第四十六話 お姫様
フェアリーリング編、核心に近づいてきました。
今回はついに――
「声が届く者」「届かない者」 の差が、はっきりと描かれます。
神秘と違和感、そして優しい声。
何かが“始まりかけている”空気を感じてもらえたら嬉しいです。
神殿の入り口で3人は、自然と神殿の神秘さに圧倒されて、動けずにいた。
3人は辺りをキョロキョロと見回した。
すると、声が聞こえてくる。
『さあ、中へどうぞ。』
ユウとリスタは、"?!"という反応を同時にする。
「二人とも、どうしたの??急に顔を見合わせて!」
「リスタ、聞こえた?!」
「うん!ユウも?!」
アリスには聞こえていなかった様子。
『大丈夫。わたしの名前はシャク、この神殿の神姫です。驚かせて申し訳ない。これはテレパシーです。あなたたち3人へ向けて発しています。
受け取れたのは二人……もう一人にも受け取れると思ったのですが、まだのようですね。』
「え?え?!どうしたの二人とも、耳を澄ませてキョロキョロして?
何か聞こえてるの?!」
「そ、そうなんだアリス、神姫……おそらくお姫様からのテレパシーなんだ!」
「テレパシー!?超能力ということ?」
「なんか、こう、頭の奥に響くような。そんな感じ!」
「おそらく超感覚の一つです!ラボの文献によると、この一族の長になるものは、強大な超感覚を持つものとされているようなので、テレパシーもその能力の一つだと思う!」
『神殿へお入りください。わたしのところまで誘導します。
まずは、目の前の階段を登ってください。
少し行くと門があります。
そこを通過してください。』
「アリス、ユウ、とりあえず、行ってみようよ。」
リスタは笑顔になる。
ユウは多少困惑しているが、リスタはこの星へきてから表情が良く、より透明感が増している。
と、ユウは感じていた。
(さ、さらに美人が増してきたな。これで大人になったらどうなるんだ……末恐ろしい。)
言われたように進むと、本当に門がある。
黄金の門であり、3人が近くに行くと自然と開かれた。
『そのまま階段を登ってください。とても長くて申し訳ないです。
本来、歩いて登ることは想定していないものなので。
ゆっくりでかまいません。』
「お姫様、優しいね、ユウ!」
「ああ、俺はもっとこう、女帝のようなイメージだったけど、声も柔らかいし、すごく安心する感覚だよ。」
「いいなあ二人とも、わたしは聞こえてこないからなあ……ま、後で会うだろうし、お楽しみってことにしておこう!」
「アリスにも送ってるみたいだよ?受け取れると思ったって言ってた……どういう根拠かはわからないけど。」
「そうなのー?むむー…特に何も聞こえないなあ。もしかして、わたし、素質はあるのかなあ?!」
「そうかもしれないよ?ユウは細胞持ち合わせている可能性があるのと、わたしは自分自身を超感覚の実験に充ててるから、それで受け取れたのかも!
アリスも超感覚の才能が眠ってるのかもね!」
「わ、わたしに……才能が?」
「あながち、可能性はあります。あなたは、地球人のような、"ただの人"ではありませんから……1stの努力の結晶なんです。」
「ら、ラム……初めてそんな言葉、かけてくれたね……ありがとう。」
「いえ、思ったことを発しただけです。」
(思ったこと……か。ラム……まさか、あなた、少しずつ進化してるんじゃ……)
数分かけて登るが、まだ頂上は見えない。
空からとは比べ物にならないほどの高さだった。
ユウとアリスはリスタの異変に気がついた。
「リスタ!ここらで一旦休もう!」
「そうね、少し階段に座りましょう。流石にこの段数は登りきれないわ。」
「ご、ごめんなさい。わたし、体力が無くて……」
その場にへたり込むようにふらつく。
ユウはリスタを抱き抱える。
「危ない!っと、転かすかよ!」
ユウはリスタをゆっくりと座らせる。
「さっすが先生!」
アリスは笑顔で親指を立てている。
(あいつら、元気にしてるかな。)
休憩しながらふと思い出していた。
リスタは持ってきていた水筒で水分補給をする。
「ふう……少し落ち着いた。ありがとう、ユウ、危うくまた下からやり直すところだったよぉ」
「いやいや、そこまで転げ落ちたら大怪我しちゃうよ!?」
「ぷ!そだね!」
少し休憩すると、リスタに笑顔が戻った。
キーーン……
空気が一瞬張り詰めた気がした。
「うっ!頭が……!」
突然リスタが頭を押さえてうずくまる。
「ど、どうしたんだ?!リスタ!大丈夫?!」
「頭が、痛い!」
ユウとアリスはとにかくリスタを介抱するが、果たしてこの頭痛の原因は何なのか。
「くそう!どうすれば……‼︎」
第四十六話 完
最後までお読みいただきありがとうございました!
ついにリスタに異変が……。果たして彼女を襲った頭痛の正体とは?
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