第39話 僕と君と勇者達との誓いの剣
フィルが自身の左手越しに、キュルルの背にナイフを突き立てたのと同時―――
「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!」」」」」
『白い魔物』の群れが、フィルとキュルルを埋め尽くした。
それを見届けた『白い少年』は喜悦の表情を浮かべた―――
その次の瞬間。
「「《ダイナミック・マリオネット》!!!」」
―――ズォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!
『白い魔物』の群れの中から溢れ出た『黒い魔物』の群れに、『白い少年』の瞳が極限にまで見開かれる。
「「「「「グオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!???」」」」」
『白い魔物』の群れは―――突如出現した『黒い魔物』の群れに、圧し潰されていく―――!
「な―――に、が―――――!?」
瞠目する『白い少年』に向かって―――
「「はあああああああああッッッ!!」」
「――――――っ!!!!」
2つの重なった声が響いた―――!
その声の方へと視線を向けた『白い少年』の漆黒の瞳に―――『2人』で『1人』となった少年と『スライム』の姿が映る―――!!
『2人』は右手に『黒い包丁』、左手に木剣の剣身を取り込んだ『剣腕』を携え、『白い少年』へと駆ける!
「っ―――――!!!!
《オリジン・ブレードォオオオオッッ》!!!」
『白い少年』は―――『2人』を迎え撃つべく『白い剣』を両手に構えた。
そして―――――
「「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」」
「うおおおあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」
―――ガッ……ギギギギギギギギギギギィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイッッッッ!!!
『黒の刃』と『白の刃』の激突音が、響き渡り―――
「こんな―――馬鹿、な―――!!」
『黒の刃』の奔流が―――徐々に『白』を飲み込んでいった。
「「はぁあああああッッッ―――――!!!」」
そして、『2人』が振り下ろした2つの『黒い刃』が―――――
―――ギィイイイインンッッッ!!!
「ぐ―――――あああああッッッ!!!!」
『白い少年』を、凄まじい勢いで弾き飛ばす。
白い空間の床の上を転がった『白い少年』は―――
「う――――――――ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!」
―――カァッッッッッッッッ!!!!!!!
数十、数百メートルに達するであろう、余りにも巨大で長大な『白い剣』を創り出した。
「『修正』を―――――行う―――――!!
全人類の―――――未来の為に―――――!!
ぼくの――――愛する人達の子孫が―――――!!
これからも―――――この世界で生き続けていく為に―――――!!」
確かな『意志』を込めた、『白い少年』の叫びと共に―――
巨大な『白い剣』が――――『2人』へと、振り下ろされる。
「―――キュルル」
「―――うん、フィル」
『2人』は―――右手に木剣の柄を、左手に木剣の剣身を握り―――
その2つを―――合わせる。
剣の形へと戻った木剣―――『黒い剣』を、2人は握りしめる。
そしてフィルは―――――
「アリーチェさん―――皆―――!」
今も『力』を分け与えてくれている仲間達へと―――呼びかけた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「皆さん―――わたくしたちの全ての『力』を、フィルへ届けます!!」
アリーチェの言葉に―――全ての生徒達が頷いた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
―――カッッッッッッ………!!!!
その瞬間―――
『2人』の握る『黒い剣』が、光輝く。
アリーチェ達より届けられた魔力の輝きを乗せた『剣』の名を―――
『2人』は、告げる―――――
「「 《 ブレイバーズ・オース・ブレード 》 」」
その『勇者達との誓いの剣』を―――
『2人』は―――――振るう。
瞬間。
―――キィィイイイイイイインッッッ!!!!
『黒い光刃』が―――――巨大な『白い剣』と『白い少年』を、この『白い空間』ごと切り裂いた。




