第28話、ニュウロウラン。
ザザザザザザ
ワイルダーキャラバンの砂上船が砂漠を行く。
ワイルダーキャラバンに入会した一行。
とりあえず所持品の報告をした。
砂漠では所持品の把握は生死を分けることになる。
特に水だ。
「なんだってえ」
ワイルダーキャラバンの商会長チャールズが驚きの声をあげた。
「オ、オアシスを復活させたあ」
「ああ、巨大なシオマネキをおっぱらってな」
シャル殿が言う。
「多分あのシオマネキは水を操るのだろう」
ロウランの地下水の流れを止めていた。
まさにシオマネキだ。
「むうう、本当か」
「ああ、元、オアシス都市、”ロウラン”、これが場所だ」
シャル殿の腕のブレスレットコマンダーから地図を空間表示。
「いけない距離ではないな」
チャールズが艦橋にある伝声管のふたを開いた。
「おやじっ、オルソン、水とマナバッテリーの残りは」
『どうした、いきなり』
普通はおやじとは呼ばず機関長と呼ぶのだ。
『残りは、水は六割、マナバッテリー四割』
弟のオルソンの声だ。
「シャル……さんたちがオアシスの水を復活させたらしい」
『ほんとうか 』
『すげえ、億万長者になれる』
「わかった、行こうっ、進路修正、取り舵一杯」
チャールズが指示を出す。
「取りかーじ、いっぱーい」
十代半ばの少年が転舵輪を回した。
確か名前はカール。
装甲巨兵の操縦者でもあった。
「で、億万長者とは?」
ブレスレットコマンダー越しに自分が聞いた。
ちなみに自分は今甲板の上に座っている。
「ああ、砂漠で新しい水場を見つけると賞金が出る」
「ほう」
「最低でも、十億イェン」
――大体イェンは円と同じくらいらしい
「さらに、水の使用量がタダになる」
「大体この船の水のタンクを満タンにして一千万イェンがいらなくなるな」
キャラバンのルートを外れ三日、
「うわあ、一面の緑が見えるっ」
マストの半ばにつけられた見張り小屋から有線電話で聞こえた。
チャールズの次男であるアルバートだ。
ロウランのオアシスは大きめの湖くらいの広さになっていた。
その周りには小さな下草がもう芽生え始めている。
「うう、本当にあった」
「全員外に出ろ」
わらわらと家族が甲板に出てきた。
「すげえ」
「ロボチャ、ロボチャ、おみずがいっぱあい」
六歳くらいの女の子、”ローラ”がロボの尻尾にしがみつきながら言う。
「キャッキャ、キャッキャ」
三歳くらいの男の子、”ウイル”がロボの肩の上からはしゃいだ。
きれいな水をたたえたオアシス。
「進水するぞっ」
ザザアアン
砂上船がオアシスに入った。




