地上の怖い現状 1
砂漠を西に向かって行くとポツリポツリと木が姿を見せ、やがて、緑の大地へと変わっていく。
マラン国である。
砂漠は世界の中心にあり西側にマラン国があり、東側にローマアーナ国や且つての私の故郷であるエスター国がある。
北にはコーリコスがあり、エルドスは南側にある。
砂漠からマラン国の一番東にある町へ辿り着くと町の人々は王と王子を労り、直ぐに馬車と馬を用意してくれた。
マランの国の王族はどうやら国民にかなり慕われているらしい。
身体を休める宿屋の女将さんに聞くとあっさりと答えてくれた。
「そりゃぁ、もう。王様や王子様は我々の生活のために道や町を整備してくれますし、何か災害があった時には訪れて支援をしてくれますからね。どの町へ行っても王様や王子様の陰口を聞いたことはありませんよ」
「そうなのね」
そう言う国を一発と思っていた自分を少し反省したわ。
でも。
「あの二人には恐怖を味あわせたいわ。そうね、マランは味方にしてローマアーナね!」
「まだ、そんなことを」
「カイルは黙ってて」
「はいはい」
マランの王城は街ごと城壁に囲まれた王城都市となっており、入口は二か所しかなかった。王城入口へと続く東の門。その門をくぐると大きな道がドーンと伸びており、立ち並ぶ家々の空間を抜けると王城前には大きな広間があった。
マラン王とアルフレッド王子と兵士たちと共に東門の驚く門番を見た。何故か、門番はエルドスの兵士であった。
マラン王は兵士を睨んだ。
「何故、この門の守りにお前のようなエルドス兵がいる」
エルドスの兵士は剣を構えた。
「まさか……王と王子が……生きて戻るとは」
つまり、砂漠で死んでいるはずって事ね。
私がそう心で呟いた瞬間にエルドスの兵が足を踏み出し切りかかってきた。
私とカイルが構えた瞬間に王と王子がすっと手で止めた。
マランの兵士も剣を構えた。
先はエルドス兵の数も多かったけれど、門番は二人。
そして彼らはマラン王と王子を守る近衛兵である。
私の手を出すところじゃないってことね。
彼らは直ぐにエルドスの兵を捕えた。
但し、門番がエルドス兵と言うことは王城都市できっと良くないことが起きている。
私はカイルを見ると小さく告げた。
「用心が必要ね」
「確かに、中は占領されている可能性がありますからね」




