地上の怖い現状 4
そういうものなんだ。私はてっきり地上の何もかもを手に入れようとするのが魔族だと思い込んでた。その時、扉が開きアルフレッドが姿を見せた。
「黒き聖女と従者よ。お二人の力を見込んで話がある」
「話?」
アルフレッドは深く頷いて私を見つめた。
「実は数年前にエルドスのアレックス王の王妃が王の命を狙って処刑された事件があった」
「え、ええ」
それ私の前世ですわ。
もちろん言えないので頷くだけで私は堪えた。
「エスター王国の貴方と同じ名前のリリア姫なのだが、エスター王国の王と王子と王妃はその王妃のことで賠償としてかなりの財宝を奪い取られていたがずっと王妃は無実だったのではないかと言う疑念を持って我々に気を付けるように言ってくれていたのだが、やはりエルドスのような強大な国との協力関係は大切で我々は妹のルイーナ姫を側室として婚姻関係を結ばせることでその絆を強めようとした」
「そうなんですね」
エスター王国も同じ。
私もエスターとエルドスの同盟関係を強めるために婚姻関係を結び王妃としてエルドスのアレックスの妻になった。
だけど、その結果が。
賠償で財宝を奪い取られたと言っていたけれど……父と母と兄はマランのように襲われて命を落としてないみたいで良かったわ。
きっと、呼び出されても用心をかなりしていたのね。
私は言葉を続けるアルフレッドを見つめた。
「我が父と俺はこう言っては何だが最初こそエスター国王たちが姫を失った悲しみからエルドスを貶めようとしていたのではないかと思ったが、この状態を見れば……間違いなく王妃は無実で殺されたのだと今は思っている」
「全くその通りです!!」
「え!?」
「え、いえ」
「それで黒き聖女が味方であることは100人力だがエスター王国にも助力を頼もうと思っている。彼らも王妃の無念を晴らしたいと思っていると思っている」
「!!」
「この書状を持ってエスター王国の王へ渡してもらいたい」
アルフレッドの書状を手に取り見つめた。かつての父への書状。
「リリアさま」
カイルに名を呼ばれて私は我に返ると頷いた。そうね、大軍勢であのアレックスとエリスを血祭りにあげるのは悪くない。それに私の無実をちゃんと信じてくれていたのは嬉しい。
本当に。
本当に。
無実だから。
お父さま、お母様、お兄さま……私はアレックスにちゃんと尽くしていたわ。決して、エスター王国の名を貶めるようなことはしなかった。




