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母の羽の下で――ある雛の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第二話「光が来た」


光が来た日があった。


目を開けたら、光があった。


最初は分からなかった。


何かが変わった、とだけ感じた。



光は、眩しかった。


目を閉じた。


また開けた。


また閉じた。


何度か繰り返した。


少しずつ、光に慣れた。



見えるものがあった。


茶色いものが見えた。


大きかった。


近かった。


その茶色いものが、動いた。


温かさが、動いた。



雛は、その茶色いものを見た。


じっと見た。


茶色いものも、雛を見た。


目があった。


黒くて、丸い目が。



その目を見た瞬間、雛は知った。


言葉ではなかった。


体が知った。


この目を知っている。


この温かさを知っている。


ずっと前から、知っている。



茶色いものが、雛に顔を近づけた。


くちばしが来た。


雛の頭に触れた。


軽かった。


優しかった。


雛は動かなかった。


そのままでいた。



また、羽の下に入れられた。


温かさに包まれた。


しかし今度は違った。


目をつぶる前に、見た。


茶色い羽が、雛を包んだ。


その羽の下に入りながら、雛は見た。


羽を。


大きな、温かい羽を。



(第二話 了)


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