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異界見聞録。九十六式歩行空挺戦車、ハイエルフ、フェンリルと異世界を旅する。  作者: トウフキヌゴシ


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48/52

第48話、襲来。

 ニュウローランの中心に近い大広間。

 ここからバザーのある路地が十字に広がっている。

 その中心。


 ズドオオン


 大きな音と地響きとともに、巨大なハサミが地面から突き出した。


「何だあれは」

「全身が出てきたぞ」

「巨大なカニ?」

「いや、シオマネキだ」


「あれは……」

「使徒ですね」

 金色の目を持つ巨大なシオマネキ。

「オアシスの水源を止めていたやつだ」

 シャル殿だ。

「(きりおとした)ハサミが再生したのか」  

 シャル殿のブレスレットコマンダーから言った。

「非常事態だ、出せれる巨兵はすべて出せっ」

 ハートウーマン軍曹が大声で叫んだ。


 ズシュシュン


 キャラバンの護衛の巨兵が巨大なシオマネキの前に。

「シャル殿っ」

 自分はシャル殿のいた路地まで移動。

 操縦席を開ける。

「ん」

 シャル殿が自分(の操縦席)に飛び乗った。

 大通りを走る。


 ズガアン


 巨兵の一機がシオマネキのハサミで吹き飛ばされた。


 パンッ


 左手のメーサーを短射。


 ビシッ


 左手のハサミで受けた。

 金色の目がこちらを見る。

 五年前、ここから追い出されたのを覚えていたのだろうか、体をこちらに向け、

 

 ガチガチガチ


 と口から音を出した。

 

 右手を前に出し、左手でゆっくりと逆手に、黒曜石の刀を鞘から抜く。

「「シャル隊長」」

 ナハト―ラが駆る、”シェヘラザード”とカールの乗る鹵獲した、”ルイフィール”だ。

 カールはチャールズの長男である。

「街中は駄目だ、なるべく外へ誘導しろっ」

 ハートウーマン軍曹の声に、

「「「イエス、マアムッ」」」

 三人が答えた。

 しかし、シオマネキは、三機と他のキャラバンの巨兵の攻撃を硬いハサミや殻で巧みに受ける。

「このままでは、建物に被害がっ」


 アオオオオオン


 本来のフェンリルの姿に戻ったロボだ。

「ロボ様、やっちゃえええ」


 ガチッ


 牙の生えた口でハサミをくわえた。

「今だっ」

 自分とナハト―ラはシオマネキの後ろに回る。

 暴れるシオマネキの甲羅を左右からつかんだ。

「このまま町の外へ」

 自分は降下用のブースターを、ナハト―ラは多関節蛇腹構造を存分に生かして、町の外へ追い出した。

「建物を気にせず戦える」


 キンキンキンキン


 シャル殿と九十六式空挺歩兵戦車(自分)は、メーサーと黒曜石の刀。

 ナハトーラとナーガ型巨兵、シェヘラザードは大鎌《デスサイズ》。

 カールの巨兵、ルイフィールは剣と盾。

 他、キャラバンの五畿の巨兵。


 その後、激闘の末巨大なハサミを切り落とした。

 巨大シオマネキが逃げて行く。


「終わった」

「追い払ったぞお」

「無事だっ」  

「ロボ様、素敵いいい」

「やったああ」

 オアシス全体が喜びに沸いた。


 切り落としたハサミはマナの塊だった。

 食べれば滋養満点で美味、殻は乾燥させて砕けば万能薬の素材になる。

 この先巨大シオマネキは、四~五年の間隔で(ハサミが再生して)襲来し、高級な食材と薬の材料を落としていくことになる。

 襲来は一種の祭りと化した。

 ニュウローランの名物となるのは先の話だ。



 


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