第五十五話 ネビル都市
第五十五話です。
星にも、都市にも、
表には出ない「過去」と「思惑」があります。
今回は、ネビル都市という舞台と、
そして――
ちょっとだけ賑やかな一幕をお届けします。
情報回かと思いきや、
いつも通り(?)な空気も混ざっていますので、
肩の力を抜いて読んでいただけたら嬉しいです。
ネビル都市について、シャクから概要を聞いた。
ネビル都市ができる前、その周辺は砂漠地帯。
そこにはいくつもの集落があり、中央には巨大な街もあった。
街の周辺にある集落には、貧しい家庭がほとんどであり、奴隷の家庭もあった。
フェアリーリング地帯とは異なり、他の星からの来訪も当時は多く、よく異星人が出入りしていた。
フェアリーリング地帯は奇妙な特技を使うなどと噂されていたため、異星人はほとんど近寄らず、安全地帯であった。
ネビル星人が来てから、星の座標をずらす装置を設置したため、最近では異星人が訪ねてくることはなくなった。
「わたしは、定期的に貧しい家庭の調査に行っていました。
その理由は、フェアリーリングの裏側からとてつもないフォースエネルギーを感じていたからです。
ですが、そのフォースはとても揺らいでいました。
下手をすると、闇に堕ちてしまうのではないかと。
だから必死に探し出し、一人の少年に出会いました。
名前はアーク。とてつもなく才能のある子でした。
しかし、何かに導かれたのか、やがて、ナイトがやってきました。どうも、漂流していたそうです。
ナイトは真っ先にフェアリーリングへ訪問して、わたしともある約束を交わしました。
それは、この星を他のナイトたちに教えないことです。
もし、この星がダークナイトに知られたら、せっかくの自然が支配されてしまう。
そう懸念したからです。
やがて、アークとその母親はナイトと共に星から脱出していきました。
それから何年も経ち、ネビル星人がやってきたのです。
それから元の街は残ってはいますが、ネビルが統治しています。やがてネビル都市が広がり、街はその一角になりました。」
アリスはホログラムを拡大して、その街を指す。
「まずはこの街に行って、都市の仕事の依頼を受けて実績を積む。
そして、都市へ引っ越しがしたいと申し出て、都市内部へ基地を構える。
その後は、都市の中心部へ仕事として潜入して、IDを手に入れる。そこから、本格的なミッションがスタートするわ。」
「なるほど、まずは異星人の無法地帯なら、パッと誰かが現れても、管理されてないから違和感なく入り込める。
そこから少しずつ都市内部へ距離を詰める。ということか。」
「ご名答。
ユウの言うとおり、これだけ科学が進歩してるから、少しずつ潜入していくしかない。
大事にしたら、シャクのお姉さんが危険になるかもしれないから。」
「シャクのお姉さんってどんな人なの?」
ユウが尋ねる。
「姉の名前は、トウ。生まれた時から神姫になるべく育てられたので、かなり態度は横柄です。しかし、その実力は本物で、フォースはわたしと同等かそれ以上。
使いこなしで言うならば、わたしより上です。」
「見た目は?どんな姿をしてるの?」
ユウはまた尋ねる。
「な!?ユウ!トウ姫に興味があるの?!」
「え?!いや違うよ!助け出すんだから、見た目を知っておかないと!」
「な、なんだ、そうか、そうだよね!確かに!みんな!また頭に乗せるね!シャク、ビジョンをお願い!」
「あ、はい。……これが、姉です。」
「わ、わぉ……す、すごい綺麗…… !」
リスタは見惚れている。
「さすがはシャクのお姉さんね!」
アリスも見惚れている。
「う、うん、凄い美人だ……」
ユウが続いた。
…………!?
三人はユウを見る。すると、少し顔を赤らめて見惚れていた。
「シャク!ビジョンを消して!」
「あ!消えた!なんで!」
「も、もう見た目は確認できたわね!」
「それにしても、姉妹揃って美人だなんて、すごいねシャク!わたしもシャクたちみたいな大人になりたいなぁ」
リスタはアリスやシャクのボディラインを見つめて、憧れるように話す。
「確かに、姉妹でこれだけ美人ってすごいや。しかも、お姉さんは、長身で妖艶な感じだね。」
…………!?
(あ、あんな一瞬で、スタイルまで把握しているなんて!ユウ、やはりあなたはもう覚醒しているのですか?!)
シャクが心配そうにユウを見る。それにユウが気がつき慌てた。
「あ!ご、ごめんシャク!比較したわけじゃないんだ!
その……シャクもとても美人だし、スタイルだって……その…柔らか……じゃなくて、凄く綺麗だし……凄く魅力的だからね!
気を悪くしないでほしいんだ!」
シャクはまた茹蛸のように赤くなり手を顔に当てて慌てている。
「え、え、え、わたしがですか?あわわわ、な、なんといって良いか、なんだか恥ずかしいです。そこまで褒められたことがないので。」
「ユウ‼︎シャクをそんな目で見てたの?!」
「え!なんでそうなるんだ?!ご、誤解だよ!」
「むむむー!だって、柔らかいって言ったじゃんー!」
(げ!つい言いかけちゃったのを、バッチリ聞こえてるじゃんかー!もう、観念しよう。)
「ご。ごめんねシャク。勘違いさせたなら謝るよ。この通りだ。」
ユウは頭を下げる。
「あ、あわわわ、そこまでしなくても、全然気にしてませんから……ありがとうユウ、気遣ってくれて。」
シャクはユウの純粋さに癒されてまた赤くなる。
「お、俺からしたら、三人とも、とんでもないくらいに美人に見えるんだ。
ごめん……本当に慣れてなくて、つい本音が漏れちゃうんだ。」
それを聞いて、三人は赤くなる。
嘘がないのが伝わる分、余計に照れてしまった。
「そ、そう?あ、ありがとう、ユウ」
さっきまで強気なアリスもまんざらじゃない態度だ。
ここで、シャクがハッとする。
(い、いけません!もしかすると、ユウはもう、すでにフォースが覚醒しているのかも!
わたしも含め、皆が照れてるじゃありませんか?!
こ、これが、色欲のフォースの力……!?
な、なんという……おそろしい力なの……!!!!)
と、思いながらも、皆、まんざらでもなく、褒められて心地よいのだった。
第五十五話 完
物語がいよいよ大きな局面を迎えてきました!
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