その後のおまけ 天界の宝珠 2
しかし、父である魔王の手前で椅子に腰を下ろしている人物は金糸の髪の毛に白い羽、しかも瞳まで黄金色という眩しい人物であった。
「眩しっ」
「リリア様、そこは口に出さないでください」
私はあわわと口を両手で塞いだ。
魔王はそれに苦笑をした。
「神王、あれが俺の娘リリアだ」
神王と呼ばれた眩しい人物は振り向くと立ち上がり神々しい笑みを浮かべた。
「貴方がリリア姫か。私は貴方に会いに来た」
「え? 私にですか??」
「そうだ」
神王は頷いて抱いていた黄金の玉を差し出した。
「これは神族の宿る天界宝玉。いま天界で寿命を終えた神族はいない」
つまり先日地上で命を落としたエリスってことね。
「エリス・ウェールズですね」
「そうだ。だが、この宝玉の神族は目覚める気配がないので一番縁が深いリリア姫に合わせればと連れてきたのだ」
「神王が自らですか?」
こういう事っててっきり従者と部下とか他の神族に任せると思ったけれど違うのかしら?
私の疑問を読み取ったらしく神王は微笑んだ。
「神族の誕生に関わることは天界の大事。神王である私が動くことになっている。魔族になられてそれなりの時間が立っているので分かっていると思うが魔族同士の争いはないだろう?」
「はい」
確かに魔族同士の戦いはない。
魔王になろうと決起する魔族もいない。
つまり下克上と言うのがないのだ。
「それは命がほぼ永遠で転生しても魔族は魔族だからだと聞きました」
神王は少し笑った。
「それもある。それに地上のヒューマン族と違って我々は記憶を持って生まれ変わる。つまり日常の眠りは身体の眠り。身体を失い宝玉から誕生するのは精神の眠りのようなものだ。だから、争うということの意味がないのだ」
なるほど、正に永遠の生命だから焦って何かを得ようとすることがないので欲が少ないって事なのね。
「それにこの羽によって力の差がはっきりしているので下克上が出来ないのだ」
「そうなんですね」
「そうだ」
カイルは大きく頷いている。
でも、ここまで詳しく聞いてなかったわよ。
私は心で突っ込んだ。
「それでその宝玉を私の元へ持って来られたのは? エリスだからだと思いますけど」
「そうだ。ただこの中で眠る神族からはもうヒューマン族の魂が消えている。全てが神族のモノになっている」
「それってつまり」
「ああ、精神自体が生まれ変わったということだ。これまでこんな宝玉が誕生したことはない。リリア姫にしてもその魔族と神族混合の羽をもつことも本来はない。リリア姫にエリス。お二人は正に異例尽くしと言うことだ」
そうなのね。
考える私に神王は更に言葉を続けた。
「つまり、リリア姫は魔族であるが、神族でもあるということに厳密に言えばなる」
私は目を見開いた。
「え!?」
そして魔王である父に目を向けた。
魔王は静かに頷いた。




