第十二話「ヤヨイと研究者」
こんにちは、オロボ46です。
前回はヤヨイちゃんがアイドルの手を握って別れましたね。
それでは、どうぞ。
「そろそろ疲れたね......休憩する......?」
ヤヨイちゃんが立ち止まって言った。
「うん、私も!」「意義なし」「サクサク~」
私たちはその場で休憩することにした。
周りは木で囲まれており、どうやら森にいるようだった。
「そう言えば生で木を見るのは初めて」
私は周りの木を見て言った。
「外の世界もだんだん寒さに強くなってきたからな......」
そう言ってカズヒロくんは立ち上がった。
「このあたりにはキノコがあったはずだ。偵察ついでに探してくる」
「サクサクサ?」
「おっと、こいつも連れて行こうか。
この前見たいにお守りになるかも知れないからな」
カズヒロくんはユキちゃんを連れてどこかで行ってしまった。
「ねえ......サナエちゃん......」
私がヤヨイちゃんの温もりで暖まっている間、ヤヨイちゃんが口を開いた。
「サナエちゃんは......あたしのことをちっとも怖くないんだね......」
「そう? どうして怖いのかわからないけど」
「うん......それならいい......」
ヤヨイちゃんは、どこか思い詰めているような表情だった。
「あれ、 カズヒロくん? 早かったね」
カズヒロくんとユキちゃんが誰かを連れて戻ってきた。
その誰かは中年女性だった。
足をケガしているらしく、引きずりながら歩いている。
「ちょっとこのババアが倒れていたからな......ひとまず戻ってきただけだ」
カズヒロくんは説明した。
「あ......」
ヤヨイちゃんはおばさんを見て固まった。
おばさんは私を見て笑顔を見せていたが、
ヤヨイちゃんを見ると驚いたような表情になった。
「あなたは......841......?」
焚き火を起こして、ヤヨイちゃんはおばさんの手当てをしていた。
「ありがとう......ずいぶん成長したのね......」
「......」
ヤヨイちゃんは黙ったまま笑顔を見せていた。
「ねえ、二人は知り合いなの?」
私は二人に聞いた。
「うん......昔......世話になったの......」
そう言いながらヤヨイちゃんは焚き火の上にある鍋を見つめていた。
鍋には数種類のキノコがお湯と共に浮かんでいた。
「坊や、よく知っているね......」
おばさんはカズヒロくんに言った。
「まあな......外の世界のキノコはお湯で煮でると色が変わる......
だが、毒を持っているものは色が変わらないんだ」
すると、ユキちゃんは急に誰もいない方向を見て何かを呟き始めた。
「サクサクサク。サクサクサクサ~
(これはあくまでも"ふぃくしょん"です。よいこはまねしないでね)」
「ユキちゃん、どうしたの?」
「サク?」
ユキちゃんは何をしていたのか解っていないような目で私を見た。
焼きキノコを食べながらおばさんは説明してくれた。
「私はね、研究者なの。
街の外の生態を調査していたんだけど、動物に襲われちゃって......」
「それで足を怪我したんだ......」
ヤヨイちゃんは悲しそうに研究者のおばさんの足を見ていた。
「でも、あなたにあえてよかったわ......こんなに大きくなって......
ところで、この子たちは?」
「あ......えっと......実は......」
ヤヨイちゃんは私たちのことを説明してくれた。
「そうだったの......この女の子の為に街まで連れていくなんて......
私も手伝いたいけど、どうしてもある動物を調査しないといけなくて......」
私はその動物が気になった。
「どんな動物なの?」
「"クサリクイクマ"......ハイエナやハゲタカのように
死体を食べて生きている熊のような生き物よ。
クサリクイクマはいろいろな病気の抗体を持っているわ」
「抗体って確か......病気をやっつけるんだよね!」
「ふふ......物知りなのね......私はその抗体の研究がしたいの......」
研究者のおばさんの説明を聞いていると、ヤヨイちゃんは決心したように発言した。
「......あたしも手伝わせて」
「え......?」
「今まで世話になっていたから......そのお返しをしたいの......」
ヤヨイちゃんは先生の目を見て言った。
「だいたい予想はついていたが......僕も行かせてもらおうか」
「私も!!」「サクサク~♪」
「みんな......本当にいいのね?」
私たちは頷いた。
その夜、私たちは野宿することにした。
ここは洞穴ではないので、一人ずつかわりばんこに見張りをすることになった。
「う......うーん......」
私は夜中で目が覚めた。
その時見張りをしていたのは研究者のおばさんだった。
「あら? 起きちゃったの? 交代までもうちょっと時間があるけど......」
私はもう寝る気にもならなかったので、しばらく話をしようと思った。
「ねえ、ヤヨイちゃんとはどんな関係なの?」
「ヤヨイちゃん......? ああ、この子の名前ね......
841......いい名前ね......」
研究者のおばさんは懐かしそうにヤヨイちゃんの顔を見た。
「この子......とても暖かいでしょ?」
「!!? おばさん、知っているの!?」
私はびっくりして研究者のおばさんを見た。
「ええ、もちろんよ」
「ウォームスだってことも?」
研究者のおばさんはにっこりして頷いた。
「この子は......本当に純粋だった......
いえ......ウォームスだったから、純粋すぎたのよ......」
「おばさん、私......ヤヨイちゃんのこともウォームスさんのことも
よくわからないの。だから......」
「私に教えてもらいたいの?」
私は頷いた。
「......とても悲しいことだけど、それでもいいの?」
「うん。覚悟はできているよ」
研究者のおばさんは「そう......」と言ってため息をついた......
いかがでしたか?
次回......ウォームスとヤヨイちゃんの真実が明らかに......?
次回もお楽しみに!




