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第十話「共食い......?」

 こんにちは、オロボ46です。

前回は二人の男女を助けたところでしたね。

それでは、どうぞ。

 私たち三人は、傷だらけの男女を連れてすぐ近くにあった洞穴へ入った。

ヤヨイちゃんが焚き火の準備をして、私とカズヒロくんは二人の傷の手当てをした。


 私は女の子の方の手当てをしているうちに気がついた。

「この人......"ウィースちゃん"!?」

私の声に男の人が反応した。

「君は......ウィースちゃんを知っているのか!?」

「うん、テレビで見たことあるけど......」

「他の......二人は?」

男の人はヤヨイちゃんとカズヒロくんにも聞いた。

「知らねえよ......」

「あたし......テレビもよくわからないから......」

「そうか......僕は彼女のマネージャーさ......」

「まねえ......じゃあ......?」

ヤヨイちゃんは首を傾げた。

「有名な人をサポートする人だよ!」

私は横から補足した。

「その通りだ......僕は職業柄、この子のことを話したいのだが......いいかね?」


 私たちが頷くと、マネージャーは急に元気になったように立ち上がった。

「この子はウィースちゃん。歌と踊りでみんなに温もりを届けるアイドルさ!

そこの君ならウォームスという牛のこと知っているだろう?

街に温もりを与えるウォームスのように、ウォースちゃんは日夜......」




「サクサク......?」

お腹の上にユキちゃんが乗っているのに気づいて目が覚めた。

「あ! 可愛い!!」

知らない女の子の声がしたと思うと誰かがユキちゃんを持ち上げた。

「こら! ウィースちゃん、危ないよ!?」

「いや、大丈夫だ。こいつはある人に譲ってもらった。人に慣れている。」

マネージャーとカズヒロくんが話をしていた。

「話の途中で寝ちゃってたけど......大丈夫......?」

ヤヨイちゃんは心配した目で私を見てくれた。

「うん、とっても......」

話が退屈で眠くなった。

なんて言えるわけなかったのでこれ以上言わなかった。


「あなたがサナエちゃんですね......

あの、私......歌と踊りで世界に温もりを届けるウォースです!

このたびは本当にありがとうございました!」

ウィースちゃんは純粋な目で私を見ていた。

あまりにも見つめてくるから、私はどうすればいいのか混乱した。

「あ、あの! えっと......サインください!」

私は、とっさに思い浮かんだ言葉を叫んだ。

「サインですね! わかりました!」

そう言ってウィースちゃんはサイン用紙とペンを取りだし、書き始めた。

「はい! どうぞ!」

私はサイン用紙を受け取った。

「あ、ありがとう!!」

「うん! これからもウィースをよろしくお願いします!」

そう言ってウィースちゃんはペコリと頭を下げた。





「ところで......どうしてあんなにボロボロだったんだ?」

カズヒロくんはウィースちゃんとマネージャーに訪ねた。

「襲われたんだ。盗賊にね」

マネージャーは少し暗めな雰囲気で言った。

「実は......私たちは新曲のプロモーションビデオを撮りに来ていたんです」

「ぷろも......しょん......? びで......」

「いちいち説明すると面倒だから後にしてくれ。二人とも、話を続けて」

「はい、それで......撮影場所まで行く道で襲われたんです......

他のスタッフとも離ればなれになってしまって......」


「そこで頼みがあるんだが、君たちに用心棒の仕事をしてもらいたい」

マネージャーは改まった様子で私たちに話した。

「用心棒って......つまり......護衛すればいいんだね......」

そう言って、ヤヨイちゃんは私とカズヒロくんを見た。


 カズヒロくんはどうにでもいいようにそっぽを見た。

私はこの二人を助けたかったから、じっとヤヨイちゃんの目を見た。

「わかった......力になれるなら......」

ヤヨイちゃんは二人に言った。

「本当ですか!? ありがとうございます!!」

そう言ってウィースちゃんはペコリとお辞儀した。

「結局はこうなるんだな......まあいい、

丁度食材を手に入れたところだ。二人にも振る舞ってやらないとな」

そう言ってカズヒロくんは、調理の支度を始めた。





 今日のメニューはウエナシヒツジのタタキと

ノドユキウサギのマシュマロだった。

「えっと......どうして肉がマシュマロに......?」

マネージャーは首を傾げた。

「気にしたら負けだ......と言いたいところだが、

ノドユキウサギの肉を焼くとマシュマロのように柔らかくなるんだ。

栄養分はまったく変わらないが、生で食べると消化しにくいからな」

そういいながらカズヒロくんはマシュマロを食べ始めた。

「このタタキ......とても美味しいです!」

「うん! とっても美味しいよ!」

ウィースちゃんはと私はタタキを食べながら会話していた。

「お食べ......」

ヤヨイちゃんはユキちゃんにマシュマロを食べさせていた。

「サク~♪」

ユキちゃんはマシュマロをモグモグと食べ始めた。


「共食い......?」

私はつい呟いてしまった。

「え......?」

ヤヨイちゃんがこちらを向いた。

「ううん、何でもないよ」

私は少し恥ずかしくなった。

 いかがでしたか?

カズヒロくんの料理はたまに登場します。

次回もお楽しみに!!

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