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覚醒のオーバーロード  作者: Haru
第二章 時の支配者(クロック・ルーラー)編
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CHAPTERⅡ.見えざる悪意-7

7.



急いで階段を下る。

すでに時計は17時30分を過ぎていた。夏の日差しは留まることを知らないが、それでも影を長く伸ばすほどには日は沈みかけていた。

「どうしてこんな・・・・・・っ!」

僕は何が起きたのかまるで理解出来ていなかった。つい先程まで悪態をつきながらも会話を交わした相手だ。現実感をまるで感じられなかった。


「大地!」白彌くんが呼び止める。「プールの方・・・・・・妙な気配を感じる」

「妙な・・・・・・!?」僕はプールを凝視する。目立った変化はなかった、しかしその直後プールを囲むフェンスに歪みが生じたかと思えばプールの水面を波が走り強い風圧を浴びせた。

「白彌くん!あれ!」

「ああ、行くぞ!大地!」


「「ライズアップ!アドベント!!」」


《ルナティクス・オーバーロード!!》


激しい地鳴りと眩い光と共に巨人が姿を現す。

だが巨人は立ち上がると同時に胴体に衝撃を受け怯む。

『やはり、透明化の能力か・・・・・・!姿が見えない!』

プールの水面を蹴るようにプールサイドに大きな足跡が現れると無数のヒビを走らせ、その形を歪にさせる。

足跡はやはり特徴的で爬虫類のそれを思わせた。

(透明化・・・・・・いや、光学迷彩?それとも・・・・・・)

僕は必死に思考を巡らせ、見えない敵と相対するルナティクスを見つめる。しかしやはり、どれだけ考えても結論は出てこない。

「・・・・・・あぁっ、もう!僕は化学は苦手なんだ!」

しかし、星座に位置し、さらに透明になれるもの、あるいはそれに近いイメージや性質を持つもの、そう考えた時に何となく考えていた答え。

「白彌くん!たぶんそいつはカメレオンだ!カメレオン座のオーバーロード!」

当てずっぽうでもいい、今はなにか打開策のきっかけさえ掴めればそれでいい。何をおいても成すべきは、元凶であるあのオーバーロードを倒すことだ。

『カメレオン・・・・・・!?そんなのまで星座になってんのかよ!』

「姿を消す原理は全く分からないけど、それでもあの足跡は爬虫類っぽさがあった!きっと間違いないよ!」

『まぁいい。姿が見えないなら見えないなりの戦い方ってやつをするまでだ』


《ルーンバレット》!!


ルナティクスの手に半月を模した形状の銃が収まり、その銃口に光の粒子が収束していく。

ルナティクスは照準を定めトリガーに指をかけその引き金を引く。

『ムーンショット!!』

銃口から放たれた無数の光弾は弧を描くようにその一点へと向かっていく。

いくつかの光弾がプールの水面にあたり激しい水飛沫をあげる。そして水面に当たらなかった光弾はまるで意思があるかようにうねり、方向を変える。

水飛沫がその怪物の姿を映し出していた。


「見えた!・・・・・・うわぁっ!?」


瀑布を思わせるほどの轟音が校舎に響く。

プールを囲むアスファルトが崩壊し水がこぼれ落ちていく。

《ヤツは!?あたったのか!?》


足下が崩壊しバランスを崩した僕は落ちていく瓦礫に捕まろうと手を伸ばす。「うあっ!?」けれどその手は届かず空を掻く。高さは無い。しかし瓦礫に飲まれればタダでは済まないはずだ。

これから訪れる激痛を想像し目を瞑る。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?あれ、なんともない?


《大丈夫か?大地》

「白彌くん!ありがとう・・・・・・」

ルナティクスの掌に乗せられ、もう片方の手で屋根をつくり瓦礫から僕を庇ってくれていた。

「オーバーロードは!?」

瓦礫の山と成り果てたプールにはなんの気配も感じない。

一瞬だけ見えたオーバーロードの形はやはり爬虫類のようで、しかしその姿までは目視できなかった。やはり、透明化の能力のようだ。

だとしたらまだこの近くにいるかもしれない。

僕と白彌くんは警戒を強める。

「・・・・・・どこに・・・・・・」


警戒はしていた。油断など二人ともしていなかった。


だがルナティクスは胴に攻撃を受け瓦礫の山にその身体を打ちつけた。


長い舌が見えた。

これまで完全に姿を隠していたオーバーロードが僅かにその形を覗かせた。

「やっぱり、カメレオン座のオーバーロード・・・・・・でも、」完璧な擬態を果たしていたはずのオーバーロードの透明化が不完全になっている。そんな気がした。一体なぜ・・・・・・。


舌が勢いよく口元に戻るその刹那、そこに僅かな被弾痕があるのがわかった。

僕の脳裏に数日前の記憶が蘇る。


コーマオーバーロードの攻撃を防いだルミナスアークの光。そして、赤井先輩の呪縛を解いたあの光。それがもしもルナティクスと同じルーンの力を持つ光だとしたら、もしかして・・・・・・。


「白彌くん!僕をあのオーバーロードの元へ飛ばして!」

僕は、瓦礫に埋もれるルナティクスに向かって叫んだ。

《・・・・・・!?何を言ってんだ大地!突然どうして》

「いいから!もしかしたらあいつの透明化を解くことが出来るかもしれない」

《!本当か!?・・・・・・だがどうやって》

「ルミナスアークをアイツにぶつける」

《ハァ!?》

お久しぶりです。

マジで久々の更新です。早くこの話を終わらせてあげたい。。。

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