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雨のち、英雄  作者: 水瀬 美空
第3章 試験と出会い編
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第25話 双子と残されたメッセージ

今回はちょっと頑張りました!!

ぜひ読んでくれるとうれしいです。

あ、見て! あそこの大きい木の根っこ、宝箱じゃないか!?サマンサが声をひそめながら嬉しそうに指をさした。たしかに、草むらに隠れるみたいにして、古びた木箱が置かれている。この山で行われている3級魔法認定試験の、第二次試験。その合格条件の宝箱が、やっと目の前に現れた。本当だ! よし、俺が取ってくる。待って、ヴィンセント。動いちゃダメ。駆け出そうとしたヴィンセントの肩を、アスナが横からつかんで止めた。その手が、少し震えている。え、、?? アスナ?最初はおどおどしていた、双子のアヤナとアスナ。だけど、今の二人の目は、急に真剣になって目の前の空間を見つめていた。よく見て、ヴィンセント。宝箱の周りだけ、落ち葉の形が不自然だよ。それに あの上の方の枝。空気の見え方がそこだけ歪んでいるでしょ?アヤナが指さす先をよく見ると、太陽の光に反射してきらきら光る、すごく細い魔力の糸がいくつも張り巡らされていた。これ、普通の罠じゃないよ。もの凄く細かくて難しい星空の魔法の結界術式。うっかり近づいたら、空間ごと切り裂かれちゃう仕組みになってるよ、、、。アスナの詳しい説明を聞いて、サマンサは息をのんだ。ちょっと待てよ、なんでお前たち、そんなことまで分かるんだ? ヴィンセントとサマンサは違和感を感じていたため、そう聞くと、双子はビクッとして、下を向いてしまった。アヤナが自分の服をぎゅっと握りしめて、消えそうな小さな声で言った。私たち実は星空の魔法のエリート一族なの。私たちの一族では、星空の魔法を使えるなんて当たり前なの。でも、一族の中で私たちだけ、未来を予知する力が全然使えなくて。出来損ないだって、ずっといじめられて追放されたの。だから、2人に嫌われるのが怖くて、言えなかった、、ごめんなさい、ぽろぽろと涙を流し始めるアヤナ。未来を予知できない。それは、ヴィンセントと同じ、「落ちこぼれ」という意味だった。でも、一族の古い歴史書で、この結界の形だけは、本当に死ぬほど勉強させられたから、読めるの、、、アスナは震える手で、空中の魔力をなぞっていく。だけど、その手を途中でピタッと止めて、二人は同時に目を見開いた。うそ、、信じられない、、2人がそう言った。どうしたんだアスナ!?サマンサが身を乗り出す。双子はびっくりした顔で、結界に刻まれた文字を読み上げた。これ、敵を倒すための罠じゃない。ある特定の人が来るのを、何百年もここで待ち続けていた魔法だよ。ここに、メッセージが書いてある。アスナの声が震える。「いつか、晴天の魔法が使えず、落ちこぼれだと言われたが誰よりも優しい雨を降らすことができる少年がここへ来る。その時、星の落ちこぼれたちよ、彼の進む道を照らしてあげてくれ」

え? ヴィンセントの心臓が、ドクンと大きく跳ね上がった。

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