第23話 断罪夜会、開幕
王宮夜会の日が来た。
鏡の中のわたくしは、少しだけ知らない顔をしていた。
ドレスは深い薔薇色。
以前のミリアなら、きっともっと派手な赤を選んだだろう。
王太子殿下の婚約者として誰よりも目立つために。
自分の立場を見せつけるために。
周囲に「わたくしこそが殿下の隣に立つ者」と知らしめるために。
けれど今日の薔薇色は、少し違う。
母が選んだものだ。
「あなたが悪役ではないと示すために、白や淡い色で弱々しく見せる必要はないわ」
支度の時、母はそう言った。
「堂々となさい。自分の色を着なさい。悪意のない赤もあるのだと、見せてやればいいのよ」
母らしい言葉だった。
父はその横で「綺麗だ」と言ったあと、胃薬を飲んだ。
褒め言葉と胃薬が同時に出る家。
ロゼリア公爵家は、今日も人間味に満ちている。
「お嬢様」
リタが、髪飾りの位置を最後に整える。
小さな真珠と薔薇を模した銀細工。
派手すぎず、けれど視線から逃げない装い。
「苦しくありませんか」
「ドレスは苦しくないわ」
「では、心は」
「少し苦しいわね」
「正直でよろしいかと」
「あなたに隠しても無駄だもの」
「はい」
リタは淡々と頷いた。
それから、ほんの少しだけ声を柔らかくする。
「怖いですか」
「怖いわ」
即答だった。
もう、ここで強がっても仕方がない。
怖い。
大勢の前で疑われるかもしれない。
悪役令嬢として断罪されるかもしれない。
セシリア様を傷つける者だと、誰かに決めつけられるかもしれない。
原作では、この夜会でミリアは追い詰められた。
偽の証拠。
令嬢たちの証言。
王太子殿下の冷たい視線。
そして、婚約破棄。
修道院送り。
拍手も涙もない、悪役の退場。
「でも」
わたくしは、鏡の中の自分を見た。
「逃げないわ」
「はい」
「セシリア様を傷つけさせない。わたくしも、悪役にされない」
「はい」
「それから」
「それから?」
「もし途中で気が遠くなりそうになったら、リタ、足を踏んで」
「かしこまりました」
「迷わないのね」
「お嬢様が頼まれましたので」
「遠慮は?」
「必要ですか?」
「……いらないわ」
少し笑えた。
怖い時ほど、妙なことを言う。
リタにそう分類されているわたくしだが、実際その通りなのだと思う。
笑えるうちは、まだ立っていられる。
馬車へ乗る前、父がわたくしの前に立った。
「ミリア」
「はい、お父様」
「今夜、何があっても、ロゼリア公爵家はお前を見捨てない」
父の声は少し硬かった。
でも、震えてはいなかった。
「お前がやっていないなら、やっていないと胸を張れ。もし声が出なくなったら、私が言う」
「ありがとうございます」
「ただし、危ないと思ったらすぐ下がるんだ。いいな。無茶はするな。自分が傷つけば丸く収まるなどと、馬鹿なことは考えるな」
「……お父様」
「レオンハルト公から聞いた」
「公爵様」
あの人、父に何を話しているのか。
父は真面目な顔で続けた。
「腹立たしいが、あの男の言う通りだ。お前が傷つけば、我々も傷つく」
胸が詰まった。
母が横から扇で父の腕を軽く叩く。
「あなた、今夜は良い父親ね」
「今夜だけみたいに言うな」
「普段は胃薬を飲む父親だもの」
「それも父親だ」
こんな時なのに、少し笑ってしまう。
母はわたくしを抱きしめる代わりに、頬へ軽く手を添えた。
「行ってらっしゃい、ミリア。背筋を伸ばして。あなたは今日、とても綺麗よ」
「はい」
「そして、腹が立ったら笑いなさい」
「笑うのですか?」
「ええ。淑女の笑顔は、時々剣より刺さるのよ」
母は強い。
本当に強い。
わたくしは深く礼をして、馬車に乗った。
王宮へ向かう道のりは、短いようで長かった。
馬車の中で、リタは黙って隣に座っていた。
いつもなら何か刺してくるところだが、今夜は何も言わない。
それが、逆にありがたかった。
わたくしは、手袋をはめた手を握りしめる。
手帳は持っていない。
持ち込みたかったが、リタに止められた。
「今夜は書くより、見る日です」
そう言われた。
見る日。
証人になる日。
悪役にされるためではなく、誰かの脚本を見破るために。
王宮の大広間は、眩しいほどに輝いていた。
高い天井。
銀のシャンデリア。
磨かれた床。
楽団の柔らかな音色。
貴族たちは華やかに着飾り、笑顔で言葉を交わしている。
けれど、その笑みの裏には期待と好奇心が混じっていた。
誰もが、何かが起こることを待っている。
社交界というものは、祭りと火事を似た目で見る。
今夜は、おそらくその両方だ。
「ロゼリア嬢」
入場して間もなく、ユリウス殿下が近づいてきた。
金髪に白と青の礼装。
いつも通り爽やかで、王太子らしい。
けれど、近くで見ると少しだけ目が真剣だった。
「殿下」
わたくしは礼をする。
殿下は、周囲に聞こえる程度の穏やかな声で言った。
「今夜は、私の婚約者として来てくれてありがとう」
周囲の視線がこちらへ集まる。
王太子殿下が、はっきりと「婚約者」と呼んだ。
これは牽制だ。
殿下が、わたくしを切り捨てるつもりはないと示している。
「こちらこそ、お招きいただき光栄ですわ」
わたくしも、淑女の笑みで答えた。
逃げない。
殿下の隣に立つことから逃げるのではなく、今夜だけは、立つ。
殿下は少しだけ声を落とした。
「大丈夫?」
「怖いです」
「正直だね」
「最近、隠すのが下手だと皆様に言われますので」
「それはいい傾向だ」
「そうでしょうか」
「少なくとも、私は今の君の言葉の方が聞きたい」
心臓が少し痛む。
殿下は優しい。
だからこそ、雑には扱えない。
「殿下」
「うん」
「今夜、何があっても、セシリア様を守ってくださいませ」
「君もだよ」
「わたくしは」
「ミリア」
遮られた。
殿下の声は優しいが、逃がさない強さがあった。
「君も守る。これは決定事項だ」
「……最近、皆様がわたくしの意思を尊重しつつ、肝心なところで尊重してくださいません」
「君が自分を後回しにするからだよ」
「殿下まで」
「皆が言うなら事実だね」
「事実禁止令を出したいです」
「レオンハルト公に却下されるだろうね」
殿下が少し笑った。
その笑いに、緊張が少しだけ解ける。
その時、視界の端に赤い髪が見えた。
ダリオ様だ。
騎士団長として広間の警備を見ている。
礼装姿の騎士団長。
剣は儀礼用だが、立ち姿に隙がない。
尊い。
非常時でなければ、心の中で拍手をしていた。
ダリオ様はわたくしと目が合うと、短く頷いた。
それだけ。
けれど、その頷きには「見ている」「警戒している」「無茶をするな」が全部詰まっていた。
推しの圧縮言語。
ありがたい。
同時に、心強い。
少し遅れて、セシリア様が広間へ入ってきた。
白いドレス。
聖女候補としての正式紹介にふさわしい、清楚で控えめな装い。
胸元には小さな聖冠の飾り。
緊張しているのが遠目にも分かる。
けれど、背筋は伸びていた。
セシリア様はわたくしを見つけると、ほんの少しだけ笑った。
わたくしも笑みを返す。
大丈夫。
大丈夫ですわ、セシリア様。
あなたは一人ではありません。
そう伝わればいいと思った。
そして最後に、レオンハルト様が現れた。
黒に近い濃紺の礼服。
銀灰色の髪。
冷えた瞳。
広間の空気が、少しだけ変わった。
あの人が入ると、視線が自然と集まる。
華やかさではない。
静かな圧。
レオンハルト様は、誰とも長く話さず、広間の端へ立った。
けれど、視線だけはこちらへ向けられる。
目が合った。
胸が、少しだけ落ち着いた。
彼は何も言わない。
ただ、わずかに頷いた。
それだけで、十分だった。
やがて、夜会は正式に始まった。
王族の挨拶。
聖女候補セシリア様の紹介。
神官長の短い祝辞。
セシリア様は、少し声を震わせながらも、きちんと礼をした。
祈祷書の件は、無事に乗り越えた。
事前に確認した通り、すり替えは行われなかった。
あるいは、行われる前に防がれた。
神官長も、セシリア様を穏やかに見守っていた。
第一の罠は、不発。
だが、だからといって終わりではない。
わたくしは広間を見渡した。
そして、彼女を見つけた。
クラリーナ・ベリオール侯爵令嬢。
淡い金の髪を美しく結い上げ、薄青のドレスをまとっている。
立ち姿は優雅で、表情は完璧に整っていた。
彼女はわたくしと目が合うと、にこりと微笑んだ。
その笑顔は綺麗だった。
綺麗すぎて、冷たい。
「ロゼリア様」
クラリーナ様が近づいてきた。
周囲の令嬢たちが、さりげなく場所を空ける。
最初からそう決まっていたかのように。
「クラリーナ様。ごきげんよう」
「ごきげんよう。今夜は一段とお美しいですわ」
「ありがとうございます。クラリーナ様こそ」
「まあ、お上手ですこと」
穏やかな挨拶。
けれど、空気はすでに剣を抜いている。
クラリーナ様は、セシリア様の方へ視線を向けた。
「聖女候補様のご紹介、無事に終わって何よりですわね」
「ええ。本当に」
「けれど、少し気になる噂を耳にしましたの」
来た。
心臓が冷える。
わたくしは、笑みを崩さない。
「噂、ですか」
「ええ。聖女候補様の祈祷書がすり替えられる予定だったとか。しかも、その指示を出したのが……ロゼリア様だという話が」
周囲がざわついた。
音楽は続いているのに、近くの空気だけが急に冷える。
クラリーナ様は悲しそうに眉を下げた。
「もちろん、わたくしは信じたくありませんわ。けれど、証拠らしきものがあると聞いてしまいましたの」
「クラリーナ様」
わたくしは静かに言った。
「そのような話を、この場で?」
「この場だからこそですわ」
クラリーナ様の声は、柔らかい。
柔らかいのに、よく通る。
「今夜は聖女候補様の大切な紹介の場です。もし、その聖女候補様を害そうとした者がいるなら、見過ごすわけにはまいりません」
正論の形をしている。
だから厄介だ。
周囲の令嬢たちが囁く。
「やはり、噂は本当だったのかしら」
「ロゼリア様は最近変わられたと聞いたけれど」
「でも、以前は殿下への執着が……」
「聖女候補様がお姉様と呼んでいたのも、油断させるためでは?」
声が刺さる。
原作の記憶が、頭の奥でざわめいた。
これだ。
この空気。
悪役令嬢が追い詰められる時の、周囲のざわめき。
誰もまだ真実を知らないのに、疑いだけが形になっていく。
「ロゼリア嬢」
クラリーナ様の横に、別の令嬢が進み出た。
モルガン伯爵家の令嬢。
以前、セシリア様を笑っていた一人だ。
彼女は青ざめた顔をしていた。
「わ、わたくし、見たのです。ロゼリア様付きではない侍女が、礼拝堂近くの控室へ入るところを」
ざわめきが大きくなる。
別の令嬢が続く。
「私も、ロゼリア様が聖女候補様について『王宮で恥をかく前に学ぶべき』とおっしゃっていたと聞きましたわ」
「言っておりません」
わたくしは、はっきり言った。
声は震えなかった。
それだけは、自分を褒めたい。
クラリーナ様は、小さく息を吐く。
「ロゼリア様。お気持ちは分かります。婚約者である王太子殿下が聖女候補様に目を向けられるかもしれない。その不安は、同じ令嬢として理解できますわ」
理解していない声だった。
理解しているふりをした、刃。
「ですが、だからといって、慣れない王宮で努力されている方を貶めるなど」
「しておりません」
「では、こちらは何なのでしょう」
クラリーナ様が合図すると、控えていた侍女が一枚の紙を差し出した。
偽手紙。
いや、写しだろうか。
同じ文面。
セシリア様の祈祷書をすり替える指示。
最後には、わたくしの名前。
周囲がさらにざわめく。
誰かが息を飲む音がした。
その時、広間の向こうからセシリア様が駆け寄ろうとした。
けれど、近くの神官補佐が驚いて止めようとする。
わたくしは、セシリア様に小さく首を振った。
今は、危ない。
だが、セシリア様は止まらなかった。
「違います!」
彼女の声が、広間に響いた。
音楽が止まる。
完全に。
全員の視線が、セシリア様へ向いた。
セシリア様は顔を青くしながらも、こちらへ歩いてきた。
足取りは少し震えている。
けれど、止まらない。
「ミリア様は、そんなことをなさいません」
その声は、震えていた。
でも、確かだった。
「聖女候補様」
クラリーナ様が痛ましげな顔を作る。
「あなたはお優しいのですね。けれど、ロゼリア様に懐いていらっしゃるからこそ、見えないことも」
「見えています」
セシリア様は遮った。
強い。
わたくしが驚くほど、強い声だった。
「私は、ミリア様を見ています。私が初めての舞踏会で笑われた時、ミリア様は私を庇ってくださいました。作法を間違えた時も、笑わずに教えてくださいました。私が怖いと言った時、逃げなくていいと言ってくださいました」
セシリア様の目に涙が光る。
それでも、彼女は続けた。
「ミリア様は、私を笑わなかった唯一の方です。そんな方が、私をわざと笑いものにするはずがありません」
胸が熱くなった。
こんな場で、セシリア様がわたくしのために立ってくれている。
ヒロイン様が、悪役令嬢を庇っている。
原作にはなかった光景。
わたくしは、泣きそうになった。
でも、今は泣かない。
セシリア様が立ってくれているのだから、わたくしも立たなければならない。
「セシリア嬢」
クラリーナ様は、なおも微笑んだ。
「あなたの純粋さは尊いですわ。けれど、証拠は」
「証拠なら、私もある」
今度は、低い声が響いた。
ダリオ様だった。
広間の人々が道を空ける。
赤髪の騎士団長は、儀礼用とはいえ剣を帯びたまま、こちらへ歩いてくる。
その姿に、場の空気が変わった。
武力ではない。
信頼の重さだ。
「グランツ卿」
クラリーナ様の表情が、ほんの少しだけ揺れた。
「これは令嬢方の」
「王宮警備に関わる話だ」
ダリオ様は短く言った。
「礼拝堂周辺の控室については、昨日から警備を増やしていた。不審な侍女が入ったという証言があるなら、誰が、何時に、どの扉から入ったか確認する」
モルガン伯爵令嬢が、びくりと肩を震わせた。
ダリオ様は彼女を責めるようには見なかった。
ただ、淡々と続ける。
「ロゼリア嬢は、俺に殿下を支えろと言った」
突然自分の話になり、わたくしは息を止めた。
「自分のためではない。殿下のために、そう言った。奇妙な言い方ではあったが、悪意はなかった」
奇妙。
こういう場でも奇妙と言われる。
だが、今はありがたい。
「彼女は、少なくとも俺の見た限り、聖女候補を傷つけるために動く人間ではない」
ダリオ様。
推しが。
推しが、わたくしを信じてくれている。
胸がいっぱいになる。
クラリーナ様は唇を引き結んだ。
そこへ、ユリウス殿下が歩み出た。
広間の空気が、さらに変わる。
王太子殿下。
この場で最も発言に重みを持つ人。
殿下は、わたくしの隣に立った。
「殿下」
クラリーナ様が礼をする。
「どうか、公平なご判断を」
「もちろんだ」
ユリウス殿下は穏やかに言った。
だが、その目は笑っていなかった。
「だからこそ、この場で一方的にミリアを罪人のように扱うことは認めない」
広間が静まる。
「彼女は、私に自由をくれようとした」
殿下の声は、静かに広がった。
「自分の立場を守るより、私が王太子として、そして一人の人間としてどうあるべきかを考えてくれた。彼女の言葉がいつも正しいとは限らない。時々かなり方向がおかしい」
なぜここで。
殿下。
なぜここで少し落とすのですか。
周囲に小さなざわめきが生まれる。
殿下は続けた。
「けれど、彼女が誰かを傷つけて自分の立場を守ろうとする人間ではないと、私は思っている」
その言葉に、呼吸が止まりそうになった。
セシリア様。
ダリオ様。
ユリウス殿下。
三人が、わたくしを庇ってくれている。
原作とは違う。
あの断罪イベントとは、まったく違う。
なのに、クラリーナ様はまだ引かなかった。
「殿下のお優しさは、尊いものですわ」
彼女の声は少し震えていた。
だが、笑顔を崩さない。
「ですが、情に流されてはなりません。証拠がある以上、きちんと調べるべきでは?」
「その通りだ」
最後の声は、冷たかった。
レオンハルト様。
広間の端から、ゆっくりと歩いてくる。
その瞬間、人々が自然と道を開けた。
冷血公爵。
噂の中心にいるもう一人。
彼は、わたくしの前ではなく、少し斜め前に立った。
壁の前に立つように。
「ヴァイスベルク公爵様」
クラリーナ様の声が、明らかに硬くなる。
「証拠を調べるべきだと言ったな」
「はい。当然のことかと」
「同感だ」
レオンハルト様は、偽手紙の写しを持つ侍女へ視線を向けた。
「その紙をこちらへ」
侍女が怯えたようにクラリーナ様を見る。
クラリーナ様は少し迷い、頷いた。
紙がレオンハルト様へ渡される。
彼は一目見ただけで言った。
「粗いな」
広間がざわめいた。
クラリーナ様の表情が固まる。
「粗い、とは?」
「筆跡の似せ方が甘い。ロゼリア嬢の字に似せようとしているが、語尾の跳ねが違う。名前の書き方も違う。紙も同じ系統だが、昨夜ロゼリア家で見つかったものとは裁断の癖が異なる」
クラリーナ様の顔から、血の気が引いたように見えた。
レオンハルト様は続ける。
「それに、証拠が都合よくこの場で出てくるのが早すぎる」
冷たい声だった。
「悪役を用意すれば物語が進むと思ったか」
広間が、完全に静まり返る。
レオンハルト様は、クラリーナ様を見た。
「残念だが、ここにいる者たちは君の脚本では動かない」
その言葉で、夜会の空気が決定的に変わった。
誰かが息を飲む。
誰かが一歩下がる。
クラリーナ様の笑顔が、初めて崩れた。
わたくしは、ただ立っていた。
セシリア様がわたくしの隣へ来る。
ダリオ様が殿下の側に立つ。
ユリウス殿下がわたくしを庇う位置にいる。
レオンハルト様が前に立っている。
壁になりたかった。
なのに今、わたくしは壁の陰ではなく、光の当たる場所にいた。
怖い。
けれど、一人ではなかった。
断罪夜会は、開幕した。
けれど今夜、断罪される物語は、原作とは違う方向へ動き始めていた。




