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母の羽の下で――ある雛の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第四話「雨の日」



雨が来た日があった。


音が大きかった。


外から、たくさんの音が来た。


雛は声を出した。


温かさがいた。


羽が広がった。


雛を包んだ。



雨は続いた。


温かさは動かなかった。


ずっと、雛を包んでいた。



風も来た。


巣が揺れた。


雛は声を出した。


温かさがいた。


温かさは揺れなかった。


巣が揺れても、温かさは揺れなかった。


雛を包んだまま、動かなかった。



雷が来た。


大きな音だった。


今まで聞いたことのない音だった。


雛は声を出した。


大きな声だった。


温かさがいた。


羽が、もう少し強く、雛を包んだ。



雨の音が続いた。


温かさの音も続いた。


低い、繰り返す音が。


雛はその音を聞いた。


雷の音より大きくはなかった。


しかし、雷の音より近かった。



雛は眠った。


雨の音の中で眠った。


温かさの音を聞きながら眠った。



目を覚ますと、雨が止んでいた。


温かさが動いた。


羽が少し開いた。


光が入ってきた。



外が見えた。


濡れていた。


葉が光っていた。


空が見えた。


青かった。



温かさが声を出した。


低く、繰り返す声を。


雛も声を出した。



(第四話 了)

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