表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
母の羽の下で――ある雛の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/10

第七話「怖いものが来た」



怖いものが来た日があった。


別の気配だった。


温かさとは違う気配が、近くに来た。



温かさが、固くなった。


音を出さなくなった。


声を出さなくなった。


雛も、声を出さなかった。


温かさが固くなったから。



気配が来た。


近づいてきた。


温かさが、雛を羽で深く包んだ。


息もできないほど包んだ。



雛は動かなかった。


声も出さなかった。


温かさが固いままだったから。


温かさが固い時は、雛も固くなる。


体が知っていた。



長い時間が経った。


気配が遠くなった。


消えた。



温かさが、少し柔らかくなった。


羽が、少し緩んだ。


雛は声を出した。


小さな声だった。


温かさが声を出した。



雛は温かさを見た。


温かさも雛を見た。


その目が、いつもと同じだった。


黒くて、丸い目が。


変わっていなかった。



怖いものが来た時も、温かさはいた。


固くなって、包んで、いた。


雛は、それを知った。


体で知った。



(第七話 了)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ