20.ウ・クバ城
『翌日』
ほんじゃカルアさんはミルクちゃんの面倒見をよろしくお願いしやす
ミファさんとフーガ君は俺っちと一緒にお宝探しに行きやしょう
戦士「城に行ったとしてもどうせ中には入れて貰えないからそんなに時間も掛からないんだが…」
学者「じゃぁ2人でミスリルの武器でも売っといて貰えやす?」
戦士「相場とか分からないぞ?」
学者「昨日は兵隊がちょいちょい立ち止まってたんすよね…」
戦士「あぁ…ガーゴイル対策で欲しい奴は居るかも知れないな…」
学者「まぁそんな高く売りつけんでも良いので小銭稼ぎだと思って下せぇ」
戦士「そう言って貰えると気も楽だ」
学者「じゃぁ後は任せやす…日暮れまでには戻って来るんでそのつもりでおなしゃす!」
戦士「分かった…」
『港_小舟』
湾の外に出ちまうとその小舟じゃ戻って来れんくなるで沖には出ん様にな?
へいへい分かりやした
漁師「釣りエサは要らんのんか?」
学者「ちょっとした遊覧なんでイランっす」
漁師「ほんなら気を付けてな?」ノシ
学者「とりあえず今日は釣り用の小舟で様子見やしょう」
ローグ「乗るよ?」ピョン ギシ
女盗賊「手漕ぎなんだ…」ピョン スタ
ローグ「一応ミファでもどうにか動かせるんじゃないかな?」
女盗賊「やってみようかな…」
学者「今日金貨を拾えたら明日からは少し大きな双胴船を借りやしょうか」
女盗賊「その方が安心」
学者「まず俺っちが一番近くのエネルギー反応まで行くんでその後ミファさんに船をお願いしやす」
女盗賊「分かったぁ!」
学者「じゃぁ行きやしょうか…えっほ!えっほ!」ザブザブ
ローグ「深さは…30~50メートルって所かな…行けそうだね」
学者「ヌフフフフフ…ナハハハハハ…いやぁぁ笑いが止まらんす…ムフフフ」
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『ウ・クバ城_門前』
済まんな…傷兵とは言え除隊された者を兵舎の方へは入れられないルールなんだ
まぁしかしアレだけ異形の矢を食らって良く回復したな?
今はどうしてるんだ?
戦士「ハハ…回復したと言っても筋力は以前の半分以下だ」
兵隊「障害は残って居無いのか?」
戦士「適切な手術を受けて普通に生活する分には困らなくなった」
兵隊「それは良い…後ろで控えて居るのはお前の嫁だな?」
戦士「そういう関係では無い…命の恩人と言った方が良いな」
兵隊「ほう…ミスリルの甲冑を着込んで居るあたり…さぞやり手の冒険者と見た」
戦士「まぁそんな所だ…成り行きというか冒険に付き合わせて貰っている」
兵隊「ここらの山賊は女を見るや人狩りに動くから気を付けるんだぞ?」
戦士「あぁ…その話を少し聞きたかったんだ」
兵隊「手強いと言うか…やり口が汚いから関わらない方が良いとだけ教えとく」
戦士「やり口?」
兵隊「あまり大きな声で言えんが一般民が全部山賊みたいな物なんだ…下手に手を出すと嫌がらせを食らうぞ?」
戦士「なるほど…」
兵隊「移民が入って来て少しはマシになったんだがな…どうもそれも不服な様でイザコザが絶えん」
戦士「バレン卿も苦労されているだろう…」
兵隊「む?お前知らない様だな?」
戦士「ん?何かおかしいか?」
兵隊「バレン卿は領主という建前だが実質的な政治はサクラ婦人が取り仕切って居るんだ」
戦士「あぁ…まぁ同じだろう」
兵隊「どうもフィン・イッシュの忍び達はバレン卿に実権を握らせたく無いらしい」
戦士「つくづく敵の多いお方だ…」
兵隊「敵のヘイトを集めるタンカーとしては世界一だ…味方の信頼を得るのも恐らく世界一」
戦士「そう言われると又バレン卿の盾として働きたくなるな…」トーイメ
狼女「おい!裏切りは許さんぞ!カルアはミルクの盾として働け!」
戦士「おっと…下手な事を言うとヤジが入る様だ…」アセ
兵隊「ハッハッハ…お前も中々信頼されているじゃ無いか」
戦士「さて…あまり兵隊の足を止めてるのも良く無いから俺は一旦戻る」
兵隊「宿屋の方で宿泊しているんだな?」
戦士「そうだ」
兵隊「預かったミスリルの武器は正しい相場で買い取って貰えるだろうから後で金貨を届けてやる」
戦士「それは助かる…もうジリ貧でね…」
兵隊「では又!」ビシ
戦士「もう俺は軍属では無いぞ?」ビシ
狼女「カルアに敬礼は似合わん…行くぞ」グイ
『帰り道』
スタスタ
狼女「ここの城は高台で見晴らしが良くて立地が良いな…」キョロ
戦士「難攻不落の城だったらしい…城壁もしっかりしていて侵入も難しいだろう」
狼女「なんか今まで見て来た国で一番国らしい気がしたぞ」
戦士「国?」
狼女「国と言う言い方がおかしいか…ちゃんと城を兵隊が守ってるし町の方も色々問題あるけどどうにかしようとしてる」
戦士「それは領主がしっかりしてるんだ…国と言う意味だとフィン・イッシュなんだが…まぁ属国になるか…」
狼女「バレンは王様になれんのか?」
戦士「本人はその気が無いと思う」
狼女「ふーん…良い国になりそうなのにな…」
戦士「恐らくフィン・イッシュに対して内陸からの侵略を防ぐ為の緩衝国という位置付けだな」
狼女「良く分からん」
戦士「フィン・イッシュの盾と言えば分かるか?」
狼女「なるほど…」
戦士「シャ・バクダのオアシス領もそういう意味が有る…」
狼女「内側にアンドロイドが入ってるんじゃあんまり意味無さそうだけどな?」
戦士「確かに…もしかしてミルク…」ジロ
狼女「んん?」
戦士「俺に付いて来たのはアンドロイドを探しに来てたのか?」
狼女「当たり前だろう…城の中の方から機械の匂いがしてるのも分かったぞ」
戦士「…」ジロリ
狼女「なんだその眼は…」
戦士「いや…もし敵にミルクと同じ様な事が出来る者が居たとすると危険だと思っただけだ」
狼女「今頃何言ってる…アンドロイドはもっと賢いと思うぞ?」
戦士「一つ質問が有る」
狼女「なんだ?」
戦士「他に何か気付いた事は無いか?」
狼女「言って良いのか?」
戦士「言ってみてくれ」
狼女「サイボーグだな…魔石が動くからバレバレだ」
戦士「フフ…ミルクに隠し事は出来んな…」
狼女「もっと言ってやろうか?」
戦士「言ってくれ…」
狼女「カルアが除隊された理由はサイボーグ化してないからだな…バレンはそういう奴を守ったんだ」
戦士「なんでそんな事まで分かる!?」
狼女「ミルクの耳は地獄耳だぞ?」
戦士「…」
狼女「カルアは言ったな?戦場だと手足を失ってもそれでも戦うって…」
その後黒死病のリスクを抱えてでも失った手足をサイボーグ化してるんだ
徐々に黒死病が進行して行ってサイボーグ化して居る部分が増えて行く
そんな兵隊が一番前線で戦って来たんだろう?
狼女「その技術を持って居たのは多分古代人だな」
戦士「分かった…その話はもう誰にも言わないでくれ」
狼女「分かってる」
戦士「これでどうして忍びがバレン卿に実権を握らせたく無いのか分かっただろう」
狼女「バレン自体は何も悪く無さそうだけどな?」
戦士「旧セントラルから続いて居る負の遺産と言うか…誰かを守る為に戦士であり続ける男達の選択だったんだ」
狼女「そう言われると戦士って凄いな…」
戦士「分かって貰えるか?」
狼女「自分のすべてを犠牲にしても誰かを守るのか…」
戦士「それが戦士だ」
狼女「ちょっと待て…バレンは何も失って無いぞ?」
戦士「ハハ…あのお方は特別だな…不思議とあのお方の盾になりたいと思えるのだ」
狼女「そういえばバレンは何処に戦争行ってるんだ?」
戦士「戦争では無いな…兵隊を訓練する為に定期的に実地訓練をするんだ…それを遠征と呼んでる」
狼女「あぁ…そういう事だったか」
戦士「山を登ったり…穴をを掘ったり…敵味方分けて実戦訓練もやる…これが中々にキツイんだよ」
狼女「分かったぞ…そういう所だな…一番国らしいって感じるのは」
戦士「今回の遠征はどうも悪いダークエルフを退ける目的らしい」
狼女「ん?ダークエルフ?」
戦士「詳しくは分からない…ただ旧セントラルはダークエルフと密約をしていた歴史もあるから今だに何か有るのだと思う」
狼女「密約って何だ?」
戦士「祈りの指輪というアーティファクトを条件に交わした約束だという話だ…それ以上知らない」
狼女「まぁミルク達には関係なさそうな話だな」
戦士「さて…暇になった…剣の稽古でもするか?」
狼女「むむ!?」
戦士「負けた方が勝った方の背中を撫でる…今の所俺が勝っているがどうする?」
狼女「おい!契約の事はどうなってる…ミルクは勝たなくても撫でて貰える筈だ」
戦士「じゃぁこうしよう…俺が負けたら2回撫でてやろう」
狼女「2回か…悪く無いな…」
戦士「じゃぁ決まりだな?何処か良い場所を探して軽く運動でもしよう」
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『夕方_港』
ザブン ギシ
学者「歩けやすか?」ガクガク ブルブル
ローグ「な…なんとか…」ヨロ
学者「体が冷えすぎなんで湯に浸かりたいっすね…うぅぅ」
ローグ「明日は火鉢とか毛皮用意しよう…もう寒くて…」ブルブル
女盗賊「集めた魔石とかは全部私が預かっていて良いの?」
学者「そーっすね…どんくらいありやす?」
女盗賊「ええと…魔石は50個くらいで…金貨は20枚って感じ?」
学者「おお!!結構集まりやしたね」
ローグ「海底で宝箱を開けられるならもっと集められる…ミルクから破壊の剣を借りた方が良いかな」
学者「そうっすね…明日はそれで行きやしょう…それからもうちょい暖まる時間も確保しやしょう」
漁師「えらい遅くまで周遊しとったんやな?」ジロリ
学者「明日は一回り大きな双胴船を借りたいんすけど貸して貰えやす?」
漁師「釣り用かいな?」
学者「まぁ釣りっちゃ釣りっすね」
漁師「船を貸したは良いが逃げられたら敵わんでちっと高いぞ?」
学者「いくらっすか?」
漁師「預り金で10枚やな…返却時に8枚戻す感じでどうやろうか?」
学者「おっけーっす!!」
漁師「何を釣るつもりか知らんが漁場を荒らす様やったらどうなっても知らんで?」ジロ
学者「それはどういう意味なんすか?」ギロ
漁師「どうせ沈没船狙いで来とるんやろう…」
学者「ちっと見回ったんすけどそんな簡単に潜れる感じじゃなかったっすけどねぇ…」シラジラ
漁師「まぁええわ…怪しい船は襲われるかも知れんで気ぃ付ける事やな」
学者「へいへい…」
ローグ「ゲスさん行こうか」グイ
学者「ほんじゃ明日またよろしくお願いしやす!」ノシ
漁師「双胴船を用意しとけばええな?」
学者「おなしゃす!」
『街道』
スタスタ
ローグ「…なんか…あまり目立った真似は出来ないみたいだね?」
学者「そんな感じっすね…宝箱を引き上げちゃダメな感じなんで小さい物だけにしときやしょう」
女盗賊「釣り竿とかも用意した方が良さそう」
学者「体を温めてる間は釣りでもしやしょうか」
女盗賊「うん…」
ワーワー ザワザワ
商隊が全部入り切るまで守備を固めるぞ!
荒れそうだな?兵舎に行って増援を呼んで来る
頼む!
学者「おろろ?」キョロ
ローグ「何か起きてるみたいだね…兵隊が落ち付きない」キョロ
学者「これもしかしてミルクちゃん絡みっすかね…」
ローグ「可能性有る…早く戻ろう」
『宿屋前』
ガヤガヤ ザワザワ
ふぅぅう助かったわ…しかしヤケに手強いウルフだったな?
あれはウルフじゃ無いぞ…野犬の群れだ
同じ様なもんだろう
兵隊の慌てっぷりからしたら何か有りそうだけどな?
ウルフ如きにか?
まぁ兎に角2日の休憩だからしっかり体を休めるぞ
そうだな…次はオム・スクか…
傭兵をもう少し増やして貰いたいんだが何とかならんのかなぁ…
狼女「やっと戻って来たな…遅かったじゃないか」ズイ
学者「何言ってるんすか…日暮れ前に戻るって言ってたじゃないすか」
ローグ「ミルクが何か騒ぎ起こしてるんじゃないかと思って心配したよ…」
狼女「どういう意味だ?」ギロリ
学者「ところでこの騒ぎは何なんすかね?」
狼女「例の商隊が野犬に追いかけ回されながら入って来たみたいだな…」
学者「野犬なんかで騒ぎになりやす?」
狼女「その話は後だ…移動するぞ」
学者「ちょちょ…どういうこってしょう?」
狼女「兎に角移動だ…付いて来い」スタ
女盗賊「宿屋に置いてあった荷物とかは?」
狼女「盗まれたと言ったら通じるか?」
女盗賊「…」---狙われてた---
狼女「行くぞ」スタ
『崖の上の廃墟』
カクカク シカジカ
ここまで見回りには来れんがここなら住民と変に揉める事も無かろう
10日程滞在しようと思って居たんだがな…
済まんがここで我慢してくれ…よそ者はどうしても嫌がらせを受けてしまうものだから…
戦士「風を凌げるだけまぁ良いか…」
兵隊「まぁ非番になったら酒ぐらい持って来てやる…では俺は任務に戻る」スタ
ゾロゾロ
戦士「お!?ミルク!!皆連れて来たな?」
学者「カルアさんこれどういう事なんすか?」
戦士「まぁ色々有ってだね…宿屋で休める状況では無くなったと言う事なんだ」
狼女「ミルク達は地下の部屋に案内されただろう…閉じ込められる相談をされてたぞ?」
学者「あたたたた…そういう感じっすね」
女盗賊「盗まれた荷物はどうなるの?」
戦士「返して貰う様に話はしたのだが…逆に泥棒呼ばわりされて兵隊を呼ばれたと言う顛末なんだ」
女盗賊「食料以外に何が置いてあったっけ?」
学者「俺っちはポーションの類とアンドロイドの部品っすね」
ローグ「おいらはバックパックにランタンとか色々入れっぱなしだったな…」
学者「まぁ…しゃぁないんで買い直しやしょう」
狼女「それでお宝のサルベージはどうだったんだ?」
学者「魔石50個と金貨20枚っすね…本番は明日からっす」
狼女「金貨1000枚分稼いだらサッサと引きあげたいな…イヤな予感がする」
ローグ「ん?ミルクがそういう事を言いだすのって何か聞こえた?」
アオーーーン ワオーーーン
女盗賊「遠吠え…」キョロ
ローグ「…この遠吠えは何かおかしい…ウルフじゃ無さそうだ」
狼女「お?フーガにも分かるか…実はミルクにも何の合図なのか分からん」
学者「ちょいちょい…どういう事っすか?」
狼女「答えを先に言う…機械化された犬が居ると言って通じるか?」
ローグ「え!?」
学者「ちょい待って下せぇ…もしかして商隊が襲われてるのって機械化された犬なんすかね?」
狼女「見た訳じゃ無いから確実な事は言えん…でも兵隊の話してる内容からするとそういう事みたいだ」
学者「小動物を機械化するなんて技術がこっちの大陸に有る様に思えんのですけどね…」
狼女「おいカルア!黙って無いで何か言え」
戦士「う…あぁ…」
学者「カルアさんが何か知ってる?」
戦士「詳しくは知らない…でもそういう技術を持って居る技師が居る事は知ってる」
学者「それなら古代人が関わってるのは間違い無さそうっすね…もしかしたらそういうデバイス作る工場みたいなのもどっかに有るって事っス」
戦士「ウ・クバ領の前領主…アナール卿は手足が全部機械だ」
学者「ハハーン…そういう事っすか…元々ウ・クバ領はそういう場所なんすね?」
女盗賊「そういえばウ・クバ領の産業って何なんだろう?」
学者「確かにそうっすね…漁業だけでお金は稼げんので機械化のデバイスを作る産業とか持ってる可能性ありやすね」
狼女「バレンはそれを放置してるのか?」
学者「放置っちゅうか本人は知らんかも知れんすね」
戦士「言い難いが黙認して居るというのが正しいと思う」
学者「思う?」
戦士「済まないが本当に俺は詳しく知らないんだ…只バレン卿の性格からして機械化を黙認すると思われる」
学者「まぁ頭部を機械化するんじゃ無きゃそう悪い事でも無いんすよね」
狼女「襲って来てる野犬は頭部が機械化されてると思った方が良いぞ…遠吠えの仕方が普通と違う」
学者「てか何で犬の頭部を機械化させる必要が有ったかなんすが…」
狼女「そんなの簡単だ…人間の内側に潜り揉ませる為だろう」
学者「そうなると悪いのは施術した古代人って事になりやすぜ?」
狼女「施術してるのは古代人じゃなくてアンドロイドだという可能性はどう考える?」
学者「おっと…」
女盗賊「それだと話が繋がりそう…」
狼女「多分もともと居たアンドロイドが裏切ってどっか行ったんだな」
学者「なるほど…問題は衛星を打ち上げた後にハッキングされてアンドロイドが裏切っちまった所にあるって事っすか…」
ローグ「ちょっとその話は置いといて焚火でもして暖まらない?」ブルブル
学者「そーっすね」
戦士「夜は冷えそうだから暖を取る準備をした方が良い」
学者「ちっと金貨に余裕出来たんで軽く買い出しでもしやすか」
戦士「俺が買って来るから火を起こして休んで居てくれ」
学者「ほんじゃおなしゃす!」
『焚火』
メラメラ パチ
学者「なんか折角町に居るのに焚火でキャンプとかやるせないっすねぇ…」
狼女「くだらん悪口が聞こえん分ミルクはこっちの方が良いけどな?」ゴロン
学者「悪口ってどんな内容っすか?」
狼女「色々だ…特に女達が話してる内容は聞いてて腹が立つ」
学者「そんな気になるじゃないすか」
狼女「ミファが自由にしてるのが気に入らないから間違ってお湯を掛ける作戦とか立ててたぞ?」
女盗賊「え!?」
学者「他人に危害を加える作戦は良くないっすね…」
狼女「だから関わらん方が良い」
アオーーーン ワオーーーン
狼女「ムム!!」キョロ
学者「こりゃ今晩は眠れん感じっすかね?」
狼女「普通は縄張りに侵入者が入った合図か位置の確認なんだけどな…なんか違う」クンクン
ローグ「ゲスさん…一応ヘッドギア装着して警戒しようか」スチャ
学者「なんか怪しい物ありやす?」スチャ
ローグ「あれ?…今まで気が付かなかったけど結構な数の魔石が動いてるな…」キョロ
学者「本当っすね…」
狼女「そのカラクリ知ってるぞ」
学者「どういう事っすか?」
狼女「兵隊が魔石を持ってるんだ…多分バレンが使ってた鉄を切断する技だ」
学者「あぁ…プラズマ溶断すか」
狼女「あと兵隊の中にサイボーグっていうのも混じってるみたいだな」
学者「サイボーグ…」トーイメ
狼女「向こうの大陸にも同じ様な奴が居るんじゃ無いか?」
学者「部分的な機械化をしてる奴が兵隊の中に居るのはある程度想定して居やした…その中に銃器が有るかどうかっすね」
狼女「腕を銃器にしてたら直ぐにバレるんじゃないか?」
学者「…となると魔石で動くタイプの義手とか義足ってのが一番確率高そうっす」
狼女「それって強いのか?」
学者「どんなデバイスかにもよるんで何とも言えんのですけどアンドロイドと同じだと思えばそこそこ強いんじゃないすかね?」
女盗賊「ねぇ…機械化してる犬の目的って何だと思う?」
学者「商隊が引き連れて来た家畜を狙ってるってのは考え浅いっすかね?」
ローグ「ゲスさん城に向かう坂道の所を見て!!」
学者「お?」キョロ
ローグ「沢山の魔石を袋詰めで誰かが持ってる」
学者「商隊に魔石売りが入ってたって事っすかね?」
狼女「逆の見方をするとミルク達の動きもアンドロイドにバレバレの可能性あるな…ウラン結晶もあるし」
ローグ「今の所周辺にはアンドロイドらしいエネルギー反応は見当たらない…」キョロ
学者「ちっと罠でも張って見やす?」
狼女「罠?」
やり方はっすね…ポチの筐体ん中に魔石をひとまとめにして入れておくんす…
この場所からちょい崖沿い行くと秘密の通路に続く階段があるんすよ
その通路の奥は何枚も鉄柵で遮られてるんすけど…
ポチだけならそん中に入れると思うんすよね
狼女「アンドロイドを誘き出すと言う事だな?」
学者「まぁそうなりやすね…その通路行く為には必ずこの場所を通るんすよ…てかこの廃墟は元々その通路の監視所っすね」
狼女「一回試してみるか…ミファ!ポチに言う事聞かせられるな?」
女盗賊「大丈夫!」
『1時間後…』
女盗賊「カルアさん買い出しに行ったまま戻って来ないね…」
狼女「揉めてる声が聞こえるな…」
女盗賊「大丈夫?」
狼女「ううむ…どうするかな…」
学者「又何か起きて居やす?」
狼女「兵隊達がカルアに声を掛けるのが気に入らん奴が居るんだ…なんか持ち物を調べろとか騒いでるな」
学者「あらら…カルアさんでも普通に出歩けんすか…」
狼女「マズいな…兵隊にバヨネッタ持ってるのバレたみたいだぞ」
学者「別に違法って訳じゃ無いっすよね…なんか言われて居やす?」
狼女「説明しにくいんだが…機械化した野犬を退治出来ないか?という問いに対して他の女達が危険だから取り上げろとか話が拗れてる」
タタタターン!
狼女「あ…」
学者「バヨネッタの音っすね…」キョロ
ローグ「ゲスさん!!おいら走って来る!!」ダダ
学者「頼んます!ミルクちゃんは聞き耳立てて下せぇ」
狼女「揉み合いで暴発したみたいだな…撃たれたのはカルアと兵隊だ」
学者「安全装置付いてるんで素人じゃ暴発させるとかムリっすね…グダグダ言ってる女達の中にその手の者が混ざってるとか考えられやせん?」
狼女「その手の者って電脳化してる奴の事か?」
学者「なんか怪しいと思ってたんすよ…てか元々奴隷なんで管理用に何か頭部に埋め込まれてるのかもっすね」
狼女「…」ゾワゾワ
---なんだ?---
---腹から怒りが湧いて来る---
---あの女達は被害者なのに---
---こんな風にした世界に腹が立つ---
---マズイな…満月が来る---
狼女「ぐるる…」ググググ
女盗賊「ミルク?」
狼女「我慢してる…多分大丈夫だ…ふぅふぅ…」ググググ




