第六十話 都市侵入
炭鉱での過酷な一日が終わり、ユウの手元には都市への「推薦状」が渡されます。
恐怖に震える警備員と、己の異変すら「成長期」と笑い飛ばす能天気な相棒・フェビル。
束の間の休息の中で、ユウは仲間たちと共に新たな謎、そして次なる目的地――「都市」への侵入へと想いを馳せます。
物語はいよいよ、生活の拠点となる中心部へ!
「終わりました。あちらを見てください。」
「お、お、おう………ご、ご苦労だった。
ほら、今日の報酬だ。受け取れ。
それと、これが推薦状だ。窓口で提出するといい。」
ユウは、推薦状をチラッとみる。
(これ、嘘じゃないよな。もし嘘だったら……)
ビク! 警備員は冷や汗をかく。
「もももも、もちろん本物だ。確認してもらえばすぐにわかる。」
(こ、こいつはやばい。やばいなんてもんじゃない。まるで、考えてることが頭の中に入ってくる。
無自覚なら、このまま言わず、報告も無しだ。
自覚されたら困る)
ユウは作業場に戻る。
すると、フェビルが大の字で寝ていた。
「おい!起きろ!帰るぞ!」
「ん、んが?!お、俺は寝てたのか…そうか、間に合わなかったのか。」
「いや、最後は良い線行ってた。トロッコ自体が重すぎたんだ。」
「そうなんだ!だが、俺自身もびっくりでよぉ!お前の真似した時はピクリとも動かなかったのに、鉱石がどんどん軽くなってよぉ!
そのあとトロッコ引いてみたら、動き出したからなあ!
俺!成長期かもしれねえな!わっはっはっは!」
(なんて、能天気なやつなんだ。普通はその原因を知りたいと思うものなんだけど。
ぷ。やっぱり面白いな、)
「そうか…明日には行っちまうのか。ま!おれもいつかそっち行くから、そんときはまた一緒に仕事しようぜ!」
「ああ、元気でな、フェビル。良かったら、餞別にこのお菓子、持ってる分全部やるよ。
明日の作業中にでも、食べてくれ。」
「おお!サンキュー!これ食べると力が湧いてくるんだよな!じゃあ!向こうでも、元気でな!」
(なんて、さっぱりしたやつなんだ。清々しい。)
◆
「うーん……それは、飢餓状態だからかもしれないね。」
「どういうこと、アリス?」
「本来得なければならない栄養分を、得られていなかった分、覚醒促進用のお菓子を含むことで、一気に栄養分を取り込んだせいかも。
もともと素質はあったのかもね。」
「素質かあ、ネビルとのハーフって言ってたなあ。」
「ネビル星人は、フォース値は低いはず、現にフォースを恐れているから。でも、ヒューマンにも、フォースをそこまで覚醒できることは稀。
もしかすると、わたしたちの種族とのハーフなのかもしれない。」
シャクは少し難しそうな表情になる。
「ひとまず、お疲れ様ユウ!これどうぞ!」
リスタが手料理を作ってくれた。
リスタはとても几帳面で、料理のセンスもある。
「うん!美味しいよ!ありがとうリスタ!」
「いよいよ明日は、都市に侵入。
ここからが、本当の生活ね!みんな、明日の準備はいい??」
「オッケー!」
(そのフェビルという人………もしかして)
第六十話 完
第六十話をお読みいただきありがとうございました!
フェビルの「ハーフ」という出自に隠された秘密、そして彼が口にしたお菓子による覚醒……。去り際の爽やかさが、かえって再登場への期待を膨らませてくれますね。
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あわせて、もう一つの逆転劇**『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』(N0377LN)**も連載中です。宇宙の英雄を目指すユウとはまた違う、VR世界での人生再起物語もぜひチェックしてみてください!




