第四十二話 事情
リスタを仲間に加え、いよいよ宇宙へと飛び出したユウたち。
目的地は「超感覚」の星、クリプタ。
穏やかな旅になると思われた矢先、アリスに届いたのは衝撃の通信でした。
宇宙の厳しさが、牙を剥き始めます。
アリスは少しの沈黙の後、ゆっくりと話し出す。
「結論から言うと……クリプタには今、他種族が住み着いている。そして、元々いた種族を襲っているとのこと。」
ユウとリスタは息を呑む。
アリスは通信内容を要約して説明してくれた。
ここ数年で、外から来た種族が星を占領しようと企んでいること。
元々いたクリプタの民を奴隷化しようとしていること。
「な、なんて野蛮な奴らだ。奴隷だなんて。酷すぎる。」
「まだラボは安全みたい……クリプタの里の中心とラボは隣接していて、互いに助け合いながら生きている。
そこにはまだ攻めてきていないみたいなの。」
「けど、そのうち攻めてくるんじゃ……」
「その通りよリスタ。この宇宙は、皆が穏やかなわけじゃない。むしろ、ここ数百年で、わたしの知る銀河は荒れてきている。
だから、わたしは地球に派遣されたの。」
「その種族の特徴は?」
「……そこまでの情報はないわ。だから、ひとまずラボへ着陸して、調査しないといけなくなりそう。」
リスタは不安な表情をしている。
初めての冒険が、リスクを伴う環境だからだ。
そして、ユウにも緊張が走る。
ニューラは元々平和協定を結んでいた星だった。
だが、次は違う。
明らかに侵略してくる相手だ。
「超感覚の研究は、その件が収まってからになりそうだね、リスタ」
「う、うん……でも……おさまるのかなあ。」
「それは、わたしたちにかかっているのかもしれない……ちょうど、1stからも通信がきたわ。
『ユウをかならず守り抜き、星を脱出すること』
ってね。」
アリスは任務になると、口調や表情が一変する。
プロのエージェントの顔だ。
「問題を、解決せよ。じゃないの?」
ユウは疑問を投げかける。
「ええ……必要であれば、ラボごと離脱してかまわないって……」
!?
一同が固まる。
「そ、それって、クリプタの民を見捨てるってこと?!」
「…………結果、そうなるわね。多分……ultimate細胞の覚醒者であるユウ……あなたの安否が最優先事項だから。
宇宙の運命を握っているといっても過言ではない……1stは……何百年も待ち続けたから……」
リスタは固まったまま食事が手につかなくなった。
せっかくの祝福ムードは一変した。
「ねえ……アリス。」
アリスはそっとユウを見た。
すると、そこにはニューラに行く前とは別人のユウがいた。
「俺は、戦うよ。
今回はニューラでの戦いとは、まるで次元が違うと思う……でも、ラボと平和にやってたクリプタの民を、放ってはおけない……」
「そうね……ラボと共存して生きてるんだから、仲間も同然よね。
うん……わかった。
ユウ、ありがとう。わたし、またエージェントの時のモードに入ってた。
本来ならそうでなきゃいけないんだけど。
でも……ユウと旅してると、それじゃダメなんじゃないかなって思ったの……。
だから、今回も、ユウの思うこと、わたしにも背負わせてほしい」
「わ、わたしも!ユウに賛成。見捨てられないよね、仲良しだから、助けたいよ。」
「みんな、ありがとう。これは俺の直感なんだ。
ここでクリプタを救わないと、ダメな気がするんだ。」
「よし!じゃあ、星に着いたら、まずはラボね!
そして、近辺を調査して、クリプタの民と作戦を立てなくちゃ!」
「わたしも、クリプタの人たちの研究を進めていくね!」
「じゃあ、"クリプタ救出大作戦!"といきますか!」
三人は、多少の緊張を見せた。
しかし、ユウの意志により、星を救う方向が定まったおかげで、士気を上げることができたのだった。
セブンスターまでの道のり。もう後戻りできない。
ユウたちは、また新たな冒険を始めようとしていた。
第四十二話 完
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ついにユウが自らの意志で「戦う」ことを決断しました。
侵略者に脅かされる惑星クリプタ。果たしてユウたちは、妖精の民を救い出すことができるのか!?
面白かった、続きが気になる!と思ってくださった方は、ぜひブックマークや、下の評価欄(☆☆☆☆☆)から応援をいただけますと、執筆の大きな励みになります。
皆様の熱いコメントもお待ちしております!
現在、コンテストにも挑戦中ですので、応援のほどよろしくお願いいたします。
また、別作品の**『Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜』(N0377LN)**もあわせてチェックしてみてくださいね!
次回の更新もお楽しみに!




