ん?できているつもりだけど、ダメかなあ?」
(ま、まだダダ漏れ状態……前よりかなりマシになったけど、これはこちらが慣れていくしかないわね。)
森を抜け、都市へ到着した。
先にシャクとリスタを降ろし、三人は基地へ向かう。
通信で事前に戻ることは報告済み。今度はネビル側がスタンバイして待っていた。
フェビルは練習通りに報告した。かなり片言だったため、しっかりと練習してきたのが幹部たちにも伝わり、なんとも微笑ましい報告となった。一部の幹部は少しニヤけてウンウンと頷くものもいた。
(フェビルは、今後もこの人たちにきっと可愛がられるんだろうな。うん……それがいい。俺たちは近々この星を出なくちゃいけなくなる。貧しい家庭で育ったフェビル……良かったな。ここまで成り上がって……。)
ユウは、自分のことのように嬉しかった。
「調査、ご苦労だった。事前報告も含めて共有済みだ。フェアリーリングの民も、我々の意見を聞き入れてくれて本当に感謝しかない。もし、双方の代表たちで協議する際は、我々のことも、もっと知っていただきたい。そして、フェアリーリングやラボの方々にも相談したいこともある。近々、ネビル、フェアリーリング、ラボの三者で話し合いをしよう。すまぬが、ユウ、アリス、フェビルよ。この対談の指揮を執ってもらえないだろうか?」
(良かった。これで、この星も良くなりそうだ。)
「かしこまりました。総司令……これを機に、お伝えしなければならないことがあります。」
(え?!ま、まさかアリス!?……俺たちのこと、この段階で打ち明けるの?!やばいよ!まだ俺たち、ここの部下だ!)
第七十四話 完
第七十四話をお読みいただきありがとうございました!
ユウのフォース制御の修行、そして都市へ戻ってからの心温まるやり取り、からのアリスによる爆弾発言!平和ムードが一転、緊張感あふれるラストとなりました。ユウたちはこの状況をどう切り抜けるのでしょうか。
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