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Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機に人類の切り札として無双するー  作者: hanaXIII


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第百十話 最後のひと推し

セブンスターの首脳陣が集まる講堂で、主犯であるヘマ総帥の処分が話し合われる中、ユウが突如として投げかけた驚愕の提案。

その裏にあったのは、前夜にアリスが受け取った1stからの極秘指示と、囚われた仲間エージェントTを救うための新ミッション「惑星エリシオス」への潜入作戦だった。

さらに、ヘマ総帥の過酷な過去と「奴隷として囚われた母」の存在を知ったユウは、かつての敵に「共闘」という形で手を差し伸べる。

猛反対が予想される講堂で、アリスとユウは首脳陣を説得し、ヘマ総帥を連れ出すことができるのか――!?

はたして、新章の舞台となる謎多き星への道は開かれるのか!?

「ユウ、説明してくれる?」

ユウは、ヘマ総帥とのやりとりをアリスに話した。その上で、ユウは提案した。

「肉弾戦のできる人がひとりでもいた方がいいと思ったんだ。おそらく、現地では個の力が重要になってくる気がする。獣たちって、地球の概念からいうと、いわゆる巨大な爬虫類系みたいな奴らだよね?

そんなのが出てきたら、強くなきゃいけない。

だから、ヘマ総帥を連れていけばミッションを遂行しやすいと思ったんだ、それに……」

ユウはヘマ総帥の事情も説明した。

「そんな偶然が……ヘマ総帥にもそんな事情があったのね。確かに……互いの利害が一致してるなら、共闘も可能。リスクについては、ヘマ総帥が途中で裏切ることを想定してプランを組めばいい。もしかすると、星の内情も色々聞き出せるかもしれない。」

「決まりだね。アリスの仲間を救える確率を、1%でも上げなくちゃ。」

「ありがとうユウ。そこまでしてくれるなんて……ヘマ総帥が加わるならば、カードが一つ増える。プランも大きく変わってくるわ。」

「あとは、どうやってみんなを説得するかだね。」

◆

講堂にて。

「なんだと!?ヘマ総帥を仲間に加えるだと!?正気か!?」

次々に罵声が飛び交う。

「お静かに、セブンスターの皆様。確かに彼は今回の首謀者。しかし結果はどうでしょうか。

人は誰も死んでません。

それは、彼が意図的に計画したのです。

彼は、捕らえられている母親を救うためにこの計画を立てた。」

アリスはヘマ総帥の事情を説明する。

「しかしだなあ、そんな個人的な理由で戦争を起こされても困る!死ぬところだったんだぞ?

アリス!君も死にかけていた!」

「でも、わたしはこうして生きている。

なにもヘマ総帥を野に放てと言っているわけではないのです。このセブンスターからは永久追放で良いでしょう。

彼は、ダークナイトから逃げたいのです。

ならば、もうこの星には近づかないでしょう。

目的を達成したら、彼は銀河の果てに自分から向かうはず。そこで、母親と静かに暮らすことが目的なのです。

そして……」

アリスは自分の事情も説明した。

「なんと!?仲間が!?偶然にも同じ星……」

アリスはあくまでラボやエージェントの話を伏せた。

このセブンスターでも、ラボは地球由来の独自のグループ。

1stと密接なことがバレるといけないため、上手くふせたのだった。

ジョウ博士が立ち上がる。

上手く伏せた様子を見て状況を察したのだった。

「利害が一致しているため、あくまで彼を利用するということで、いいかね?」

「ええ、聞こえ方はあまり良くないですが、率直にはそうです。わたしたちも、命をかけていますから、仲間の生存確率が上がるならば、敵でも受け入れます。」

その後、条件付きでヘマのセブンスターから永久追放が決まった。

この星にいる間はセキュリティのある牢屋で過ごすこと。

星を出る際、宇宙船はアリスたちとは別枠で二手に分かれて行動すること。

現地では任務遂行中何が起こるかわからない。裏切った場合には、母船を渡さないこと。

これらの条件が言い渡された。

◆

「本当なのか?……本当に、母上を救いに行けるのか?」

「うん、アリスが上手くまとめてくれたよ。」

「すまなかった……」

ユウは驚いた。

「まさか、ヘマ総帥が謝るなんて、びっくりだよ。」

「皆を恐怖におとしめたのに、命まで取らんとは思わなかった。」

「でも、条件付きだから、そんなにいい条件じゃないよ。ひとまず、無線で作戦会議をする形になるから、お互いにミッション成功率を上げるように、出し惜しみなく情報は提供してほしい。」

「当然だ。母船は無事に帰還しないと手に入らん。お前たちに何かあれば、こちらにも損害が出る。正直、その辺の母船では、銀河の果てまでは逃げられない。最新鋭の技術が必要なのだ。」

「一つ聞いていいか?銀河の果てって、どこかあてがあるのか?」

「いや、とくには無い。だが、昔誰かから聞いたことがある。銀河の果てに、青い小さな星があると……そこは、低級のヒューマンが暮らしていると……。随分前に宇宙へ行くものが現れ、残ったものは文明をリセットし、再び文明レベルを落としたと……。国どうしの小競り合いはあるが、技術レベルも大したことはなく。

平和に暮らせると。

私はそこを目指しているのだ。

そこで、母とひっそりと暮らしていく。

そこにも、ラボはあると噂されているが、上手く交渉して、目立たずに生きていくつもりだ。」

(地球のことだ!ヘマ総帥は地球に行きたいんだ!もし……もしもちゃんとした仲間になれたら……ヘマ総帥が地球にいると、もしもがあっても安心だ。)

「どうしたユウ?」

「え!?」

「呼び捨てにしたらいけなかったか?我々はもう仲間なのだろう?」

「そうだな。うん、呼び捨てでいいよ。でも、アリスたちには気をつけてよ。調子にのらないでって怒られるよ?」

「わかっている。私もそこまでアホでは無い。」

そこから数日間、アリスは作戦を立てた。ヘマ総帥にも情報を聴取した。

「私が知っているのは以上だ。口頭では言いづらいが、奴らは強すぎる。決して戦おうとは思わないことだ。この星のロボット兵など、相手にならんぞ。」

「そうみたいね。さすがにダークナイトと、謎の敵を相手に戦闘は避けるべきだわ。」

「あちらは力あるものが全て。だが、差別も多い。」

「唯一の救いが、文明レベルがそこまで高く無いこと。それを逆手にとった、私たちは各々仲間を奪還する。」

「決して肉弾戦にならぬことだ。たちまち捕まるぞ。そこの小僧でもおそらく無理だ。

最も、そこの小僧なら命は取られん。おそらく仲間に引き込もうとするだろう。」

「ふふ、ならば、仲間になってもらおうかしら。」

「な!?バカを言うな!もしバレたら敵のど真ん中で捕まるぞ!?さすがに小僧でも生きては帰れん!」

「だそうよ?ユウ、どうする?懐に入るのはその方法が一番早そうだけど?」

「俺はやるよ。必要なら。」

「そう言うと思ったわ。でも、わたしとしては、それはセカンドプラン。

わたしたちがまず潜入して、しばらくしてから敵の懐に潜り込む。」

「え!?セカンドプラン?」

「そう……わたしとヘマ総帥で潜入して帰ってくるに越したことはない。まずはそのプランで動くわ。だから、遠く離れた場所で、数日か数週間待機よ。」

「え!?そんなに?一人で!?」

「大丈夫、ラムコピーがいるわ。」

(さすがに暇だなあ。探検でもして待っていよう。)

「くれぐれも、探検しようなんて思わないでね?珍獣たちに食べられちゃうかもしれないから。」

「その通りだ。余程の危険がない限り、母船から出んことだ。あの星は場所によっては磁場、重力もデタラメな地域もある。まるで星が生きているみたいにな。」

「わかった。気をつけるよ。」

(見透かされてた!でも、じっとしてられない!待っている間にもやれることはあるはずだ!)

「じゃあ、明日正式に作戦会議をしましょうか。これから準備を済ませて、わたしたち3人は明日には旅立たないといけないから、各自準備しましょう。」

「私は輸送されるだけだがな。」

「ぷ。仕方ないよ。でも、宇宙船が発進すれば、腕の錠も外れるから、いつでも逃げ出せるよ。」

「ふん。私が裏切って逃亡するとでも?まあ、これまでのことが全て嘘ならばそうするだろう。だが、どのみち最新鋭の母船は欲しいからな。帰るまでは裏切らんよ。」

「わかってるよ、ごめんヘマ総帥。じゃあ、また明日!」

モニター越しの会話は終了した。

「ユウ、あと一日だから、ゆっくり休んでいてね。」

「わかった。」

ユウは自分の部屋に戻る途中。進路を変更する。

(よし、あと一日だ。行き先はひとつ!)

第百十話 完

第百十話をお読みいただき、本当にありがとうございました!

アリスの見事な説得により、条件付きでヘマ総帥のセブンスターからの「永久追放=共闘」が決定!

さらには、ヘマ総帥が最後に目指す「銀河の果ての平和な星」がまさかの地球であったことが判明し、二人の関係性にも熱い信頼が生まれ始めましたね!

未知の猛獣、ダークナイト、そして謎の敵が蠢く「惑星エリシオス」への旅立ちを翌日に控えたユウ。

部屋へ戻る途中で進路を変えた彼が向かった「行き先」とはいったい……!?

さらなる激動と冒険が待つ第百十一話も、どうぞご期待ください!

ユウの最後の決意やヘマ総帥との共闘にワクワクした方は、ぜひブックマーク登録や評価、感想コメントをいただけますと大変励みになります!

皆様からいただく温かい応援が、今後の執筆の大きな力となっております。

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