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Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー  作者: hanaXIII


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第四十三話  惑星クリプタ

目的地、惑星クリプタ。そこは地球の10倍もの大きさを誇り、雲を衝く巨木がそびえる神秘の星でした。

しかし、宇宙船の窓から見えたのは、美しき緑を侵食する不気味な「赤」の広がり。

遥か古の地球で「始祖」と呼ばれた可能性のある強大な敵を前に、アリスが驚くべき潜入プランを提案します。

「まもなく、ワープを終了し、惑星クリプタ近傍に到達します。」

ラムがアナウンスする。


星の目の前に到着し、ゆっくりと進んでいく。


「あれ?資料と違う……」

リスタは操縦ルームの景色を見て唖然とする。


「資料では、もっと青々とした星のはず……な、なんだか半分赤い……」

ユウも星を見て緊張が走る。


「もしかして、奴らのせい?」

「可能性はあるわ……ラム!直接ラボに行くから、このままステルスは解除せずに向かって!」

「承知しました。では、ステルスおよび探知回避航行を開始します。」

星を半周すると、青々とした場所が見えてきた。

そのまま大気圏に突入するとほんの数秒で星の中へ入ることができた。


「ここが、クリプタ……大陸が、ほとんどジャングルみたいだ。

しかも、木が……大きい!」


「こんな木見たことない!ニューラにもここまでの木はなかった……」


辺りは巨木が何本も散らばっている。

「す、すごい……巨木一本が富士山をそのまま突き立てたくらい威容だ。雲を突き抜けてそびえ立っている……!」

「惑星クリプタは、地球の約10倍の大きさの星です。自然豊かで、木々の大きさは地球の自然の比ではありません。ここには、ラボの資料によれば、ここでは近代文明はほとんどなく、ラボとはそのバランスを保ちながら共存しています。」

ラムが補足情報をアナウンスする。


木々をかぎ分けていくと、巨大な虹のホールが見える。

ラムが通信を送ると、ホールの一部に穴が空き、そこから進入する。


宇宙船が通過すると、またホールが閉じられる。

ホール内は、巨大な都市が広がっていた。

「ひ、広い!思ったよりずっと広い!」

「地平線が見えるなんて……」


「ラボが見えたわ。ひとまず、ラボ内へ行きましょう。」

宇宙船専用のステーションで着陸する。

今回は上空ではなく、脚を出して着陸する。


ハッチを開く前に、ラムの方で外気チェックを開始する。


…………


「解析完了。

三人とも、大丈夫です。大気は地球やニューラと似通っています。

少し特殊なものが空気中にあるようですが、直接的には関係なさそうです。


ハッチが開いて、三人は外へ出る。


ラボから人が出てきた。

「お待ちしておりました。わたしは責任者のエルボです。さあ、中へどうぞ。」


移動装置でラボ内を移動し、研究室へ通される。

研究員は全員揃っており、一斉に立ち上がって各々挨拶を叫んでいた。


(俺たち、歓迎されてる?)

ユウはボソリと呟く。

(ええ、そのようね。きっと、この危機を救ってくれると思ってる。)

アリスも小声で答える。


広い客室に通される。

クリプタからはエルボのみ。三人はエルボの向かいの椅子に腰掛ける。


「長旅、お疲れ様でした。

立ち寄っていただき、誠に感謝致します。改めましてわたしはエルボと言います。

よろしくお願いします。」

「こちらこそ、まさかこのラボにエルボ博士がおられたなんて……異動されたのですね?」

アリスは元々の知り合いのようだ。


「ああ、あの頃はまだ経験が浅くてなあ。君の子守係だったよ…‥大きくなったなあ、No.S……いや、アリス……そう呼ばれてるのだろう?」

「うん!ユウがつけてくれたの。」


「ゆ、ユウです!はじめましてエルボ博士!」

「リスタです!」

「二人とも初めまして……よくきてくれた……一連のことは、ニューラの通信で聞いているかね?」

アリスは真剣な顔になる。

「ええ、伺いました。侵入者が、そのまま居座ってるのも聞きました。」


「そうなんだ。彼らは数年前にここへきた。

そして、少しずつ環境を変えようとしている。

緑が枯渇して、赤い大地が広がりつつある。」

「あれか……あれは大地の色だったのか!」


「彼らは高度な文明を持ち、星を占領しようとしている。この豊かな星を、自分たちの住みやすい環境に作り変えながら……」


「こ、高度な文明……」


「おお、そうだ、わかりにくくて申し訳ない。

1stから聞いている。

ユウくんのいた文明レベルは、地球の歴史を何度かやり直した果ての文明レベルだ。

そこは聞いているよ。

それとは比較にならないほどの科学力だ。」


エルボの話によると、星の基盤そのものを作り変える技術を備えているとのこと。

人種は、地球で言うところの爬虫類系の見た目をしており、人間よりもサイズは一回り大きい。

地球の長い歴史の中で、"始祖"の可能性もあるとのこと。


「爬虫類系……」

その言葉を聞いた瞬間、ユウの背筋にゾッとするような冷たい感覚が走った。まだ見ぬ敵の、感情を排した合理的な殺意を、研ぎ澄まされ始めた感覚が予兆として捉えたのかもしれない。


「し、始祖?もしかして、初めて地球人を作ったとか?」


「その通り。しかし、その時代の彼らとは限らないし、その種族かも不明だ。

地球の支配については、もう何億年も前に解決して、今はほんの一部しかいないはず。それも1stとは協定の範囲でしか活動していないはずだが。」


(や、やっぱり本当だったんだ。ネットで言われてたことも、支配のことも)


「なぜ、彼らはこの星に?」

「理由はわからない。気まぐれなのか、誰かの差し金なのか。」


「ここに住む人たちは大丈夫なんでしょうか?

あんなに色が変わるほど、星が変えられてしまったら、住むところも無くなるんじゃ……」


「少しずつこの中央地帯へ移り住んでいる。クリプタの民では科学力に対抗出来ない。

ここも、そのうち危うくなる。

1stからは撤退命令も出ているんだ。

だが……クリプタの民を見放すことなど……」


「エルボ博士!……わたしたちに、敵の視察に向かわせてもらえませんか?」


「とても危険だ!エージェントといえど、科学力が上とは限らん!」


「でも、このままじゃ、この星は彼らに占領されてしまう。」


「本当に、話し合いはできないのかな?」

リスタが口を開く。

「何度か通信を試みたが、ダメだった。

すぐに立ち去れとしか言わんのだ。」


「こちらに対して、攻撃はしてきたの?」

リスタは心配そうに言う。

「ああ……あの地域に住んでいたものは、皆捕まり、中には命を落としたものもいた。彼らは…

この星の生命体に興味があるらしい。

おそらく、自分たちの能力覚醒のため、研究するのだろう。」


「………戦争は回避できそうもないか。」


「よし、わたしに良い考えがある。敵のど真ん中に入る方法が……」


「え!そんなことできるの?!」


みんなはアリスに注目する。


その潜入方法とはーー


第四十三話 完








最後までお読みいただき、ありがとうございます!

惑星クリプタを蝕む「始祖」の影。

圧倒的な科学力を誇る爬虫類系の敵に対し、アリスが提案した危険な潜入作戦とは一体!?

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