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裏切られた王妃は魔王の娘に転生して貴方を滅ぼします ~覚悟しててね~  作者: 如月いさみ


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その後のおまけ 天界の宝珠 1

 嬉々として喜んでいたカイルの予想に反して私は回復魔法と防御魔法を覚えるに至らなかった。

「何故」

 がっくりと崩れ落ちたカイルを前に申し訳ない気はするけど、仕方がないと私は半分開き直っていた。


 魔法を覚える能力枠が空いた気がするんだけどその力の回路が入って行っていない感覚があった。

 案の定、私が魔法陣を広げようとしても広がらない。

 つまり魔法が使えない状態だった。


 勿論、破壊魔法は全然使えるんだけど。


 そんな私たちを理解したように父である魔王は私とカイルを部屋に呼び寄せて助言をしてくれたのだ。

「カイル、リリアには魔族の回復魔法と防御魔法ではなく……神族の回復魔法と防御魔法を教えた方が良いだろう」

「魔王さま、それはどういう」

「それでダメなら暫くはこのままと言うことだ。お前の知識は魔族神族の魔法を網羅しているはずだ。出来ると思うが?」

「まあ、はい」


 私はカイルと魔王を交互に見て驚いた。

「カイルはどちらの魔法も使えるの??」

「いえ、俺は魔族ですから魔族の魔法のみですが知識として神族の魔法の知識も持っているということです」

「すっごーーーーい!!」

「いえいえ……テレテレ」


 カイルは咳払いをして更に私に言った。

「魔王さまの助言通りにリリア様にはこれから神族の回復魔法と防御魔法をお教えします。ダメなら……ダメなら……うおー! だめであってほしくなーい!」


 ……カイル心の声が駄々洩れだわ。

 私はカイルと共に中庭へ行くとカイル魔法導師の講義を聞いて神族の回復魔法と防御魔法の練習を始めた。


 相変わらず従者たちの怯えた目が私を捉えていて忍びないけれど、悪いのはカイルだからね!

 私は手に傷を負った従者の傷口に指を近付けた。

「キュアシール!」

 淡い黄金の輝きが傷を包み込んだ。

 そして、傷口はふさがり消え去った。


 カイルはそれを見て目を瞬かせた。

「おや? え? マジですか??」

 私も同じように見つめた。

「え? マジみたい」

 魔族の術の空きはないけれど、どうやら神族の術を代わりに受ける枠が増えたということであった。

 

 私がカイルにしごかれている時に天界から美しく黄金に輝く玉を抱いた神王が地上を通り越して地下の魔王城へと姿を見せた。

 本来、天上と地上。地上と地下。そこを行き交うことはあるが天上から地下へと言うことは殆どない。

 まして、神王が降りてくるということはほぼほぼなかったらしい。


 黒流湖へ空から降りてくる強い黄金の輝きにカイルも私も城の中庭から目を向けた。

「あんなに強い輝き……俺はこれまで見たことがありませんね」

「そうなの? 私もないけど」


 カイルは目を細めた。

「もしかしたら、天界のモノかもしれないですね」

「天界……」

 もし降りてくるとすればエリスとの事だろうと想像できた。

 私はチラリとカイルを見た。

 カイルも同じことを考えたようで頷いた。

「魔王さまに」

 カイルが「聞きにまいりましょう」と続ける前に城の中から従者が姿を見せた。

「リリア様、カイル様、魔王様がお呼びでございます」

 

 私とカイルは足早に魔王の部屋へと向かった。

 巨大で重厚な魔王の部屋の扉を開き私は中に入り目を見開いた。


 父である魔王は黒い髪に黒い瞳をしている。

 顔は少し厳ついが悪くはない。

 

 魔族の多くは暗色系の髪や瞳が多い。

 私は元々がリリア・エルドス・エスターというヒューマン族なので例外なのだ。


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