復讐の旗揚げ 6
しかし、その瞬間に青年が一歩前に出てきた。
紺の髪に藍の瞳。意外と美形である。
「そうでしたか、もし良ければ我が国マランへ来てください。お礼をしたい」
「!!」
マランって! 今から滅ぼしに行く予定のお国。
「俺はマランの王子アルフレッドです。そして、父とエルドスへ行く途中で案内として付いてきていたエルドスの兵にここで襲われたのです」
「……その、何故エルドスへ?」
「妹のルイーナが先日エルドスのアレックス王の側室に入ったのですが、そのルイーナからの書状を持ってこの者たちが王の命令でやってきて妹が我々の顔を見たいと言っているので王としても挨拶をしたいということで呼び出されてここまで来た時に……」
襲われちゃったって訳ね。
とんでもねぇーな、あのアレックスとエリスの野郎。
私を罠に嵌めて処刑した上に他の国に対してもこんなことをしていたなんて!
私は剣をググっと握りしめた。
そう思った私にアルフレッド王子は頭を下げた。
「助けられるものを助けて国へ戻るので……ぜひ礼を。お二人がいなければ我々は殺されていた。言わば命の恩人。礼をしなければ国としても恥ずかしい」
私は周囲を見回して倒れている彼らを守っていた人間を見つめた。
う~んう~ん、マランは滅ぼす予定の国だけどーでもでも。
「……カイル、回復魔法持ってた?」
「リリア様、彼らを助けられるつもりで?」
マランは一発砲撃破壊旅の第私はだったのでは? と言外に言われたものの私は小さく頷いた。
「助けようと思うわ。ただね。私、全部攻撃魔法なのvv」
「マジで!? って確かにそうでしたねー」
あぁあ、とカイルは上を向いた。
そう言っている間にも数人は死んでいく。
「カイル! お願い!!」
「暗黒城へ戻って成長されたら回復魔法の勉強ですね」
「はい!」
「返事だけは良い」
カイルは4枚羽を広げて人差し指を立てた。
「ヒーリングリーフサークル!」
黒い輝きが周囲を包み込みみるみる壮年男性と青年と彼らを守ろうとした人々の傷が消え去った。
流石! 魔貴族!!
「すごーい! さっすがカイル!! よ! 一流!!」
「いえいえ、テレテレ……というか、こんな調子でエルドス破壊を本当にできるんですか?」
確かに!! 凄い突っ込み!!
「えー、と。まあできると思うわ! 恨みが違うんですもの!」
そう笑うしかない。と、思った瞬間に青年がカッと目を見開いて私の手を掴んだ。
鼻筋の通った中々の美形の青年だけど、ガッと行き成り掴んでくるところが怖い!
青年は青い目を見開き、私を映し込んでいる。
「エルドス破壊……それは本当か!?」




