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第六話「別れと旅立ち」

 こんにちは、オロボ46です。

前回は盗賊登場、そして退場したところでしたね。

それでは、どうぞ。

「ふうぅ......助かったよ......」

私はカズヒロくんと共になんとかメガネのおじさんを助けだした。

その手はとても冷たかった。

「......」

離れたところからヤヨイちゃんはじっと見つめていた。


"大人には......正体を知られたくないから......"


 私はこのおじさんにもヤヨイちゃんの温もりを知ってほしかったけど、

ヤヨイちゃんの言葉を思い出すと口に出すことはできなかった。




「しかし......あの落とし穴はひどいものだったよ......」

メガネのおじさんは落とし穴の中を見て呟いた。

「......」

私は口に出すことができなかった。


 落とし穴の中には骸骨がいくつか埋まっていた。


「かわいそうに......盗賊に殺られたんだね......」

ヤヨイちゃんはその中の一つを手に取り、見つめていた。

「盗賊の一人が怪我をしなかったら、僕たちもこうなっていただろうな......」

カズヒロくんは何とも感じないように言っていた。

「......? ねえ......これ......」

ヤヨイちゃんは大きい箱のような物を取り出した。




 箱のような物は撮影用のビデオカメラだった。

もう氷付いて、撮影することはできなかったはずだ。

「このマーク......QQQ(スリーキュー)チャンネル!?」

ビデオカメラを見たメガネのおじさんが発言した。

「QQQチャンネルって、もしかしてお前が見たテレビか?」

私はメガネのおじさんに聞いた。

「ああ......その番組のチャンネルのはずだが......

でもおかしい、こんなところにビデオカメラがあったらあの番組が......」


「もしかして......」

話を聞いていた私は思わず呟いた。

「ねえ、おじさん。その番組はここまでカメラが写っていた?」

「いや、遠くから見える位置まで見てなかったが......」

「やっぱり......きっと最初はここまで撮るつもりだったんだよ。

だけど、カメラマンがあの盗賊に襲われて......」

「かめら......まん......?」

ヤヨイちゃんは首を傾げた。

「撮影をしていた奴だろ」

「さつ......えい......?」

「ああ......そうか......こいつ街のことは全然知らないのか......」

カズヒロくんが補足してくれている間、私は話を続けた。

「一度撮影を中断した後、別のカメラマンを連れてもう一度撮影に来た......

それがあの......」

「放送された映像ってことか......

つまり、実際には謎なんてといてなかったってことか......」

そう言って、メガネのおじさんは落胆した。


 結局、最後の暗号を解く鍵を見つけたと言っていた

メガネのおじさんの仮説もおおハズレで終わった。

「やっぱり......みんな考えるか......」

「気がすんだか? これにこりてもう......」

「いやっ!! 僕は諦めない!! 今度はここから南にあるミイラの謎を追うぞ!!」

「......」

カズヒロくんはあんぐりと口を開けた。

それを見ていた私とヤヨイちゃんはクスクスと笑っていた。




「いやあ......君たちに助けられたよ。ところで、君たちの名前は?」

洞穴の中、メガネのおじさんは私たちに名前を尋ねた。

「あたし......ヤヨイ......」

「僕はカズヒロだ」

私も二人に続いて名前を言った。

「私、サナエ!!」

「サナエ......?」

メガネのおじさんは何かを思い出したように私を見つめた。

「......どうしたの?」

「これは噂なんだけど......

ここからずっと北にある街の付近で捜索隊が出ているんだ。

裕福な商人の娘で......確か名前が......サナエ......」

「!!?」

私のお父さんは、捜索隊に依頼できるほどの財産を持っていた。

「お父さん......」

「それじゃあ......サナエちゃんのお父さんが探しているんだね......」

ヤヨイちゃんはそう言って私を見た。

「......どうせここまで来るわけないさ。

いくら捜索隊だって盗賊にはかなわない。せいぜい街の付近で探しているだろ」

カズヒロくんは諦めているようだった。

「僕も出来れば連れて行きたいけど、かなり遠いから......」

「あたしが......連れていく......」

ヤヨイちゃんは静かに、だけどはっきりと言った。


「本当!?」「嘘だろ!? こんなガキの為にか!?」

私とカズヒロくんは驚いてヤヨイちゃんを見た。

「うん......サナエちゃんの家族の元に届けてあげたいから......」

そう言ってヤヨイちゃんは私の手を握った。

「そうか......それならここでお別れだね。

ちょっと待ってて......よし、これを渡しておくよ」

メガネのおじさんは地図をくれた。

「ここに印をつけておいたからそこに向かうんだ」

その印がついた街は、私が家族と一緒に向かっていた街だった。

「結構長い旅路になるけど頑張るんだよ。それでは、さらばだっ!!」


 メガネのおじさんは洞穴から去って行った。

私とヤヨイちゃんは後ろ姿を見て手を振った。

おじさんは振り向いたと思うと、手を上げて笑顔を見せてくれた。




 それから一夜が開けた。

「まったく......本当にわからないな......牛女は......」

カズヒロくんはトラバサミや食料の準備をしていた。

「カズヒロくんもついてきてくれるんだね......ありがとう......」

ヤヨイちゃんは矢筒に矢を入れていた。

「ぼ、僕は別にそんなつもりじゃない。

ただ、お前たちについていけば都合がいいだけだ」

カズヒロくんは少し恥ずかしそうに言った。


「ヤヨイちゃん、本当にいいの?」

私はヤヨイちゃんに聞いた。

「うん......あたしもこの辺りしか歩いていなかったから......

もっと遠くにも行ってみたかったの......」

「ありがとう!! ヤヨイちゃん!! カズヒロくん!!」

「だ、だから僕は......」

「それじゃあ......そろそろ行こっか......」




 ヤヨイちゃんとカズヒロくん、そして私の三人は洞穴の外へと一歩踏み出した。


 外には氷ついた世界が広がっている。

これまでも、そしてこれからも......


 私は、ヤヨイちゃんの手を握って外の景色を眺めていた......

 いかがでしたか?

六話にしてようやく旅が始まった感じですね。

次回もお楽しみに!

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