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異界見聞録。九十六式歩行空挺戦車、ハイエルフ、フェンリルと異世界を旅する。  作者: トウフキヌゴシ


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30/33

第30話、トライアンブレラ。

 オアシスが復活した元ロウラン。

 後に、”ニュウロウラン”と呼ばれることになる。


 元ロウランに位置特定用の発信機ビーコンを置いた。

 この信号は暗号化され、ワイルダーキャラバンにしか受信できないようになっている。


 見渡す限りの砂漠。


 目印はなく、夜の星を頼りに航行するのだ。

 そのため、キャラバンの航路にはガイドビーコンが設置されている。

 普通、航路を外れることは即遭難を意味するのだ。


「ま、自分には、ジャイロと距離計を使用した高性能地図マッピング機能があるからねっ」

 艦橋に周りの地図を空間表示しながら言った。

 後部甲板で胸をふんぞり返る。

「はいはい」

 ブレスレットコマンダーから光を出しながらシャル殿があきれたように言った。



 今、ワイルダーキャラバンはオアシスの登録のために、大オアシス都市、”サーマルカーン”に向かっていた。 



 船の台所の片隅。

「ろぼちゃろぼちゃ、こうむくのよっ」

 あぐらをかいたロボの足の中でローラが言った。

 手には小さなナイフとむきかけのジャガイモ。 

「ガ、ガウ」

 ロボが不器用そうにローラの真似をした。

 いびつなジャガイモになっている。

「すーすー」

 ロボの尻尾に包まれて小さな男の子ウイルが寝ていた。

「ふふっ、ロボさんが子供を見ていてくれて助かるわ」

 ウイルの母親、オルソンの嫁である、”メアリー”が微笑みながら言った。

 

 途中、予定のオアシス都市で行商を行い、順調に、”サーマルカーン”に到着した。

 砂漠で新しい水場の発見は大事件である。

 デザートギルドから調査用の軍艦が派遣されることになった。

 途中で横取りされたり無用な争いを避けるため極秘で派遣されることになる。



 トライアンブレラクラス弩級砂上戦艦、ポーラスター”。


 総排砂量:15140ロングトン

 全長:約131メトル

 全幅:約23メトル

 主砲:40口径二門、前部回転砲台

 半帆半暗車推進。


 後部に装甲巨兵を四体収納可能な格納庫を備える、デザートギルド連邦の標準戦艦だ。

 



 ザザアアン

 海と見間違うような広い湖。

 巨大な戦艦が波を蹴立てる。

 

「大きいなあっ」

 大体ワイルダーギルドの砂上船の二倍くらいの大きさがあった。

 二隻は並走しながら湖から砂漠へ移動する。


 大オアシス都市、”サマーンカーン”から一路、元ロウランに向かって出発した。


 その後ろを黒い艦が一隻ついていったことを誰もまだ気づいていなかった。 

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