ローマアーナの娘 3
それにマラン国でも感じたけど、このローマアーナも市井の女性がこれほど王女の心配をするってことは国内は安定しているってことね。
だけど、私はローマアーナにドカーンと一発って考えているのよねー。
「その、普通は王城にも医師がいると思いますけど?」
「それが、医師にも原因が分からず……手当てをする方法も無くて……それで旅人なら他の国を回っているので知らぬ治療法があるかもしれないと思って声をかけさせていただいたんです」
「そうなの……」
「ここで剣のように一刀両断できないのがリリア様の悪いところと言うか……お断りしないんですよね?」
「何か言った? カイル」
「いえ」
分かっているわよ。
突き放して知らないって言えばいいんだけどね。
でも……まあローマアーナはエルドスじゃないしマリナ王女はエリスじゃないし、私が甘いわけじゃないわ。それに城に侵入出来たら城の兵士の数も分かるし内部から一発で済ませられるわ。そうそう、私は魔王の娘ですもの! ローマアーナを崩壊させるにも敵を知らないとね! そしてそのローマアーナが一発ドカンされたとを聞いて恐怖に震えるアレックスとエリスをぎったんぎったんにしてエルドスをぶっ壊すのよ! その為に地上へやってきたんだから目的は忘れていないわ。
「役に立てないかも知れないけれど見るだけは見るわ」
「ありがとうございます!!」
「はぁ……リリア様、崩壊が手助けですか」
「カイル! 黙って付いてきて」
「わかりました」
私は女性に連れられて王城へと向かうことにした。通常はこんな素性の分からない旅人を簡単に王城に入れたりはしない。やはり、何と言っても王が住む建物である。盗賊だ。敵国の暗殺者だ。などなどそういう余所者が王族を害することがあってはならないからである。
なのに、こんな旅のどこの骨ともわからない人間を城へ入れるくらいなのだから本当に王女の容態が悪いのだと分かる。正に猫の手も借りたいということなのだろう。
それでも一応、城へ入る前に身体検査はある。
私は腰にしていた細身の剣を兵士に渡し、軽く身体に武器を隠していないかを調べられた。カイルも同じように両脇に下げていた剣を渡して身体を調べられた。
と言っても私もカイルも主力は魔法なのでパンパンと身体を調べられて武器を奪われてもまったく問題はないんだけどね。
私はその後、従者である女性に王女の部屋へと案内された。
ローマアーナは強国で城は大きく、エントランスには入る人を圧倒するような調度品や眩い魔法球が置かれていた。
廊下も天井が高く絵画や彫刻があちらこちらに施されて長い廊下がスーと伸びていた。
私はカイルと従者の女性の後について進み、城の二階の角にある王女の部屋の前へと訪れた。
城の中は王女の状態がかなり悪いのか兵士も覇気がなく表情も重々しかった。




