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雨のち、英雄  作者: 水瀬 美空
第4章 旅のはじまり
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第36話 旅のはじまり

読んでくれるとうれしいです‼️

試験が終わってから数日後、合格認定書を受け取る日になった。ヴィンセントは試験会場に行き、サマンサたちを見つけて一緒に時間まで待っていた。ヴィンセントはリヴィアを探したが姿は見えず、来ないのかな…と思った。その瞬間、リヴィアがギリギリに来て、すぐに授与式が始まってしまったため話すことはできなかった。

今から合格認定書を授与する―

合格者が、順番に合格認定書を受け取っていった。全てが終わり、受験者が帰っていく中、サマンサやアヤナに「早く行ってきなよ」と背中を押され、ヴィンセントはリヴィアのところに行った。ヴィンセントはものすごく緊張していたが、「答えは決まった?」と、そう聞いた。すると、リヴィアは「………このあと時間ある?」と聞いてきた。ヴィンセントは「あるよ」と言うと、リヴィアは「ついてきて」と言った。理由も分からずただリヴィアの後をついていくと、小さな村が見えた。リヴィアはゆっくりと話しだした。

「私、この村に住んでたんだけど小さいとき魔獣に襲われたことがあって、そこである人に助けてもらったんだ………ヴィンセントはなんで師匠を探してるの?」そうリヴィアは言った。リヴィアが突然、自分の過去を打ち明けてくれたことにヴィンセントは驚いた。と同時に、自分はまだ旅の目的をちゃんと伝えていなかったことに気づいた。

「僕が旅に出ようと思った理由はね――」

ヴィンセントは自分の過去を語り始めた。

「僕は落ちこぼれだったんだ…(少し照れくさそうな顔で言う)そのせいで、自分は魔法を使えないと思ったんだよ……。

でも、僕を見放さないで魔法を教えてくれた人がいた。その人は師匠になって、たくさんのことを教えてくれた。でも、ある日、急にいなくなっちゃったんだ。それで、星空の魔法で未来を見たら死んじゃってて………」と、とても悲しそうな顔で言うヴィンセントを見て、リヴィアは「いつ死んでしまうの?」そう聞くと、ヴィンセントは今からで考えるとあと、

「5年」だよ。それを聞いたリヴィアは「そう……」

と言った。「でも僕の師匠は謎が多くてさ、師匠を助けるために旅をしているんだけど……今は情報集め中かな…」とヴィンセントが言った。

その後、黙り続けるリヴィアを見て、ヴィンセントは「その助けてくれた人を探しに行かないの?」と聞いた。リヴィアは少し黙ったあと、「どこにいるのかも分からないのに見つからないよ…」と言い、だから私は旅に行く目的もないし一緒に旅には……と言うと、

それを聞いたヴィンセントは真っすぐリヴィアの目を見て、「本当に探しに行かなくていいの?」そう聞くとリヴィアは「探しに行きたくないわけじゃないよ。でも何の手がかりもないのに探すなんて不可能でしょ。それにもう、探しに行ったこともあったんだよ。でも見つからなかった。」という言葉を聞いてヴィンセントは「前は上手くいかなかったからといって次も失敗するとは限らないよ……それに、今動かないと未来は何も変わらない。だからこそ手遅れになってから後悔するより未来を変えるために今できることをしたいんだ。師匠のように……(懐かしそうな顔で言う)。

…僕はそんな旅をしているよ。」と、どこか寂しげに、けれど確かな温もりを込めて言った。

その言葉を聞いて、リヴィアは思い出した。助けてもらった日のことを。その恩人も「諦めなければ未来はいくらでも変えられる」と言っていた。それにやっぱり似ていた。ヴィンセントが使う魔法が、あのとき助けてくれた人の魔法に……。(助けてくれた人とヴィンセントの師匠には何か関係があるのかもしれない)

リヴィアの頑なだった心が、ヴィンセントの放つ言葉によって少しずつ解きほぐされていく。

「私が旅について行ったら探すのを手伝ってくれるの?」と聞くと、「当たり前でしょ」とヴィンセントは言った。



リヴィアは「………分かった。私も行くよ(この人を信じてみたくなった。)」

次の投稿は水曜日の21時です!

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