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4話 アテルイとモレちゃん(2)

なんと黒石のモレとは毛深そうな大男をイメージしとりましたが全然違うと言うか別人。


うーん、同姓同名とか父親が実は同じ名前で有名な方とかなのかな。

よくわからないけど、まだ何もしてない時にあなたが有名なモレですかなんても聞けないし…。


「アザマロ殿から話は聞いた。まさかアザマロ殿がそこまで蝦夷、いやアラハバキの民の事を思ってくれていたとは思わなかった」


アテルイが続けて言う。


「アザマロ殿はてっきり道嶋殿達と同様に朝廷側の人間だと思っていました。この数年間朝廷と蝦夷との間に立ってさぞ苦労されたでござりましょう」


ふーんなるほど。そういう苦労をしてきたわけなのか。

確かに朝廷の信頼も厚いのに謀反人のウクハウなんかも庇っちゃって良い人なのかもね。


「今、朝廷側は内部に大きな問題を抱えており蝦夷討伐に割ける力は無いと思います」


おっと、ここでモレちゃんが出てくるのね。もしかしてやっぱり参謀のモレ本人!?

おれは朝廷側の動向なんてさっぱりわからないからちょっと聞いてみる事にした。


「今の光仁天皇こと白壁王は事なかれ主義をずっと通してきたお方、高齢にして政権内部の争いが絶えない今とても東征などできる人ではございませぬ」


あら、こりゃ詳しいぞ。半端じゃないなこの女。

「モレ殿は随分とお詳しそうですね」

ちょっと恐縮して聞いてみた。


アテルイ曰くモレは出羽へと来る大陸からの書物を読み中央政権の情報にも精通しているとの事。大陸との交易は本来福井県あたりの港でやってるそうだが流されてよく秋田山形らへんまで船が来るらしい。


確かに現代でも不審船なんかが東北日本海側によく漂着してるしね。


今の朝廷の情報をちょっと整理してみると

先代の天皇が亡くなって急きょ天皇になったのが白壁王こと光仁天皇という人らしい。

天皇にも系統があるらしく久しぶりの天智天皇の系統という事。おれにはそれがどういう事なのかはよくわからない。


今の朝廷の権力者たちは皆高齢であり藤原永手や吉備真備らも皆死んでしまっている。

何より光仁天皇は天皇家の争いに巻き込まれたくなくて昔から酒を飲んで知らんぷりをして生きてきたらしい。それが後継者がいなくなったため急きょ繋ぎで62歳にも関わらず天皇にされてしまったとの事。


しかも天皇になった後やっぱりいろいろ巻き込まれて皇后や皇太子が失脚させられたりと、とにかく朝廷内部は権力争いでドロドロの状態だそうだ。


モレの話を聞くとなんか今が一揆をを起こすチャンスに思えてきた。

というかモレは蝦夷が独立するなら今だと考えていたのかもしれない。

おそろしい女。(でもかわいい)


「して、具体的に策はあるのか」

ウクハウは闘いたくてしょうがない様である。よっぽど朝廷に恨みがあるらしい。


「策ならありまする」

ここだっ!というタイミングでおれは会話に割り込んだ!

何せWIKIで調べたのだ間違いない。暗殺計画を提案して一気に軍師になってやる。

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